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2008年09月24日(水)更新

色と線:ジュリアン・オピー展@水戸芸術館

秋分の日の昨日は家族で早起きして水戸芸術館までジュリアン・オピーの
展覧会を見に行ってきた。
片道120キロのちょっとした小旅行ではあったが、すこしだけ早起きしたお
かげで、初秋のさわやかな天気とあいまって良い気分転換のドライブにな
った。

opie exhibition

http://www.arttowermito.or.jp/art/modules/tinyd0/index.php?id=1
ジュリアン・オピーといえば、最近では表参道ヒルズのグラフィック、ちょっと
前ならロックバンド「Blur」のCDジャケットデザインで有名なイギリスのアー
ティストだ。

hills

オピーは1958年ロンドン生まれだからほぼ同世代だ。現代美術を学ぶ傍ら
葛飾北斎や安藤広重など、江戸時代の浮世絵作品の構図や表現方法か
らも大きな影響を受けているようだ。

ただ、その簡素化された線や表現は、浮世絵のものとも異なり、表情の切り
取り方や足首の切り取り方など、さらなる要素のマイナスの方向性によって
彼独自の饒舌な表現がなされている。

もうひとつは「色」だ。例えば似たようなポップ表現であっても、明らかにリキ
テンシュタインとは違う。私が感じたのは、同じく浮世絵の感覚にモダニズム
のフィルターをかけた川瀬巴水や小泉癸巳男の版画と近い色気だ。

オピーの表現のオリジナリティはさらに「動き」の要素が加わることだ。
人の動きや風景の移ろいがコンピュータグラフィックやレンチキュラー印刷で
再現されているのを見ると、簡素化された線や色の意味が理解できる。

彼自身のウェブサイトに行けば、これらの一部が再現されている。

opie0
http://www.julianopie.com/

下の2枚はクリックすると動きが見られます。

opie1

opie2

水戸芸術館は空間設計も展示もすばらしい。うちの小学生と幼稚園の子供
たちは、休日に「美術館に行く」というとすねることが多いのだが、ここは
タワーの展望室や前庭なども子供が楽しめる要素があり、喜んでいた。


会期はあと2週間だが、水戸まで足を運ぶ価値は高い。オススメの展覧会だ。
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