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2007年03月21日(水)更新

大企業のウェブはなぜつまらないのか

「大企業のウェブはなぜつまらないのか」
本荘修二 (著)



非常にキャッチーなタイトルで、私自身の興味とシンクロしているの
だが、著者の本庄さんが冒頭で書かれているように、WEBの本では
なく、

「経営にとってのオンラインコミュニケーションの課題」

について書かれた本だ。

前半はソーシャルコンピューティングの解説が多いのだが、最後の章
で「社内の組織的な関与が欠落している」
と、いつも僕が言っているようなオチになっている(笑)。
この本は、とても画期的だが、大きな流れの序章に過ぎないと感じた。

実は昨晩、この出版記念パーティーがあり、たまたま本庄さんを知る
私のサラリーマン時代の先輩に頼み、参加させていただいた。

著者ご本人からご紹介いただく光栄を預かりながらも、上記に書いた
「序章に過ぎない」ということが確認できたことが大きかった。

この本のアマゾンの書評を見ると大きく意見が割れている(笑)。
実際、本庄さんが説いている事(僭越ながら私も同じ思い)を企業が
理解し、実践するまでにはかなりのハードルとプロセスがある。

私自身は現場のコミュニケーション担当者をサポートしながら、その
道を作っていこうと考える。


関連情報だが、昨年わたしが参加した「New communication forum」と
いうシリコンバレーで開かれた会合の本年度のセッションでのエピソードを
「Corporate Conversation」の著者、Shel holtsが、最近彼自身のブログで
こんな風に言っている。

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The value of company websites
http://blog.holtz.com/

今年のNew Communications Forumで繰り返されたテーマのひとつに
「企業WEBサイトの価値」がある。パネルスピーカーのデヴィッド・ワイン
バーガーやジョン・ベル(オグルヴィーPR)は、

「人々は、Googleで検索し、ブログスフィアでつながり、その会社のWE
Bサイトを訪れる前にどの会社がどんなことをやっているのかを探し出す。
それでも企業のWEBサイトに訪れるとすれば、その企業の見解や考え
方を得るためだけで、そこに最終的な判断を受け賛同するためではない」

と述べているが、私自身は企業WEBサイトの中のメディアルームやIRサ
イトがジャーナリストや投資家にとって有用性があると感じているし、マイ
クロソフトのように透明性を持ってオープンなコミュニケーションを行う企業
もあるので、そんなにソーシャルコンピューティングが企業WEBの価値を
奪い去るものとは思えない。
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上記の本と同じ観点だ。
まだまだ企業は企業WEBサイトのポテンシャルを活かしきれていないのが
日本でも米国でも現状なのではないだろうか?
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