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2008年07月12日(土)更新

IABC参加記(5)

IABCのインターナショナルコンファレンスの特徴の一つが分科会のカテゴリー
分けだ。
たとえば春に出席した「New Communications Forum」であれば「広報」
「マーケティング」「広告」「ジャーナリズム」という分類だった。

IABCでは、以下のようになっていた。
* Change Management(チェンジマネジメント)
* Communication Leadership(コミュニケーションリーダーシップ)
* Employee Communication(社内コミュニケーション)
* Global Trends(コミュニケーションの世界的なトレンド)
* Marketing & Brand(マーケティングと企業ブランド)
* Public Relations(パブリックリレーション)
* Strategy & Counsel(コミュニケーション戦略)

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ここでよくわかるのは、既存の部署に根ざした話を誰もしていない、という
ことだ。
「広報」「マーケティング」「広告」「人事」というような旧来の部署単位の
活動は「点」であり「それらをどう繋ぐか」ということが企業コミュニケーシ
ョンの課題なのだ。実際、展示エリアでは30近い企業が出展していたのだが、
旧来は「経営コンサルタント」「人事コンサルタント」「ITソリューション企
業」だったそれらの企業のほとんどがカテゴリーキラーとも呼ばれるビジネス
モデルにシフトしてきているのが興味深かった。しかもその志向が「内向き」
すなわち「社内コミュニケーション」のウェイトが非常に強い。

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さらにいえば、いわゆる大手のPRエージェンシーは1社も出店していないのが
象徴的だ。彼らの多くは最近の兆候としてソーシャルマーケティング系のサー
ビスにフォーカスしているようだが、やはり意識は「外向き」のままなのだろう。

「ビジネスコミュニケーション」と広義にとらえた団体のコンファレンスで、
これだけ「社内コミュニケーション」に重点が置かれているのは最近の傾向
だという。やはりエンロン事件以降、コンプライアンスやCSRの意識の高まり
もあっての事だと思うが日本でも内部告発による企業不祥事の摘発は年を追う
ごとに増えている状況を鑑みると今後このような意識が高まる方向にあるのは
間違いない。

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