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2009年03月24日(火)更新

成田空港での貨物輸送機事故に対する危機管理報道

昨日の朝、朝食を採りながらニュースを見ていると、とてもショッキングな
映像が目に入ってきました。
フェデラルエキスプレスの貨物輸送機が着陸に失敗し、炎上、大破する
一部始終でした。

出勤してウェブで調べたところ、フェデラル・エキスプレスの日本法人の
ウェブサイトでは、未対応(丸一日たった今でも)のままになっています。
http://www.fedex.co.jp/welcome.html

ただ、本社の米国のサイトでは事故から3時間後にはきちっとステータスを
表明していました。
http://news.van.fedex.com/narita
帰宅して日本のスポークスパーソンのメディア対応を見ていましたが、記
者の(日本語の)質問に対し、英語での返答の場面だけが写されており、
その内容はほとんどが

「現在調査中でプライバシーの問題もあるので死亡したスタッフの経歴や
積荷の内容も今は公表できない」

というものでした。

これだけみると一般の人の印象は複雑です。

しかし本社の副社長が特別機で夜中の2時半に日本に来ている点など、
本社の危機対応は徹底されているように思うので、きっと日本のスポーク
スパーソンには昨晩の時点でそれ以上の発言権はなかったのではない
でしょうか。これも理解できます。

メディア対応の難しい点は、社会的な責任をわきまえた上で会社の立場
をきちんと守らなければならないところにあるのですが、その上でメディア、
ひいてはその先にある社会に対しての共感や理解を取り付けられるか否
か、が、その後のブランド、さらにはビジネスの復旧に影響を及ぼします。

ご苦労されている当事者の企業の方には恐縮ですが、危機対応はこの
ように経過を観測するとその企業の「コミュニケーション姿勢」が見えてき
ます。
最近はリリース打って記者会見やっておしまい、という企業が多いので
あまり危機対応の参考になる事例は少ないのですが、今回のフェデックス
の事例は(また渦中ですが)、対応に見るべきものがあるような気がします。

ちなみに上記で紹介した米国本社のニュースのページは良く見るとかなり
できのよい「プレス対応サイト」になっています。

リリースそのものへの評価機能に加え、FAQやトゥイッターでの意見交換、
会社の諸元データの一覧など、とても使いやすいつくりになっています。