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2006年05月12日(金)更新

■私の座右の書■(パート3)

もう一冊(というか、シリーズ)、ご紹介したい本があります。

一般的なビジネス書などとはニュアンスは少し違いますが、私が一番
繰り返し読んでいる(見ている)のは「ナニワ金融道」(青木雄二)全
19巻です。

ナニワ金融道
青木雄二


私は独立するときにブックオフで全巻そろいで買い、今はトイレの図
書架に置き、常に手に取れるようになっています。

「お金」に関わるリアリティに富んだ本で、最初は汚いヘタな絵だと思
っていましたが、読み込んでいくと、随所に相当意図された仕掛けが
組み込まれており(部長の背広の背中の柄合わせは合っているのに
若手の奴の背広の柄は合っていない、など)、物語だけでなく、画面
に含まれる情報量に圧倒されます。
ご存知の方も多いかと思いますが、消費者金融に勤める新人が色々な
経験を通じて一人前になる、という話です。
最後に近い18巻で、一人前のはずの主人公が4000万のヘマを打ち
ます。
それが発覚した時点で、上司は彼に手形の裏書をさせ、「だました奴を
見つけられなかったらこの半額はお前が払え。いっておくがお前に3万で
貸している社宅は通常30万ぐらいするところだから、計上すれば、おま
えの収入では自己破産できないことも覚えておけ。」
退路を立たれ、絶望して帰宅した彼を出迎えた内縁の妻のセリフは、
「あたしもあんたに賭けてここまでついてきたんだから、そんなんでつぶ
れてもらったら婚約不履行で慰謝料請求を起こしてやるわ。そうなりゃ
自己破産できるでしょう。さあ、安心してその犯人を探してきなさい」
というものです。
ここから最終巻にかけての展開は、何度かドラマ(中居君主演)でやりま
したが、原作を越えることはありません(いしだあゆみは熱演でしたが)。

トイレの図書館のおかげで時々社員がなかなか出てこなくなるのが困り
ものですが。
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