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2008年04月04日(金)更新

入社式トップ訓示に見る企業コミュニケーションの傾向値

毎年楽しみにしているのが日経紙面で4月の第1週に特集される
「入社式トップのあいさつ」特集だ。
端的に世相を反映させるもののひとつで毎年楽しみにしている。

昨年のエントリーはこちら
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/102/10004745.html

今年の傾向としてピックアップされたのは

「経営環境の厳しさ」

「経営統合・社名変更」

「コンプライアンス(法令順守)」

だそうだ。

それぞれトピックとしてはあまり新鮮味がないが、それぞれのコメ
ントの背景に浮かび上がるキーワードが「スピード感」だ。
ITツールの発達も起因することの一つかもしれないが、ビジネスや
生活のプロセスが”やみくもに”スピードアップしていると感じるのだ。

私自身もオフィスに来てPCの電源を入れると、なぜかその時点から
妙にせわしなさを感じてしまう。

「早くメールを読もう」

「早く仕事の順番立てをしよう」

「早く目の前の仕事を処理しよう」

というように。

その結果、考えや判断、視野が狭くなると感じるのだ。
そんなときは少し早く家を出て、カフェでおいしいコーヒーを飲みなが
ら手帳を広げて色々なトピックをマッピングして整理するととても落ち
着いて一日を過ごせる。(結果的に業務効率も高く、スピードアップ
する)

あまりにも便利なツールやメディアに囲まれて仕事をしているからこ
そ、「自分のペース」や「自分の時間」をしっかり持つことこそ、正しく
より高品質なアウトプットが出せる気がしてならない。

振り返って

「経営環境の厳しさ」

「経営統合・社名変更」

「コンプライアンス(法令順守)」
も、
今の世の中では普通に起こりえる、「当たり前」のことだ。

だとしたらなぜそれが問題なのか。
それを考える機会を提示するのが本来のトップのメッセージではない
だろうか。

携帯とネットが基本。そんな若い世代ほど、色々な意味で事を急いで
いるような気がする。その結果一番怖いのが「思考停止」を招くことだ。
世の中はより複雑になり、「How to」だけでは解決できないことが多く
なっている。
「What」、つまり「自分ならこうする」という「独自性」を持つこと。それを
検証しあう「コミュニケーション」の積み重ねが大事だ。

トップは、本当はそのフレキシビリティ(柔軟性)を求めているのだと思
った。
来年のキーワードはもう少し新鮮味のあるものだと良いのだが。。。

megane