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2008年10月30日(木)更新

デザインの定量評価

昨日は宣伝会議さんの「インターネット広報講座」の第7回目の講義を
受け持った。
今月合計11回あったセミナーの最後の回だ。
今回のテーマは「企業Webにおけるデザイン・ビジュアルの理解」という
ものだが、一番お伝えしたかったことは

「自分の好みだけではなく、客観的にデザインやビジュアル表現を評価
出来るようになる指針の持ち方」だ。

「できるだけ多くのものを見て味わうこと」

と言ってしまえば身もふたもないが、見るポイントを因数分解していくと
判断が容易になるのだ。例えば、レイアウトの間、使う色彩の明度、彩
度、色相、色数、文字のレイアウト、色、ボリュームなど。もしくはリンク
の配置やナビゲーションプロセスなど。
内容を理解しようとページを繰っていくだけでも「これは辛いな」とか「理
解しやすい」と言う差は生じてくるものだ。それらの経験値を積み重ねて
いくと自社にとってふさわしいデザインはどういうものか、という指針が
築かれてくるのだ。
そのなかでも他社との差別性は重要なポイントだが、一概に差別性を
つけること=奇をてらう、ということではない。パナソニック株式会社の
ウェブマネージャーであられる次田寿生さんが言うように「コアバリュー
の表出」がキーになってくるのだ。

実は企業ウェブサイト、特に日本企業のウェブサイトはここ数年トップペ
ージのレイアウトや構成が非常に似通って来ている。
弊社がコンサルに入っているある企業ではリニューアルコンペを実施し
たときに5社ともほとんど同じレイアウト、企画の絵を持ってきて広報部
長がキレかけた、ということもあった。

レイアウトの独自性=コアバリューの表出と言うことではないが、ブラン
ドロゴを隠してしまったらどこの会社かわからない、というものが多いの
も事実だ。逆に言えば、コアバリューの表出をきちんと行っている会社
はデザインにもオリジナリティがきちんと見られるといえる。

参考になる書籍として、
「売れる商品デザインの法則」
と言う本がある。主にプロダクトデザインを紹介しているのだが、単に
形や色だけでなく、秩序の法則や人間工学、認知工学、そして「心に
届くかどうか」まで言及しているのだ。
デザインの読解能力をつけるヒントになる優れた書籍だ。

以下の既出エントリーも参考にして欲しい

盗作とインスピレーションの境界線

その2:盗作とインスピレーションの境界線


これからの広報:新しいチャレンジを、確実に世に問う方策
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