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2007年06月29日(金)更新

企業WEBサイトの危機管理事例

年初の不二家に始まり、給湯器、エキスポランド、温泉、食肉加工と
今年も企業の不祥事や事故などのニュースが絶えない。

しかも、不祥事の場合は発覚する理由のほとんどが内部告発にある
という。
正しいことをきちんとする。
当たり前のように見えて、長くビジネスをしていると緩みが習慣化して
くることもあって、意外に襟を正すきっかけを失ってしまうのかも知れな
い。
どんな企業にとっても「対岸の火事」と言い切れない状況にあるので
はないだろうか?
年に数回、企業のオンライン危機対応の話をすることもあり、日ごろよ
り事例を集めている。
危機管理の場合、何かが起きたらその企業のサイトを見に行って対
応をクリップすればおしまい、ということがない。
直後、一週間後、一ヵ月後と定点観測することでその企業の対応姿勢
が見えてくる。

そんな話をニューズツーユーさんより、コラムとしてまとめて紹介する
機会をいただいた。

読みやすいボリュームで事例中心にまとめてみたつもりだ。
一読いただければ幸いだ。

No.1:緊急対応用WEBサイト「シャドーサイト」の効用

No.2:危機対応~継続の視点

No.3:ブランディングとロイヤリティの維持

2007年06月26日(火)更新

「共通の土台を再発見する」

先週の週末で終了したお台場ノマディック美術館の「Ashes and Snow」展。

「感動で胸が震える」というよりも、「魂のふるさとに帰るような霊的な体験」
というほうがぴったりだ。

数多くの友人から絶対に行ったほうが良い、といわれながら会期ぎりぎりに
なってしまったが、並んでも行った甲斐はあった。
制作者、グレゴリー・コルベールの言葉とサイトをリンクする。

「全ての動物が共有できる言葉と詩的感性を探求しながら、私はかつて
人間が動物と平和に共存していた頃の、共通の土台を再発見することを
目指しているのです」
「私の画像が描き出す世界には、始めも終わりもなければ、こちらとあちら
という観念もなく、過去も現在も存在していません」

http://www.ashesandsnow.org/

CGや合成を使っていないという35ミリフィルムの写真と映像。
そこには奇跡としか思えないような一瞬が切り取られている。

登場する人々の表情は、みんな、「ほとけさま」のようだった。


そして、
そんな作品を包み込むのは、日本人の建築家が設計した、コンテナと紙の
柱で作られた移動式の美術館なのだ。

中はまるで、神社、神殿、もしくはモスクととられるような空間設計だ。

私は家族で出かけたのだが、通常美術館は20分が限界の下の子供(4歳)
も、ずっと飽きずに過ごすことができた。

映像作品を見て、

「ママのおなかの中にいたときみたいだ」

と言ったのには驚いた。最近はほとんどその頃の記憶は言及しなくなった
のだが。

物質と、電波と、情報にまみれている自分の生活に、強烈に何かを問う美
術展だ。

生きているのに生を超越した表情。それを描ききれた作者の力。
色々なものを感じた。

普段家では、テレビなどに頓着しないのだが、この映像作品のDVDを見る
ためなら、大画面の液晶テレビを買いたい、とちょっと思った。

だめだ。まだ物質文明から脱することはできない。orz

2007年06月25日(月)更新

中小企業のブランディング

先週は、ある大手銀行の法人経営者向けの広報誌の取材を受
けた。

テーマは
「中小企業のブランディングについて」
というものだが、

3部構成で私以外のパートが外資系大手CI企業の社長と日本
の大手CI企業の社長というもの。

わたしに求められているのは、どうやらCI的な観点ではなく、「ヒ
ト、モノ、カネ、情報」の限られている中小企業において、どうすれ
ばブランドを作っていけるか、というアプローチについてのようだ。
それにしても、他社2名に対し、つりあうのか?という疑問がぬぐ
えなかったが、私としてはお世話になっている「経営者会報ブロ
グ」や「日経ベンチャー経営者倶楽部メンバーズサロンSNS」な
どで実際にお会いする多くのユニークな経営者の方の顔が浮か
ぶので、その方々を意識しながら話をさせてもらった。

内容の詳細は、この冊子の発行を待って、ということになるが、
中小企業のブランディングの特徴を一言でいえば、「経営~社員
~顧客~社会までの距離が短い」という事に尽きる。
すなわち、アクションのスピードが速ければそれだけフィードバック
や積み重ねも迅速に行われる(逆もまた真なり)ということだ。

そういう意味でも、これらのブログポータルや経営者SNSは強力
だ。
過去、中小企業の経営者は孤独だった。
どうすれば商売がうまくいくか、答えは本屋には置いていなかった。
しかし少なくとも今は、生の声や意見を聞くことができる。同じ時
代に同じ考えを持つ人がいることを確認でき、協力することもでき
る。
そのあたりのお話をわかりやすくお伝えしたつもりだ。

http://www.smbc-consulting.co.jp/company/businesswatch/mit/

2007年06月20日(水)更新

ワークショップ実施

昨日は仕事仲間の小杉さんの紹介で、午後いっぱい、東京ビッグ
サイト国際展示場のそばのファシリティにて、ある大手ウェブインテ
グレーター企業の新人研修を行ってきた。

テーマは
「Webのメディア特性と企業コミュニケーション」

4月よりかれこれ3ヶ月、みっちり鍛えられている若い人たち30人
あまり。
しかもこれからある意味ではライバル候補生だ。

しかしこういう状況こそ俄然やる気が出る。
なぜならば彼らがこれからの企業のオンラインコミュニケーションを
変えていく必要があるからだ。
普段のオープンセミナーでは、かなり時間をかけないと、質問が多
数上がってこないことが多いが、慶応SFCにしても、小杉さんの関
わるセミナーでは参加者の反応が違う。

これもひとえに、自然体で「自分にとって心地よいこととは何か」を
しっかりと伝えているからだろう。

しかも今回はセミナーだけでなく、ワークショップを行うことができた
ので、短時間ながらも「企業Webサイトの見かたに対する気づき」を
実体験してもらうことができたのではないかと思う。

本当はベンダーサイドだけではなく、企業担当者サイドでも同様の
知見を高めていけば短時間での底上げができるのではないだろう
か。

今後は今回のようなワークショップを含んだセミナーを増やしていき
たい。

詳しい内容をお知りになりたい企業、研修会社、代理店、インテグ
レーターの方は、ご連絡ください。
8月後半は比較的空いております(当たり前か・笑)

2007年06月18日(月)更新

笑わない先生

本日の読売新聞の一面に、

「学校に対して理不尽な要求をする親が多い」

という記事が出ていた。
やれやれ、と思ったが、そのベースになるようなことが昨日
の幼稚園の父親参観でもあったので、色々考えてしまった。
父の日の父親参観ということで、校庭で簡単なお遊戯とミニ
運動会。そして教室に戻り、歌と工作で作った父の日のプレ
ゼント(似顔絵とメッセージ)。

しかし、朝の集合時から気になることがあった。
それは、ウチの担任の先生(若い女性)に笑顔がないことだ。

ひょっとすると体調が優れないのか?と心配して声をかけて
あげようかとも思ったのだが、他のお父さんからスタンドプレ
ーととられてもいやなので少し傍観していた。
(これでも小心者)

見ていると、体調が悪いのではなく、一生懸命すぎるのが
原因のようで、自分に精一杯で実は周りを笑顔で見回す
余裕がないみたいなのだ。

最後にお父さんの自己紹介コーナーがあり、
「お父さんは自分の子供はどんな子と感じているか話せ」
というのだ。

少し場をなごませようと、

「ウチの子供は正義感が強く、日々、正義のために戦って
いるようだが、何が正義なのかは、まだ良くわかっていない」

と言ったら、お父さん連中からはすごく受けたのだが、横目
で見た先生の目はあまり笑っていなかった。。。

ウチに帰って家人に話をしたら、表情が硬いので有名みたい
で、危機感を持っているお母さんもいるようだ。

組織として考えるとあまり細かく触らずに、気づきの中で成長
していってもらいたい、と思うのだろうが、保護者の立場から
すると、悠長に待っていられない、といいたくなるのだろう。

僕自身40年も前のことだが、幼稚園や小学校の先生が新任
だったこともなにげに覚えているし、それでも結構ぶつかりな
がら楽しかったことも記憶に残っている。

コミュニケーションの問題は「人」でなく「間」に存在するといった
人がいた。
組織のコミュニケーションの問題の多くは、誰か特定の「人」に
問題があることよりも「間」にあることのほうが圧倒的に多数な
ので、「人」に落とさずに関係性の解決に立脚した方が、はる
かにポジティブな答えを見出せる、というものだ。

父親参観は計らずも良い気づきを与えてくれた。
この先生と、子供と、一緒に学んで行きたいと思う。
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