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2009年02月08日(日)更新

日本を世界に売り込める人が誰もいない

1月の終わりにジャパンビジネスプレスに「さらばジャパンミッシング
世界に情報発信できない経済大国を憂う」という黒川清氏のコラム

読んだ。

黒川氏は政策研究大学院の大学教授でいらっしゃるほか、日本学術
会議会長や、総合科学技術会議議員、内閣特別顧問などを歴任され、
ダボス会議などにも参加されている方だ。

コラムを要約すると、

・ 日本は世界からは何を言っても反応のない国と思われ始めた
・ しかもこうした状態に多くの日本人自身が気づいていない
・ だから日本を世界に売り込む・発信する人がいない

ということだ。
先日のガラパゴスと呼応するが、企業(経営)広報:コーポレート・
コミュニケーションの観点から見ると、日本企業の取り組みは本当に
まだまだだ。

昨年IABCに参加したとき、アジア分科会に来たIABCのトップ
の方々のコメントが象徴的だった。

「日本から来たのはあなたね。ひとつ質問があるのだけれどGDP
バランスから見ると、なぜ日本だけ突出してこの会議に参加する人
が少ないの?」

すなわち黒川氏のコラムの通り日本の存在感が「ミッシング」なの
だ。

http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/100/10010113.html

近々具体的にお話させていただくが、今年も6月に開催されるIA
BCのグローバルコンファレンス(サンフランシスコ)
に参加する
予定だ。
昨年参加レポートセミナーを実施したせいか、すでに複数社の企業
広報担当者の方から「今年は一緒に参加したい」というご連絡を
(私自身の登録より先に)いただいている。

昨年は日本からの参加者が2人だけだった(それ以前はほとんどい
なかったようだ)のでとても嬉しい。

こんな時代だからこそ、企業として海外にきちんと会社の事業や姿
勢を訴えて行く事が重要になると感じている。

今の企業のPRはメディアリレーションも殆ど国内が中心で、海外向
けには良くてリリースを打っておしまい。ウェブサイトも英語版会
社案内の域を出ていない。これでは会社の思い(存在)を伝える事
は難しいばかりか、ビジネスにつながる反応が得られないのも当然
だ。

広告だけではブランド形成が難しいと言われる現代、ネットをうま
く活用したPR(戦略的オンラインコミュニケーション)が重要にな
る。
IABCはその一歩に過ぎないが、ネット時代に通用する広報人材や組
織の育成を通じて世界に日本(企業)を売り込むお手伝いをしてい
きたい。