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2006年09月01日(金)更新

なぜ日本企業では情報共有が進まないのか?

「なぜ日本企業では情報共有が進まないのか?」
田坂 広志


田坂さんのこの本が上梓された1998年に私は独立しました。
言ってみれば、自分の起業の根っこにあった思いを代弁して
くれているような本でした。

ビジネス書は5年もすると古くなって使いようもなくなることが
多いのですが、真理に触れている本はそうならないものですね。

この本は、ビジネスにおいて、特にIT化によって引き起こされる
コミュニケーションの不可視化の弊害の解決を、「ナレッジマネ
ージャー」という管理職のマネジメントスタイルにあててわかり
やすく解説しています。

毎日同じようなことを書いている気がしますが、
企業WEBサイトやイントラネットについて、「何をするのか?」とか
「どう使うか?」とか「どんな機能を持たせるか?」というような悩み
をお持ちの企業様からの相談が増えています。

しかし、お話を伺えば、おのずと根源的にツールやテクノロジーだけ
では解決できない問題があることに気がつきます。

久米さんもよく語っているように、ブログは人に自分の思いをひけ
らかすためではなく、自身の思いを整理するために使うものだと
思います。
自分で書いて自分でその知見を積み重ね、再利用できる。
企業コミュニケーションもその延長のような気がします。
自分に対するホスピタリティの延長に、自分の部署、あるいは
組織、あるいは社会に対するホスピタリティがある。

こんな積み重ねをしていけるナレッジマネージャー。そしてそんな
彼、彼女に率いられた組織であれば、その思いを最大限に活用する
ツールを見出すのはそんなに難しいことではないのです。

久しぶりに本棚から出してページをめくり、8年たってもあまり状況は
変わっていないなあ、という思いを持ちました。
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