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2008年07月15日(火)更新

IABC参加記(7)

今回、会議終了が水曜日ということで、翌日の木曜日に出発しても
日本着は金曜日の午後となる。どうせ1週間不在になるのなら2日
間延泊して美術館を色々みたい、ということで時間をいただくことに
したのだ。

最終日、名残惜しさとともに会場をあとにした私が一番最初に向かっ
た先はすぐ隣にあるニューヨーク近代美術館(MoMA)だ。
20年前はちょうどマティスの素描展をやっていてノックアウトされたと
ころだが10年前は大幅な改装中で訪問できなかった。
今回はリベンジ(というと大げさだが)で訪問をとても楽しみにしてい
た。もちろん近代絵画や彫刻だけでなく、写真や映像作品、そしてデ
ザインコレクションが秀逸だ。
moma1
絵画の企画展はダリだったのだが、ちょうど開催前のプレビューの時
期でこれは残念ながら見られなかったが、写真のフロアは実験的な
インスタレーションが多く、とても楽しめるものだった。
moma2

たとえば長い渡り廊下がずっと黄色い特殊なライトで覆われていて、
ここを抜けて外を見ると、すべてモノクロームの世界に見えるというも
のや、広い部屋の中央に置かれた360度に光を放つ光源とその周り
を動くカラーフィルターによって観覧する私たちのシルエットが周囲の
壁に形成され流れていくものなど、まるでアップルのiPODの宣伝の
一部になったかのような(タイムリーな)楽しさがあった。
moma3

またMoMAのすばらしいところはところどころ大きな外窓があり、開
放的なところだ。 ここから切り取られたマンハッタンの景色や下を
走る車まで、アートを感じる気さえ起こさせるのだ。
moma4

中庭には彫刻だけでなく、憩いを感じさせる空間のムダ、というか余
裕すらも計算されているようで、思い思いに腰をかけている人たちも
また作り出された空間の一部となって溶け込んでいるため、「人がい
なければもっと作品を味わえるのに」といったセコい気分にならない
のが良い。
moma5

この日はさらに5THアベニューのブランドショップ街(入らず)まで覗き、
夜まで開いているのを幸いに地下鉄で南下しデパート(Macy's)を徘
徊したがほとんど何も買わなかった。ここにきて感じることは「量産さ
れるもののほとんどは東京で手に入る」ということだ。ただ、ショーウィ
ンドウ見ているだけでも十分刺激を受けるので歩く価値は感じるのだ。
moma6
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