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2007年05月28日(月)更新

小学生は電気羊の夢を見るか?

おりしも大相撲夏場所では白鵬が横綱昇進を決定付ける優勝を確定させた
土曜日だった。
その大相撲といえば、某週刊誌でさんざん八百長疑惑などと取りざたされて
いる。

それにかこつけるわけではないが、週末に小学校3年生の娘の運動会があ
った。

お昼ごはんを一緒に食べていると、娘はこう言った。

「パパ、午後の徒競走で私は2位になるよ」
なぜそうなるか聞いてみると、先日同じ組み合わせですでに予行練習を一度
やっているのだそうで、そのメンツの中ではどう見ても2位なのだと。

「でも、本番で転ぶかもしれないし、最後までしっかり走らないと判らないぞ」

と諭したものの、結果を見ると果たして2位。
彼女はしっかりがんばって走った。それで2位だからすばらしいのだが。。

運動会全体を通して感じたことは、あまり転ぶような子供がいないことだ。

昔の子供は気持ちが先行して転ぶ。そして最近の子供は足腰が弱くて転ぶ、
というようなことを聞いていた。

それなのに。

ひょっとすると、、、杞憂だとは思うが、、、

彼らはすでに見切ってやっているのではないだろうか?

すなわち、想定外のことなど起きないように予行と同じように淡々とこなすのみ。

最後の2種目になると赤組と白組の総得点板が隠される。

そして結果発表。

結果は1508 vs 1510。
2点差で白組の勝ち。

最後の校長の言葉は、「ほんの数点の差で勝敗が分かれる。最後まであきら
めるな」というものだった。絶妙である。

代休の開ける明日、学校で運動会の話題は出るのだろうか?

もっと普段から白組の伝統や名誉を教え込んだらどうだろうか?そして勝ったら
優勝旗以外にも饅頭の大きさを変えるとか、インセンティブをつけるとか。
負けることで感じる悔しさやがんばろうとする気持ちをもっと学ばせてあげたい。

そうでないとこれからたくさん味わうであろう挫折や苦しさに勝てなくなるから。
そして、そういう人の痛みを理解できなくなることが、一番の恐怖だ。

私は昔教わった先生の言葉はひとりにひとつぐらいしか覚えていないが、体育の
教師が言った言葉が忘れられない。

「優勝するのは最後の一人だけ。負けることを学ぶのが勉強なんだ。泣いている
暇があったら走ってこい」

うーん。なんだかすべてが既視感にとらわれたような微妙な一日だった。
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