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2006年04月27日(木)更新

「コミュニケーションを創る」ということ

サラリーマン時代に、マーケティング企画で小室哲哉さんに
インタビューする機会がありました。

当時は時代の寵児、といった感じで、インタビューも、とても
緊張しました。
私の質問は、
「そんなに忙しい中で、どうしてこんなにたくさんのアーティス
トをプロデュースできるんでしょう?」
というもので、それに対する小室さんの答えに大変(意外で)
感心した覚えがあります。

彼は、こんな風に言いました。
「まずはアーティスト本人、というよりも、僕は若い人たちが
どのように音楽を楽しんでいるのか、もしくはどんな音楽の
楽しみ方を欲しているのか、を考えます。例えばカラオケで
歌いたい、とか、一緒に踊りたい、とか、そういうことです。
それで、みんなが望んでいるものの断片(頭に浮かんだメ
ロディやリズム、フレーズなど)をいっぱい引き出しに溜め込
んでいるんですよ。で、アーティストとは、いきなり仕事、と
言うよりも食事をしたり、街を歩いたり、何かを見たり、話をし
たり、一定時間一緒にすごしてみるんです。そうすると、その
人がどんなメッセージを伝える力を持っているのか、が見え
てくる。で、それに合わせて引き出しの材料を当てはめていく。
そういうプロセスなんです。」

まずはマーケット(最終顧客)を見定める。その上で、アーティ
ストはメッセージを伝える「メディア」と捉えていたんです。
彼は、音楽を創ることを通じて、時代感を伝えるコミュニケー
ションをしていたんですね。

「ああ、これなら売れるわけだ」と素直に思いました。

その後、独立する際に、自分達の仕事を考えるときにとても
参考になりました。
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