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2009年03月25日(水)更新

「Design IT!」に見る秀逸な編集デザイン

弊社ではオンラインPR(企業コミュニケーションのウェブ活用)を中心に
仕事をしていますが、ご相談を受けている上で、紙媒体に話が及ぶこ
とは少なくありません。

何度も書きましたが「紙の社内報をやめてイントラに一本化したい」
というようなものです。単に読まれないからやめる、ではなく、読まれる
ための「価値化」を見直すようアドヴァイスしています。

本当は紙媒体の企画編集も(相当)好きなのですが、いまは会社の規模
やフォーカスもあり、できるだけウェブに特化したサポートを心がけていま
す。

しかし、ウェブを考える上でも、紙媒体はとても重要になります。
すなわちインターフェイスを考える上でも編集デザインは人にモノを伝える
画面構成の基礎となっているからです。
この編集デザインに(数百年に及ぶ印刷の歴史から見れば軽い)変革が
訪れたのが約20年前、マッキントッシュコンピューター(ATMフォント)の
普及とDTPの一般化です。

しかし簡便に誌面構成ができるツールの登場と裏腹に、基礎の鍛錬に
時間をかけることができなくなってしまい、残念なことに若手レベルのデ
ザイナー編集デザイン能力はなかなか上がりません。

「これが新しい編集デザインなんだ」といわれても、本文がゴシック体で
文字間の調整もなくくまれた「流行通信」を見たときはちょっと残念な気持
ちになりました。

ウェブの画面構成を見てみても、ただでさえ画面で文字を読ませる苦痛を
考慮して作られているサイトが意外に少ないのに驚かされます。
特に第3階層以下のコンテンツレイヤーでは「流し込み」されているに過ぎ
ないページが多く、これではコンテンツ以前に読む気が失せてしまいます。

良いサイトをいっぱい見て勉強するのも良いですが、手っ取り早いのは
編集デザインの質の高い雑誌を手にとって見ることです。

「Casa Brutus」や「AXISマガジン」は目次のレイアウトから気を抜いていま
せん。
http://magazineworld.jp/casabrutus/
http://www.axisinc.co.jp/publishing/

以前も紹介しましたが、メルセデスベンツのオーナー向け雑誌「Mercedes
Magazine」は間の取り方も秀逸です。

また、最近のオススメはリックテレコムさんから出されている「Design IT!」
という雑誌です。
http://www.designit.jp/

たまたま編集に関わる方に伺ったところ、レイアウト編集はかなり若い方が
やっていらっしゃると聞きましたが、構成、色、文字組み、どれをとってもハイ
レベルです。
ウェブに関わる方でしたら内容もぴったりです。ぜひ書店などでお手にとって
見てください。良いヒントにあふれています。