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2007年08月20日(月)更新

石屋製菓に見る不祥事対応

「白い恋人」の賞味期限改ざんやアイスクリームの大腸菌検出などの
不祥事により、先週社長の石水勲氏が辞することとなった(但し株は
保有のまま)石屋製菓だが、ウェブ上の対応を見ていると、誠実に会
社を見直して行きたいという気持ちが感じられない。

現在はウェブサイトトップに「お詫びとお知らせ」という画像が貼られて
いるだけで、8月16日の更新には、多少詳細な情報が、やはり画像
で貼られている。
いずれにせよ、基本的なステートメントは、

「内部自主検査によって不適切な製品が発見されたので回収する」

というもの。

情報筋によると、最初の告発は外部マスコミ等に対してではなく、社
内の上層部に対して行われたという。
結局、上層部の指示で行なわれていた賞味期限改竄を上層部に対し
て告発しても役員は無視する。そのため内部告発者は外部=保健所
に対して告発を行なった、というのだ。
すなわち情報筋によれば、(1)石屋製菓は内部調査により不信物
(不良品)が発見された時と、(2)従業員による会社上層部に対する
告発時の、二度のリスク回避タイミングを無視していた事になる。

加えて、この告発と時を同じくして、日経産業新聞の「仕事人秘録」と
いうコラムに石水勲社長自らの苦労話が連載されていたのだ。

通常1ヶ月近く掲載する、経営者にとっては日経本紙の「私の履歴書」
に次ぐ影響力の大きい人気のコラムなのだが、今回の件でたった連載
5回で掲載中止となった。

告発のタイミングと連載のタイミング。果たして偶然なのだろうか?

「内部自主検査」などの取り繕ったコメントは、まだ旧経営陣の息がか
かっていると受け止められかねない。
せっかく社長が引責しているのだから、これらのコメントも根本的に見
直さないと、ブランドの回復は想像以上に厳しくなる。

皮肉なことに工場長のインタビューは残っているが、
http://www.ibc.sec.or.jp/tech/2005/mono01/mono01.html
そもそも、
「白い恋人は北海道限定で販売され、ゆえにお土産で人気が高い」
というが、商品そのもののオリジナリティはどれほどであろうか?
東京で販売したら「○ック○ック」が黙ってはいないだろう、という声
もある。
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