大きくする 標準 小さくする

2006年07月19日(水)更新

米国大統領から学ぶ危機管理

昨日のニュースで、主要国首脳会議において、米国のブッシュ大統領が
英国のブレア首相に私的にに話した内容が、オンマイクで筒抜けになっ
ていた、と報道されました。

どんな要職にあっても、生身の人間はホンネのあるものだ、という事は重々
わかってはいますが、ブッシュさんは今までの言動を見ても、公人としての
緊張感にかける場面が何度かありました。

ニュースを見ていて、ホワイトハウス報道官や、彼のコミュニケーションデ
ィレクターは大変だろうなあ、と思いました。
まだ企業に勤めてPRマネージャーをやっていたとき、広報部長から本社
出張の機会をいただき、ついでにメディアトレーニングを受けて来い、と
言われました。
当時(90年代初頭)は日本でも本格的なメディアトレーニングをやっている
ところは少なく、いきなり米国でのトレーニング、という事で非常に緊張し
ましたが、とても実践的で、メディアとのかかわりの中で起きうる、ありとあ
らゆる失敗やワナ(ひっかけ)を体験しました。
メディア側も心底悪意から、というわけではないにせよ、人間の機微や感
情に触れるところからホンネを探り出そうとするわけです。

90年代半ば以降、インターネットが情報流通のスピードをアップさせるとと
もに、記号の不祥事の露出も増えました。
これはとりもなおさず、企業側の対応の拙さや遅れが顕在化してきたから
です。

お付き合いしているPRエージェンシーでも、まだまだメディアトレーニングの
ニーズは少ない、といっています。まだまだ日本ではこういう事象によって
失うもの(信用)の大きさへの意識が浸透していないのかもしれません。

人をコントロールすることは難しいことです。
ブッシュさんにしても、いくら注意しても変わらないかもしれません。
コーチングに近いのかもしれませんが、企業のコミュニケーションの目的を
スタッフと一緒に再認識し、一緒にブランドを築く、守る、という意識を持つ
もとが重要です。

米国のトレーニングでは、それでもダメな場合、もしボスが不用意な発言を
し始めたら、スタッフは気がふれたつもりで大声を出してでもその場を消す
ぐらいの覚悟を持て、といわれました。
私は失礼ながらインタビューの最中にボスの足を机の下で小突いた経験
はあります。
<<  2006年7月  >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31