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2007年08月28日(火)更新

秘密の滝つぼに入るには3年待て

高校時代に美術研究所の合宿で始めて連れて行かれた西丹沢。
人工的に作られた湖には何本かの川が流れ込んでいる。
そのうちの1本の川に沿って10キロの林道がある。

林道は治山工事の車両以外は通行止め。のんびり歩くと県営の
大きなロッジがある。
すなわち、この道を通うほとんどの人はこのロッジを足がかりに
山登りをする登山・ハイキング客だ。

18から数えて20数年、ほぼ毎年通ったキャンプサイトがこの
ロッジの裏手にある。
通り過ぎる登山客がほとんどなので、広々とした川原を独占でき
る優雅なキャンプ場だ。(そのかわり設備は皆無)
春には山桜と山吹が色を沿え、秋には無尽に流れる星を眺め、
そして夏には秘密の滝つぼで沐浴できるのだ。
この滝つぼはキャンプサイトから徒歩30分。隣の支流沿いにあ
るのだが、まさに秘境。
3メートルほどのなだらかな滝と、5メートル四方で深さも5メートル
ぐらいの小さな滝つぼがある。乗り越えて上に上がれば、さらなる
景観が待っているが、それは行ってのお楽しみにしておこう。

夏の山歩きを越えてこの滝つぼにたどり着くと、みな、自然とパン
ツ一丁(海パン持参)になる。キンキンに冷えた水につかると、
1分ぐらいで頭が「カキ氷を急に食べて頭痛」状態になるのだ。
夏の盛りでも、ほとんど発泡寸前のペリエのような冷えた水で、
体の汗や油が一気に抜ける。飛び込むと目の前でヤマメの群れが
すっと散り、そしてまた集まってくる。

以前、初めて参加した女性(友人の彼女)が水着を忘れたのだが、
みんながあまりに気持ちよさそうで、見ているのに耐え切れず、
Tシャツと下着で飛び込んだぐらいだ。

しかしこの林道、途中に素彫りのトンネルがあり、最近そこに
亀裂が見つかったということで向こう3年ぐらい、林道が通行
止め、ロッジも営業停止となってしまった。
子供が歩けるようになったらまた行きたいと思っていただけに、
この夏に調べてニュースを知ったときはちょっとショックだった。

まあいい。神奈川県の計らいで20年以上林道を車両通行止めに
しているおかげで、西丹沢は荒れることもなくおおらかな自然を
維持してきたのだ。3年ぐらいは待つとしよう。
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