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2009年02月14日(土)更新

晴天の友となるなかれ、雨天の友となれ

仕事とは、つくづく「人の縁」と思う。

ネットベンチャー華やかな頃、起業家として立ち上がった中の一人に
佐々木かをりさんがいる。

佐々木さんとは元々、私がインテルに在籍していたときに「女性向け
のパソコンマーケティングやウェブの活用」をテーマに外部コンサルタ
ントとしてお話を伺ったのがもともとのご縁だ。

後年、私が独立し、佐々木さんがネットベンチャーを立ち上げたとき、
そのコンテンツ企画で逆にお声掛けをいただいた。
あれから何年たっただろう。

実は今関わっているご縁の会社に、佐々木さんのもうひとつの会社
がフィットするのではないか、と前日勝手にご紹介さしあげていた
のだ。

するとそのご担当の方から、
「私の名前を出してくれたのは雨宮さんですね。どうもありがとう。
実は今日、会社のセミナーフロアの改装パーティーがあるのでぜひ
参加してください」
とお誘いを受けた。

そこには、さすが佐々木さん、とうならせるだけのゲストがいらっしゃっ
ていた。
ご縁の元となったインテルの西岡さん、元MS会長の古川さん、日産
の林文子さん、マクドナルドの原田さん、女優の石井苗子さん、ジャー
ナリストの池上彰さん、リヴァンプの玉塚元一さんなどなど。

西岡さん以外は面識があるわけではないが、他にも面識のある方が
いらっしゃった。

元ゲラン社長の秋元さん。
秋元さんには私の元上司のご縁で紹介され、最初のゲランの日本語版
ウェブサイトの立ち上げをお手伝いさせていただいた。

もうひとり。生島ヒロシさん。
生島さんとは別のある財団法人のネット活動の表彰審査をご一緒させ
ていただいたご縁がある。毎日何十人もの方とお会いしている生島さ
んなので、もちろんご記憶にはなかったようだが、その生島さんが、
帰り際に短いスピーチをくださった。
それが

「晴天の友となるなかれ、雨天の友となれ」

というものだ。

「未曾有の不況といわれる今日。皆さん一人一人は(表面では笑顔を
取り繕っても)自分の事に精一杯で、大変苦しい思いで頑張っている
最中であることでしょう、しかしこんな時だからこそ、友に思いを馳せ、
手を差し伸べられる人となろうじゃありませんか」

ふっと背中から絡まった針金が一本抜けた思いがした。

生島さんは決して華々しいキャリアを積んできたかたではなく、大学を
中退し、単身アメリカに渡って、空手で生活費を稼ぎながら学究生活を
送られた過去をお持ちなのです。

また、義母さまの介護体験から福祉の専門家となりヘルスケアを追究、
もう一つ、お金も大事だからファイナンスプランナーの資格も取得されて
いる。昨今多方面で活躍されているのもこのような背景があるからだ。

「自分自身のキャリアに分散投資して間口を広げておくこと。すると50代
になっても不安がありません」とおっしゃっているようだ。

「複合キャリア」は変化スピードの速い現在においてはネットワークの柔
軟性を持つことができ、他者理解力も高めることができる。
そしてそのミックスそのものがそのひとの「個性」や「独自性」となるのだ。

ご縁が紡いだくれた貴重な時間を持つことができた。