大きくする 標準 小さくする

2006年04月04日(火)更新

スペックで買っちゃダメ

ブログ文化の良いところは、コミュニケーションによって評価や判断の
尺度が変化していくことだと思います。

私自身、インターネットが使えるようになって最初に感じたことは、商
品やサービスの情報収集が飛躍的にやりやすくなり、何かモノを買う
ときもスペックの比較や検討がとても楽になった、ということです。

しかも私、というか、大概の男子は基本的に「スペック」が好きですよ
ね。
何万画素だとか、何馬力だとか。CPUパワーが何ギガヘルツだとか、
ハイパースレッドだとか。 (笑)

でも実際にそんなスペックが気になって、店頭で実際にものを見て、
触ってみると、違うものが気になってきます。

たとえば、「デザイン(色や形)」や「手触り」、「重さ」、「使い勝手」と
いった、いわゆる「感覚値」というもです。

先日仕事で必要性を感じ、初級のデジタル1眼レフを買ったのですが、
スペックや性能比較だとやはり売れ筋どおりでキャノンやニコンが上
に来るのです。

そこから絞ろうと思って、売り場に行き、お店の人にアドヴァイスを求め
たのですが、彼らは、「こういう言い方で 今月この機種を何台売る」と
いう目的の元に話をするし、定量的な 数値性能以上のコメントはなか
なかしません。(売り場に客観的にアドヴァイスできる精通した人がい
ることはまれ)

そこで、私は売り場でだまって1時間以上いろんな機種をいじり倒し、
いままでアナログでは ずーっとニコンを使い続けていたにもかかわらず
結局ペンタックスを買い ました。

その理由は、たとえば、撮った写真をすぐ確認したり、ディテールを拡
大したり、必要ないものをすぐ削除したり、という通常行う動作を、「マ
ニュアルや説明なしに一番操作が明快でわかりやすかった、クイック
に出来た」からです。

こういうポイントはメーカーサイトの「売り文句」からは伝わってきません。
個人の感じることには差があるけれど、このような感覚値に対する評価
をいくつものブログで読むことが出来ると、それを総合的に判断すること
ができ、とても参考になります。

私は元々工業デザイナーでしたが、デザイナーは単に形や色を決める
だけではなく、「思い」をそれらにこめて伝えようとする職能だと思ってい
ました。しかしマーケティングや販売現場では見事に割り切った「売ら
れ方」をする事が多かったので、諦念感やそれらとの葛藤ににさいなま
されながら仕事をするマゾヒスティックな人が少なくなかった気がします。

ブログによってユーザーが「ことば」を持ち、開発者やメーカーの思いを
代弁できるようになった(逆に言えば愛のムチもあり)のは素晴らしいこ
とです。

シャッターが落ちたときの「シャカポーン」というなんとも軽くてカサカサ
したポリカーボネート独特の作動音は悲しいけれど、10万円弱のデジ
タル一眼はみんなこうなので我慢しました。
わたしは40ミリ(35ミリ換算で60ミリ)単眼のパンケーキレンズをつけて
使っているのでとてもコンパクトです。
バッテリーの持ちも良いですし、本当に優秀なツールで気に入っていま
す。
<<  2006年4月  >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30