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2007年11月29日(木)更新

「仕事が肩書きを決める」本田技研工業ウェブマスター渡辺春樹氏

昨日は午後いっぱいお世話になっている企業のオープンセミナーを
お手伝いし、そのまま夜は宣伝会議の「インターネット広報」を聴講
しに行った。
自分の回が終了しているので気楽だが、楽しみにしていた本田技研
のウェブマスター、渡辺さんの回だったのだ。

渡辺さんの名前は何度となく同じ会社のセミナーで拝見していたの
だが徹底的にニアミスで、ぜひ話を聞きたい、お会いしたい、とずっと
思っていた。

内容は想像以上に濃く、さすが10年以上にわたって大企業のウェブ
をマネージしてきただけのことがあるものだった。
具体的にいえば一番のポイントはすべて定量データに落とし込んで
評価できている点だ。

ホンダが他の大企業や自動車会社とまったく違うウェブ戦略を持って
いることは実はかなり前から気がついていた。
それは、圧倒的に情報量が多いのだ。私が最後にチェックしたのは
3年近く前だが、すでにその時点で最大手のT社の倍以上のページ
ボリュームだった。また、ドメイン内に荒れないコミュニティを持ってい
るのはアップルとホンダぐらいなのではないだろうか?
それに裏打ちされるものがなければこれは普通の会社には不可能
だ。

さすがにお話し慣れしている感じで、軽妙な口調で話はどんどん進
んでいくのだが、企業ウェブマネージメントを知り尽くした方ならでは
の示唆にとんだキーワード満載だった。

たとえば
「大手のメディア系サイトのページビューがホンダの3~5倍程度しか
ないのは情けない!近い将来マスメディアどころかネットメディアです
ら企業は見向きもしなくなるのではないか?」

「社史なんて出版するのやめてデータをすべてオンラインにアップし
てしまおう。そのほうが利便性が高い」

「顧客は面白いと思って自分の意思でそのサイトにとどまるだけ。C
RMで顧客を囲い込めると思ったら大間違いだ。」

「ひとつの入り口、ひとつのもてなししかできない単機能サイトの未
来は暗い」

とどめは、
「ウェブ以前にまず会社自体が面白くなければ(ウェブマスターが会
社を面白く伝える喜びを持っていなかったら)人が興味を持って見に
来るサイトになるわけがない」

聞いていてとてもすっきりした。
しかし、簡単にできることではない。

渡辺さんは95年にウェブの担当になってから、広報を皮切りに色々
と所属部署が変わっていったそうだ。
しかし本人はまったく意に介していない。
「やっていることはひとつですから。ニーズに応じて会社がやりやすい
部門に僕を引っ張っているだけなんです。」

ゆっくり話を聞きたいことはいっぱいあるのだが、とりあえず来週も楽
しみだ。

参照記事:

読売ADレポート「企業サイトは広告効果を映す鏡」

「ウェブのジレンマ」-コメント   

ウェブは必ずしも売り上げに繋がらないのでは?という疑問がふつふつと湧いて来ました。本田のサイトみましたが、もし、ウェブの充実がそれだけ自負するものであるのなら、日本の自動車界でトップになれないのはなぜか?やはり、消費者はそんなに甘くないです。ウェブの充実も勿論ですが、商品がそれに似合ったものでなければ、全く意味を持たないのです。ウェブと自動車開発が一体となるからこそパワーを発揮する。やはり社内の連携(コミュニケーション)なくして売り上げアップは望めないのでは。どうでしょう?

投稿者:近江   2007年12月10日15時14分

「コメントありがとうございます!」-コメント   

おっしゃるとおりだと思います。
私の言葉が足りないところも大きいのですが、実際に渡辺さ
んはかなり社内の連携に注力されいるようです。

逆説的にいえば多くの大企業が「売り上げに結びつく(効果の
出る)ウェブサイトとはどういうものか?」という命題に応えあぐ
ねている状況の中で、まだまだ稀有な例として本田さんの例
を紹介差し上げたかったのです。
渡辺さんは様々なオンラインプロジェクトを通して「コスト負荷の
少ないウェブを能動的に使うことでビジネスにどのような影響を
与えられるか」を検証されているようですよ。
渡辺さんは時々講演をされているようなのでもし機会があれば
一度お話を効いてみてみてください。

あまり受け売りで私が情報開示するのもいかがなものかとは
思いますが、たとえばS2000はテレビ広告一切無しでウェブ
だけでロイヤリティユーザーをはぐくみ、販売につなげる効果を
見たそうです。これも数値ベースで検証されています。

もちろん企業規模の問題から短期間で日本の自動車業界のト
ップになる(すなわちトヨタを抜く)ということはオンラインの力を
もってしてもあまり現実的ではないと思われますが、それ以外
の他社とはかなり拮抗することが出来ていますし、独自の「ホ
ンダファン」を育むことにはかなり寄与しているようです。

僕自身が何よりもすばらしいと感じたことは、長年にわたって戦
略的にオンラインを使うことを考える人材を経営層が認知し、サ
ポートしているということです。
多くの企業がまだまだ専門人材を置けずに苦労していることを
考えると。渡辺さんの経験は他社にとっても参考になることが
少なくないと考えます。

投稿者:雨宮 和弘   2007年12月10日15時39分

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