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2007年09月11日(火)更新

オフィス椅子の変遷:その1

25年も仕事をしていると、つくづく色々な椅子に座ってきたなあ
と思う。振り返ってみるとそれなりに有名なデザイナーの椅子に
数多くすわっていることに気づいた。。
オフィスチェアは遊びのない、人間工学の粋を集めた世界なの
でデザイナーにとっても、とてもハードルの高いものだ。また、一
度デザインすると軽く10年以上は作り続ける(供給する)事にな
るので、それだけの完成度を要求される。
最初に勤めた会社では、職場がデザインルームと言うこともあり、
ひとりひとりがドラフター(製図台)(当時はマックはなく、マーカ
ーやパステルでスケッチを描き、トレーシングペーパーで図面を
書いていた)がデスクの代わりで、製図用具はジョーコロンボが
デザインしたボビーワゴン、椅子はヨーンラスムセンがデザイン
したケヴィチェアだった。

http://www.kanshin.com/keyword/269780
http://www.rigna.com/item_pics/img440c29367da91.jpg

ケヴィはシンプルだが驚くほど頑丈で、座面の高さをかなり低く
できることから、子供でも使える利点がある。

働き始めて3年目ぐらいに、自宅の作業用に買ったケヴィチェア
が今も手元にあるが、まだしっかりしている。

その後、この会社で広報に移ったとき座っていたのはマリオ
ベリーニがデザインしたヴィトラのフィギュラ・チェアだった。

独立した当初の事務所は先輩が使っていた事務所の部屋を家
具つきのまま居ぬきで譲り受けたもので、机は作り付けのオリ
ジナル、椅子はあまり高級なものではなかった。
しかし、独立するとなると、事務所費用だけでなくスタートアップ
に色々と金がかかることを思えばどれだけ助かったことか、感謝
に耐えない。
当初は前出のケヴィチェアで仕事をしていたのだがそこにひとり
で篭って1年、何とか仕事が軌道に乗ったことを自分なりに形に
したかった、ということもあり買ったのがウィルクハーンのモダス。
この椅子はすばらしく、いまだに私には手に余る感じがしている。
http://www.wilkhahn.co.jp/products/working/modus/pop_vp_19.html

しかし現在、この椅子に座らなくなって3年がたつ。
(続く)