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2010年01月14日(木)更新

「東京見物」和田誠(著)

友人が「最近、面白いマンガがある」と勧めてくれたので昼休みに青山ブック
センターに行って来ました。
しかしそこで発見したのは「マンガが読めない」自分でした。

あれだけ好きだった諸星大二郎のマンガも、Kちゃんに借りたけど先日読みき
れなかった。
脳の老化というなら、なぜ急にアイアンメイデンを聴けるようになったんだろう。
どちらかというと「眼の機能」の問題かもしれません。

結局トン子ちゃんは買えませんでした。。。(涙)

しかしふと目線を上に上げてみると、壁にはなにやら精緻なイラストの展示が。

それが稀代のイラストレーター、和田誠さんの「東京見物」の原画展だったの
です。
この本は講談社から出版され、70年前の同名の絵本と2冊合本になって箱入
りで出版されました。
これがとても面白いのです。同じ場所を70年後に和田さんがイラストで再現して
いるのでその劇的な変化を読み取ることが出来ます。

tokyokenbutsu1

tokoyokenbutsu2

さらにその和田さんのイラストの色使いを見て、思い出したものがあります。

それは、小泉癸巳男(こいずみきしお)さんという、戦前に活躍された版画家の
「東京百景」という作品です。
小さい画像であれば「東京デジタルミュージアム」のサイトで見ることが出来ま
すが、この画集は2年がかりぐらいで古本屋のオンラインサイトをチェックし、一
昨年鎌倉の古本屋さんで破格の安値で入手しました。(どうでも良い話です)

小泉癸巳男は日本よりも海外で評価が高く、私がその存在を知ったのも、ナショ
ナルジオグラフィックの雑誌の中でした。
何故評価が高いのかというと、彼の版画の画風、そして色が(海外の人に好ま
れる)(そして私も大好きな)アールデコテイストに溢れていたからなのです。

koizumi1

もちろん今回の和田さんの本はそのまま掴んでレジに直行でした。

3世代、とは言わないまでも、小泉さんの東京、そして70年前の絵本画家の東
京、そして和田さんの東京を見比べるというのはとても面白い体験になります。

もし青山の青山ブックセンターに寄れる方は貴重(で精緻)な原画を見る
チャンスです。(16日の土曜日にはトークショーもあるようです。