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2008年07月18日(金)更新

IABC参加記(10)

オフ最終日の今日はアッパーイーストの美術館めぐり。
「はじめて」といって良いぐらいまともな朝食をレストランで採った。
「エッグベネディクト」。
これもひとつのニューヨーク名物なのかもしれないが、トーストの上にハム
とポーチドエッグをのせ、さらに溶かしたチーズをかけたものだ。
ハムとチーズの塩気があるので、こしょうを少しかけるぐらいでそのまま食
べられる。
巨大オムレツよりは一皿ですむので簡単でおいしい。
eggs
さて、今日のお目当てのひとつはグッゲンハイムの隣にある「クーパー・
ヒューイット国立デザイン美術館
」。
もちろん近代美術館のデザインコレクションもすばらしいが、「デザイン史」
を手がけている点においてはイギリスのヴィクトリア&アルバート美術館
に次ぐ規模なのではないだろうか。
なにしろ展覧会の企画のあり方において「おもしろい!」とうならせるもの
を感じるのだ。

例えば今回は「ロココ展」をやっていたのだが、単に中世以来の極端な
曲線構成の装飾の嵐のような椅子や家具を見せるだけでなく、それらの
(思想を受け継いでいる近代のデザイン作品までも展示しているのだ。
しかもガレやラリックならまだわかるが、60~70年代のサイケデリックポ
スター、はては最近のコンピューターで生成されたフラクタル曲線やレー
ザー硬化樹脂で生成された椅子までを展示する。

*ウェブ担当者の方へ:上記美術館およびロココ展のウェブサイトは
デザインも秀逸です!

ただ、外国の美術館から借りてきて展示、ということが多い日本の美術館
と違い「何を伝え、感じてもらいたいのか」がしっかりと伝わってくる。
この美術館は前庭の感じも落ち着いていて、雰囲気も他の美術館と一味
違う。
cooper

その後、隣のグッゲンハイムを覗き、お昼過ぎまでセントラルパークを
散策しながら反対側のアッパーウェストに渡った。

このアッパーウェストにはいくつかユニークなお店がある。
ひとつはスーパーマーケットのZABARS。こじんまりとしたスーパーだが、
チーズ売り場とシーフード売り場の大きさを見ると、ここを利用している住
人の文化度が推し量れる。
オリジナル商品のギフトバスケットを見ていると、「このまま持って帰りたい」
という衝動に駆られること請け合いだ。

(下の写真をクリックするとサイトに飛びます)
zabars1

zabars

その隣には、ベーグル専門店のH&H。
カウンターの後ろで蒸し上げ、焼いているので入り口から湿気が逃げない
ように2重扉になっている。
出来立てのベーグルは本当にお餅のようだ。私に課せられた使命は、
ここのベーグルを買い、ジップロックで空気を逃がして小分けに密封し、
速やかに日本の持ち帰り家内に献上することだった。買ったとたんに
バックパックからジップロックを取り出し詰め替えている客など珍しい
のだろう、じろじろと怪訝な顔で見られた。

となりのZABARSのデリカフェでもH&Hベーグルのサンドウィッ
チが食べられる。
deli

2008年07月17日(木)更新

IABC参加記(9)

アクティビティ編:ニューヨークの「ロシア・トルコ風呂」に行くの巻

出張に行っても酒を飲まないゆえ夜は温泉か食事ぐらいしか楽しみが
無い私だが、それはここニューヨークでも一緒(悲)。今回のブルーマン
が夜のアクティビティとしては唯一のものだった。

さてぽっかり開いた3時間。「行く時間と勇気があれば行ってみたい」と
思った場所に行ってみることにした。それは、今はなき中尊寺ゆつこさ
んの本
にも紹介されていた、イーストヴィレッジの「ロシア・トルコ風呂」
だ。
rtb1
ここはまあ「スパ」なのだが、アメリカには珍しい「パブリックバス」だ。

基本はサウナなのだけれど、以下のようなバリエーションがある。

1.ものすごい高温のドライサウナ
2.ものすごい高温のドライサウナの部屋にユーカリプタスオイルをぶち
  まけたもの
3.ものすごい高温のサウナの中で手桶で冷水をばしゃばしゃかけなが
  らはいるもの。中で葉っぱの束で体を叩くマッサージ付き(ロシア風呂)
4.中温のミストサウナの部屋にユーカリプタスオイルをぶちまけたもの
  (トルコ風呂?)
5.低温のミストサウナ
6.30秒もはいっていられない強烈につめたいプール
  (3X5メートル、深さ120センチ)
7.シャワーブース

以下のリンクにウェブサイトと紹介ビデオがあります。
http://www.russianturkishbaths.com/enter.html

http://www.russianturkishbaths.com/movie.html

入場料30ドルを支払い貴重品はセーフティーボックスに。ロッカーのキー
をもらい無料レンタルのタオルとローブ、トランクスをもらってロッカールー
ムで準備。そして地下への階段を下りていく。なんだかドキドキだ。

基本、清潔で安全。あらゆる意味で恐れていたようなことはなく、お店の
人も利用者もフレンドリーでとても楽しかった。
ポイント(もちろんグッド)は男女一緒には入れるというところ。変な意味で
はなくほんとうに和気あいあいとしているのだ。

rtb2

女性は持参の水着か、水着の上からぬれても良い軽い上下を貸してくれ
る。男性はルーズなトランクスを貸してくれるが、なぜかみんなウェストを
まくってローライズにしている。
夫婦でも楽しそうだし、若いカップルやもちろん一人で来る人もたくさんい
た。みな気軽に話しかけてくれるし、とても人間味があふれていて私は
始終にこにこしていた。利用者はドルチェ&ガバーナのモデルのような男
の子もいれば戦艦ポキョムキン(?)みたいな親父もいるし、マトリョーシカ
みたいなおばさんもいれば、シャラポアみたいな女の子もいた。

最初は何も知らず高温ユーカリドライサウナに入ったら、目も開けられな
いし呼吸もできないしで5分も我慢できなかった。これは本当に強烈で「アロマ
テラピー」なんて書いてあるけど、かなりハードだ。おかげで翌日まで体が
ずっとミントっぽいにおいのままだった。(気分は良いのだが)

いくつかのブログで、ここに行った人のレビューがあったけど、最近リニュー
アルしたようで部屋もロッカーもプールも十分清潔だったことを付け加えてお
こう。

お風呂を出てブルーマン開演まで1時間。イーストヴィレッジの日本人街で
うどんを食べてシアターに向かった。
udon

2008年07月16日(水)更新

IABC参加記(8)

今日は完全なオフ。一日街歩きに精を出す予定だ。

実は宿泊しているホテルがタイムズスクウェアに近く、表通りはアトラ
クション(ミュージカル)やおみやげ物屋ばかりなのだが、裏に回ると
意外に静かなレストランが多く、ワンブロックで表情を変えるのもニュ
ーヨークらしいなあと思う。
その裏通りを2~3ブロック南下するとニューヨークタイムズの本社ビル
がある。現在近くに移転工事中だが、一階のファサードにある現代美
術作品はとても面白い。480X800ドットぐらいの光電管画面が、廊
下の片側に約300、両側で600並んでいる。これはマークハンセン
という作家の、その名も「ムーバブルタイプ」という作品だ。
nyt1
これが数分おきに様々な情報をランダムに表示していく。
とてもめまぐるしく、「まるで現在の情報洪水を揶揄しているようだ」と
最初は嫌悪感を抱くのだが、10分ぐらいボーっと眺めてると表示内容
がかなり有機的な条件によって表示されているのが感じられるのだ。

これにより、この作品が単なるテクノロジーを駆使した固定的な作品で
ないことがわかる -すなわち、日々更新され増加していくニューヨー
クタイムズのリアルなデータベースの中からカテゴリーごとに表現要
素を抽出しそれをランダムに表示しているのだ。
nyt2

また、このビルの1階の一角にはかなり大きな無印良品のショップが
ある。無印良品はここの他、前日に訪問したニューヨーク近代美術館
のショップにも入っており、そのコンセプトがかなり高く評価されている
のがよくわかる。
nyt3

その後地下鉄でSOHO地区へ。裏通りの小さなお店を見て回るのは
楽しいが、以前は独立系の大雑把でユニークなお店が多かったのだが
やはり大手資本下のブランドがこのあたりまで伸してきている、という
のが印象だ。

ならばもっとローカルなところが見たい、と地下鉄でブルックリンに渡り、
ウィリアムズバーグへ。高層ビルもなく、のどかな感じのする街だ。
グラフィティ(落書きアート)もポスターとのハイブリッドな目新しいもの
があり、とても刺激的だった。
will1

夕方マンハッタンに戻り向かった先はオフブロードウェイのブルーマン
劇場。ブルーマンは今、日本でもやっているがニューヨークではもう15
年のロングラン。私がインテルにいた頃(12年前!)からキャラクター
で使っていたから本当にすごいロングランだ。
で、当然ブロードウェイの当日券ブローカー(TKTS)では扱っておらず、
ネットブローカーでは40ドル近いマージンを取る(それじゃ日本で見る
より高い)。まあ「見られればラッキー」と劇場に向かうと当然のように
「Tonight Sold Out」の文字が。
それでもめげない私はチケット売り場で「まさかとは思うが1枚どこか
残っていないか」と聞いてみた。
「まあそうね。数時間前にキャンセルが出ることもあるから」と調べて
くれた。
「あ、一番最後列の真ん中でよければ、今、今だぞ、一枚キャンセル
が出た。今なら押さえられるよ」ということでラッキーを購入した。

さて観劇まで3時間。どこかで食事でもしてゆっくりしよう。
blueman5

2008年07月15日(火)更新

IABC参加記(7)

今回、会議終了が水曜日ということで、翌日の木曜日に出発しても
日本着は金曜日の午後となる。どうせ1週間不在になるのなら2日
間延泊して美術館を色々みたい、ということで時間をいただくことに
したのだ。

最終日、名残惜しさとともに会場をあとにした私が一番最初に向かっ
た先はすぐ隣にあるニューヨーク近代美術館(MoMA)だ。
20年前はちょうどマティスの素描展をやっていてノックアウトされたと
ころだが10年前は大幅な改装中で訪問できなかった。
今回はリベンジ(というと大げさだが)で訪問をとても楽しみにしてい
た。もちろん近代絵画や彫刻だけでなく、写真や映像作品、そしてデ
ザインコレクションが秀逸だ。
moma1
絵画の企画展はダリだったのだが、ちょうど開催前のプレビューの時
期でこれは残念ながら見られなかったが、写真のフロアは実験的な
インスタレーションが多く、とても楽しめるものだった。
moma2

たとえば長い渡り廊下がずっと黄色い特殊なライトで覆われていて、
ここを抜けて外を見ると、すべてモノクロームの世界に見えるというも
のや、広い部屋の中央に置かれた360度に光を放つ光源とその周り
を動くカラーフィルターによって観覧する私たちのシルエットが周囲の
壁に形成され流れていくものなど、まるでアップルのiPODの宣伝の
一部になったかのような(タイムリーな)楽しさがあった。
moma3

またMoMAのすばらしいところはところどころ大きな外窓があり、開
放的なところだ。 ここから切り取られたマンハッタンの景色や下を
走る車まで、アートを感じる気さえ起こさせるのだ。
moma4

中庭には彫刻だけでなく、憩いを感じさせる空間のムダ、というか余
裕すらも計算されているようで、思い思いに腰をかけている人たちも
また作り出された空間の一部となって溶け込んでいるため、「人がい
なければもっと作品を味わえるのに」といったセコい気分にならない
のが良い。
moma5

この日はさらに5THアベニューのブランドショップ街(入らず)まで覗き、
夜まで開いているのを幸いに地下鉄で南下しデパート(Macy's)を徘
徊したがほとんど何も買わなかった。ここにきて感じることは「量産さ
れるもののほとんどは東京で手に入る」ということだ。ただ、ショーウィ
ンドウ見ているだけでも十分刺激を受けるので歩く価値は感じるのだ。
moma6

2008年07月14日(月)更新

IABC参加記(6)

日曜日から4日間にわたるコンファレンスに参加して感じたことは、
「参加者に孤独を感じさせない工夫」だ。
1800人の参加者で日本からは2人(しかも多分初参加に近い)と
言う状況にもかかわらず、気がつけばIABCのプレジデント、会議
の議長、副議長、アジア地区の代表など、せっかく行くのであれば
会っておきたい人たちとは全員面識をいただくことができた。
しかもほとんどの場合、向こうが会いに来てくれた事が驚きなのだ。

iabc6a
これは偶然?いや、受付をしたときに渡される資料やデータを見て
も事前登録したものにきちんとマークがしてあるし、運営委員会は
今後の会の発展のためにできること、その些細なチャンスに目を行
き届かせている様子が伝わってくるのだ。特に初めて参加した人や
遠くからの参加者などにはそれとわかるような工夫がIDバッジに
なされていたりもした。この細やかさはかつてないものだ。

また、アナログな伝言掲示板もあり、各地域同士のオフ会や、「せっ
かくの機会なので特定のトピックで情報交換したい」とか「一緒に会
食、ミュージカル見に行こう」というような誘いもいっぱい見受けられ
た。

↓クリックすると動画(ウィンドウズメディア)が見られます
iabcmov

セス・ゴーディンさんのクロージングノートを聞いているときに「これは
あなたに宛てたものだと思う」と手渡されたメモ(と名刺)の表には、
「日本からの参加者の方へ」と書いてあり、とあるカナダの参加者か
らの走り書きで「わたしの家内が日本人で来年早々に日本を訪問す
るから機会があれば企業コミュニケーションについてそっちで意見交
換したい。ぜひ数人で集まれるテーブルをセットして欲しい」というも
のだった。

通常、会議で同席した際に儀礼的に名刺交換して「今後もよろしく」
というようなことは日本でも多いが、それで何かが起きることは少な
い。
今回はそれとはまったく逆で、まず目的意識があり、その機会を見つ
けるためにコンタクトしてくる、というものだ。
もちろん帰国後すぐにメールを送ったが、とても喜んでくださり、レス
ポンスも早く具体的だ。まだ半年先のことだが、今ではとても楽しみ
だ。(このブログを読んでくださっている方でご興味のある方は連絡
ください)

また、初日のレセプションで名刺交換とともに10分程度雑談しただ
けなのに、彼のプレゼンテーションに参加した際に僕の顔を確認した
だけで、いきなり「たとえばここにいる東京から参加しているKAZだ
ったら、こんな課題があるはずだ」といきなり話を振ってきたベストバ
イの社内コミュニケーションマネージャーにも驚かされた。

先日のエントリーで「カテゴリーキラーの意識」ということを書いたが、
そうあるためにも企業コミュニケーターは他部署や様々なステークホ
ルダーに対する理解とユニークなアプローチが必要とされるようだ。
今回の参加者の行動特性を見るとその積極性とクリエイティビティ(
創造性)に学ぶものが少なくなかった。何よりあきらめない粘っこさ、
そして明るさを感じる。

IABCの4日間は、セミナーを通しての知識レベルでのインプットだけ
でなく、コミュニケーターの資質や特性を見せ付けられた、本当に刺
激的な4日間だった。

iabc6c
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