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2006年05月18日(木)更新

日本プラモデル興亡史

本屋さんを覗いていて思わず手にとってしまいました。

小学校から中学校にかけて、私の青春はプラモデルとともにあった、
といっても過言ではありませんでした。
高校に進学し、将来何を目指すのか、決めあぐねていた私に、工作
やものづくりが好きなら意匠設計にすすんだらどうか?と勧めてくれ
たのも、そんな私を見ていた(あきれていた)母でした。
ベッドの下は未制作のプラモデルのストックでいつも埋まっているよ
うな状態でした。

これはそんな時代に一瞬でフィードバックさせてしまうような本です。
当時、スケールモデル(特に戦車)などの改造ばかりやっていたの
ですが、「タミヤニュース」という田宮模型から出されている小冊子
を目を皿のようにして見ていたのですが、特に開発者や金型設計者
のインタビューなど、琴線に触れるものが少なくありませんでした。

単にプラモデルを作る、それで遊ぶ、というだけでなく、このころは
「ものづくりの思いに触れる・伝える」という楽しみがあったような気が
します。

その頃読んだエピソードで、いまだに忘れられないのは(この本の中
では触れられていませんが)、こんなコメントでした。
「本物を計測したり、本物の設計図面が有ったとしても、それをスケー
ルダウンすればよいというわけではないんですよ。35分の1にしてみ
たとき、堂々と見える、大きく見える、強そうに見える、早そうに見える、
などの感覚値を盛り込んでディフォルメしていくんです」

最近は超精密に彩色を施した食玩がコンビニで売られていて、つい
手が伸びそうになりますが、このような思いを引き継いでいると思うと
少しうれしくなります。

日本プラモデル興亡史―子供たちの昭和史
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