大きくする 標準 小さくする

2008年12月16日(火)更新

日産自動車相談役、小枝至さんの考える「現代の企業コミュニケーション」

日本経済新聞の夕刊一面の下方に「明日への話題」と言うコラムがある。

ここに時々、日産自動車の相談役であられる小枝至さんが寄稿されて
いるのだが、常に「コミュニケーション」に関わる視点で書かれており、と
ても興味深い。

直近のコラムでは、

「現在の職場では上司と部下のコミュニケーションが不足していると部下は
感じているようだが、経営側もコーチングや研修や対話集会を行っている。
しかし自分が現役だったときには特段話し合いの機会や研修を持ったこと
はないが、上司の考えや方針は理解できた。」
と書かれている。

koeda

では現在の社会で起きている変化はどういう原因によるものなのだろうか?
小枝さんは

「情報革命の進展で、今の社会で働く人それぞれのコンテキスト(行間、
ニュアンス、以心伝心、相手への理解力といったもの)を掴む能力の格
差が大きく生じてきたからではないか」

とおっしゃっている。

よって

「日産でもグローバリゼーションの加速とも相まって社内のコミュニケーシ
ョンを社外に対するものと同様に重視している」
のだそうだ。

先日のIABCでもほぼ同じようなテーマを踏襲しており、これは日本だけの
話ではなく、世界的な傾向の問題なのだろう。

「これからは部下に業務上の指示を出すときに目的、背景、納期、キャリア
との関連を説明し、会社の目指す方向、短、中、長期の目標、期待、会社
の現状などを透明性を持って繰り返し発信し納得してもらうことが重要」

と結んでいる。

自身の業務に結びつけると、企業のウェブサイトもイントラネットも、このような
背景で「どうのような関係を築くか(エンゲージメント)」と言う観点で練り直す
必要がありそうだ。

そうなると10年かかって築き上げてきた今の企業サイトやイントラネットの
様子はこれから大きく変化するのではないだろうか。
望むらくはそのときに「とにかくリニューアルですね」と言うような話に終始
しないようにすることだ。
仮にリニューアルするとしてもここ数年でリニューアルしていれば、スタイル
シートやCMSを活用しているだろうから一から作り変えなくても大丈夫なは
ずだ。

最後にもうひとつ、小枝さんのコラムで面白いものがあったので紹介しておく。


「幸いにして人間の場合は本人の努力で賞味期限の延長が可能である」