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2008年01月24日(木)更新

ブラウンのデザイン思想を引き継ぐアップル?

オリジナルの記事はGizmodoのようだが、先日のらばQに
「Appleがあのブラウンからパクったグッドデザイン10の原則」
という興味深い記事があった。

* The Future Of Apple Is In 1960s Braun: 1960s Braun
  Products Hold the Secrets to Apple's Future


* らばQ : Appleがあのブラウンからパクったグッドデザイン
  10の原則


紹介された写真を見ると、たしかに良く似ている。
「パクった」という言い方が適当かはわからないが、参照され
ているブラウンのデザインディレクターだったディーター・ラム
ス氏の「良いデザインの10の原則」には確かに則っている。

アップルを擁護するわけではないが、元工業デザイナーとして
見てみると、アップルはアップルなりに求められる条件や制約
の中で、そのブランドに足るデザインへと昇華させていると感じ
る。実際に工業デザインに関わっている方なら理解いただける
ことだが、機能や用途、素材などの条件が違えば、単に見た
目や構成(レシオ)などを真似てもオリジナルと同等以上にま
とめることは非常に難しい。
古くはアイボ(犬のロボットおもちゃ・なつかしい)もどきのおも
ちゃ、今ならそれこそアイポッドもどきのmp3プレイヤーを見れ
ばわかる。

実際、現在デザインディレクターのジョナサン・アイブ氏が指揮
を取る以前、アップル社およびマッキントッシュ製品の初期の
デザインの多くはフロッグデザイン社が行っていたが、こちらも
ドイツ系企業ということで、ほぼラムスの主張を踏襲するシンプ
ルで美しいデザインを行っていた。

私が個人的に始めて購入したパソコン「Quadra700」はCX、
IICiと続くシンプルな直方体のデザインだが、抜きテーパーの
ない6面抜き(!)というとんでもなくコストのかかった金型で
作られている。
当時のマックユーザーが鉄板を曲げて作られたウィンドウズ
マシンを受け入れられない理由なこんなところにもあるので
はなかっただろうか?
「人の暮らしを豊かにするすばらしいデザインが増えて欲しい」
と願う者からすれば、「もどき」以上の結果を出しているのであ
れば他社(アップル)が彼の思想を継承するのも良いのではな
いか?とも思う。

あえて話をブラウン社に戻すと、現在のブラウン社のシェーバ
ーのカタチは逆にディテールが増え、ディーター・ラムス氏の
思想から離れつつあるのではないだろうか?
(あえてデザインの良し悪しは問わないが)
却ってライバルのフィリップスの製品のほうがディテールをそぎ
落としどんどんシンプルで強い形になっているような気がしてな
らない。

ブラウン
http://www.braun.co.jp/default.html


フィリップス
http://www.arcitec.philips.com/jp/ja/
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