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2007年02月28日(水)更新

【明大生との毎週一問百答】社会の歯車になることに嫌悪感

<質問>
就職について前向きになれません。なぜなら、就職してサラリーマンとして働くことは社会の中の「歯車になること」になるとしか思えず、嫌悪を感じるからです。
この考え方はおかしいでしょうか? 何かアドバイスをお願いします。
(明治大学商学部生)

今週はこんなお題をいただいた。
ご質問をくださった方も、そう入っても商学部で学ばれており、働くこと
を真剣に考えている上でのコメントだと思われる。

ただ、先にコメントをされた槇本さんのアドヴァイスを読むと、ここに集約
されているなあ、と感心しきりで、これ以上何をかいわんや、という感じ
だ。すばらしい。

奔放なくらい自由(奔放)な美大に通っていたせいか、やはり自分も
同様のことを考えていた時期もあった。
しかし、そんなあまっちょろい学生時代をすごした自分にも、働く機会を
与えてくれた会社があったことは、もう時代に感謝するしかなかった。

反面、働き始めてからの自分は、

「いかに通用しないレベルにあるか」

ということを思い知らされる毎日で、それが5年ぐらい続いた。
これもまた、よく5年も我慢してくれたものだと、上司と時代に感謝した
ものだ。

まさに、

「歯車になりたくとも”歯”が立たない」

状況で、

”歯”とはなんなのか、どのようにそれを会得するのか、

そればかり考えていた。

デザイナーになりたくて社会に入った私だが、皮肉にもデザインではその
”歯”を得られることはなく、最終的に見つけたもの、それが「コミュニケー
ション」だった。(広義に捉えればデザインもコミュニケーションだが)

槇本さんのコメントとかぶるが、社会に入ってみれば、相手にかみ合う
どれだけの”歯”を自分が持ちえているかを知ることができる。

それがかみ合うことで、一人ではできないことが実現できることを体感
すると、嫌悪感などどこかへいってしまうのではないかと思われる。

なにより自分が企業の歯車を離れ自律するとき、それを支えてくれる
歯車が、また必要になるのだから。

2007年02月22日(木)更新

明日は長野

セミナーのお仕事をいただくのは、新しい方とお会いできるので
とてもうれしい。

しかし本当にうれしいのは、「また来てください」というリピート・
オーダーをいただくことだ。
長野のお客様から声をかけていただくのは2年ぶり。
もちろん同じ話はできない。

前回は、ブログ活用が主題だったが、今回はイントラネット。
世の中的には、ブログやソーシャルメディアがホットだが、企業
ではイントラネットや社内コミュニケーションが本当にホットなよ
うだ。

これは、ブログやSNS、グループウェアなどのソーシャルメディア
系のコミュニケーションツールが急激に発達したことと関連が少
なくない。「簡単に導入できそうだから使ってみたい」と思うから
こそ、どう使うかしっかり考えたい、と思うようになってきたので
はないだろうか。

私としては、すぐにツールに落とすのではなく、こういう機会だか
らこそ、検討するべきことがあると考える。

それは、

「その会社のコミュニケーション特性を認知し活かすこと」

と、

「担当者のキャリアイメージを作ること」

だ。

会社や組織は一つ一つ個性があり、違うもの。同じツール、同じやり
方でも活かせる会社とそうでないところがある。
そして、担当者がその活動を通して会社から認知され、さらなる仕事
につなげていかなければ意味がない。
継続して社内コミュニケーションを拡充していくためにはとても大
事なことだ。

さて長野。
本当は、ゆっくり観光をかねていきたいのはやまやまだが、それ
はまた少し先にとっておこう。

2007年02月21日(水)更新

「広報」と「広告」の違い

ここ一週間ほど、ちょっとしたことで腰痛が再発し、それを鎮める
のに躍起になっていた。
出張が続いており、引きずりたくないということもあって久しぶり
に鍼に行ったり。。でも、一番効いたのは「タイガーバーム」だっ
た。

季節の変わり目は油断大敵だ。

さて、よく取りあげあれる質問に、「広報」と「広告」の違い、という
ものがある。
「広報」は一般的に、メディアや社会に対し、ニュース性・新規性
のある企業情報や、消費者や一般大衆に知らせる価値のある
製品やサービス、活動に関わる情報を提供し、メディア(マスコミ
&ソーシャルメディア)の判断や裁量で報道してもらうものだ。

「広告」は料金を払って新聞や雑誌の紙面、テレビやラジオの
放送時間を買い、出稿主が自ら作成した表現によって、視聴者や
読者に訴求する活動といえる。

多くの場合は、それぞれに担当部署が違い、それぞれの予算で
行う場合がほとんどだが、一般的にどうしても「広告」の方がコスト
がかかる。

そこで、「コーポレート・コミュニケーション」の見地が乏しい企業の
場合、短絡的に

「今期は広告費を徹底的に抑えて、広報でしのげ」

というような指令が下ったりする。

コスト面から見れば、理屈はわかるのだが、これは一番避けたい
ことで、多くの危険をはらむ。

なぜなら広告も継続することで認知を維持するところがあり、急に
盛り上がったり、急にやめたりすると、メッセージよりもその差異が
目立ってしまい逆効果となるわけだ。

広報の立場から言えば、広告で認知のベースを作っておくことで、
記事を読んだ読者が「あの会社か」と関連付ける効果を失うため
だ。

本当はもうひとつ、大きな理由があるのだが、言及できない理由
がある、といえば想像がつくだろうか?

さらに、最近では「ソーシャルメディア」と呼ばれる、WEB上の個人
ブログやコミュニティの影響力が大きくなってきており、これに対す
る企業のアプローチでの試行錯誤がさかんに行われている。

今までのメディリレーションや広告とは違い、企業のコミュニケーシ
ョン担当者は自社に対する話題の質や存在を把握し、理解すると
ころから始めなければならない。

私のお客様の多くは「広報担当」の方が多いが、上記のよう「広
告、あるいはマーケティングとの連動」、さらにはソーシャルメディア
の理解と対応、加えて社内情報共有の加速化など、業務内容が
大幅に拡大・変化しており、とてもいままでの「広報」のくくりで片
付けられない様相を呈してきた。

弊社自身が誰を対象にどんなサービスすればよいのか、不安を
覚える時もあるが、数々のお客様から今いただいている課題を
考えると、答えはツールやソリューションではなく、まず「人と組織
の支援」となるようだ。

一緒に変化を起こして行けるのであれば、これほどやりがいを感じ
る仕事はない。

さて、今週は長野、翌週は東京で2本、そして翌々週は三重県の
松坂でセミナーだ。
使いまわしのできるレジメがあれば楽なのだが、、ほとんどそうは
行かないのが現実だ。

2007年02月09日(金)更新

PR(メディアリレーション)は苦手だった

昨日敏腕PRプランナーを紹介したのは、PRパーソンとして本当に
上手だなあと思ったからだが、それというのも、私自身がメディアリ
レーションに対し、苦手意識を持っているからなのだ。

彼女のように思いをうまく伝えられる人、そしてメディアの方たちと
良い関係を持ち続けられる才能は本当にうらやましい。

私自身が広報部に転属になったとき、自分ではコーポレートコミュ
ニケーションをやりたかったのだが、マネージャーからはPR全般の
勉強をして目ディリレーションマネージャーをやれ、といわれた。
コーポレートコミュニケーションはその当時の会社にとっても未知で
ありチャレンジでもあるので、まずは実利をとってその上でなら、と
いう保険をかけられたのだろう。
インターネットの商用利用がスタートした時期とも重なり、実質メデ
ィアリレーションをやったのは1年ちょっとだったが、どうも「かけひき」
のようなものがでてくると、とたんに融通の利かない自分が出てきて、
結局メディアの方たちと良い関係を作りきれないことが多かった。
使命感と緊張で、どうにも固さが抜けない。

現在ではよくプレゼンやセミナー、講演などの機会をいただくが、
この場合一番悩むのは「最初のつかみをどうするか」だ。

米国では
「Maintain your sense of humor」
という言葉があるが、要は、
「そんなにシリアスで余裕がなくって大丈夫か?」
ということなのだ。

リラックスできる場を作ってから話しに入るぐらいの奴でないと、
信用できない、ぐらい考えているのだ。

「相手の立場に立った、思いやりのある姿勢」

今ちょうど、あるレポートをまとめているところだったので、あらためて
この言葉は金言だった。

2007年02月08日(木)更新

バレンタイン・チョコレートビールは売り切れ

MIXIの広報コミュニティで知り合った、神奈川の地ビールの会社の
広報を担当する女性プランナーがいる。

中小企業(失礼)にとって、お金のかかる広告宣伝よりも、広報PR
の効果によって販売促進を図ることの有用性を体現するような活躍
をされている。

地道にこつこつと、しかし確実にカバレージを増やし、そして迎えた
バレンタイン商戦。
この会社の仕掛けた「インペリアルチョコレートスタウト」は完売だ。

http://www.sanktgallenbrewery.com/


情報発信は、単なる事象の通知から、思いを紡ぐものへと急激に変
化している。
彼女のPRのうまさは、カバレージを読むとわかる。本人の「地ビール
に対する思い」がストレートにメディアに伝わっているのだろう。
彼らもその思いを乗せてかいてる。この差は大きい。

わたしは残念ながらビールは飲まないが、日本のビール醸造発祥の
地(諸説はあるが)、横浜にある日本最初のビール工場跡地に作られ
た「元町プール」に浸かって育った経緯があり(笑)、神奈川県で
「地ビールのパイオニアがいる」という話を聞き、興味を持っていた。

都内でも買えるし、通販も可能なので興味があればぜひ日本の地ビ
ールの実力を試してほしい。
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