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2009年07月01日(水)更新

IABC2009参加記(8)

さて早いもので本日でコンファレンスも3日目になりました。

滞在しているホテルから会場までは徒歩で3分程度。慣れてきて
マリオットの裏口から入ろうとするとその脇に見たこともないようなユ
ニークな建物がありました。

覗いてみると昨年オープンしたばかりの「現代ユダヤ博物館」でした。
滞在中に一度見てみようと思い昼休みのひと時に訪れてびっくりしま
した。

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美術館(のショップ)に入るのにカバンの中身検査はもちろんのこと、
金属探知棒と触診によるボディチェックがあるのです。
中がとても平和なだけに少し複雑な気持ちになりました。
勉強の中心である各セッションは昨日、本日が中心で、特に3日目は
「エキスパートパネル」と呼ばれ人気のある講師の分科会が中心で
す。

朝、日本から参加している方たちと顔をあわせると「どのセッションに
参加されますか?」とそれぞれ確認します。なにしろこれも聴きたい
あれも聴きたいという状況なのですが、せっかくなのでお互いできる
だけ違うセッションに出て共有したい、という気持ちもあるのです。

しかし、プレゼンターによってはすっと入ってくる英語とまったく入って
こない英語があり、かつ事前のハンドアウト資料もない場合は、かな
りついていくのが辛い場合もあります。

そういう時は5分で見極め、勇気を持って他のセッションに移るように
しました。

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お昼間、本日のジェネラルセッションは目玉ゲストのひとり、ロバート
スワンさんです。
ロバートスワンさんといえば、日本では腕時計の記念モデルに名前を
つけられているので有名。というよりも実際の偉業についてはあまり
紹介されていないようです。彼は、初めて歩いて北極・南極の両極に
到達した記録を持つ方で、その冒険を通して地球に起きている環境の
変化や危機を伝え、現在は環境保護に関するさまざまな活動を行って
います。

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彼がスピーチを通して伝えた中で印象に残っているのは、やはり「チ
ームビルディング」に関することでした。

・厳しいチャレンジを達成するためには、組みし易い仲間ばかりでは
 ダメだ。
・すべての問題を「自分たちのこと」として積極的に、明るく、誇りを
 もって解決する。「自然や他者のせい」にしていても前には進めない
・どんな小さな達成でもお互いに認め合い、褒め称える(大げさに)

実際、紹介されたスライドは正気の沙汰ではないようなものばかり。
その中で笑顔を振りまくクルーたち。少しでも気を抜けば凍傷や精神
錯乱に陥るのだそうです。

冒険から帰ってきたら瞳の色が変わっていた(どうやらオゾンホールの
せいではないか)とまで。

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しかし彼はそれでもとまりません。同じような調査団や冒険隊が過去
に南極に置いていった1500トンものゴミを5年がかりで撤去、リサイ
クルにかけたり、世界中の教育機関に出向き、現地の学生たちと環
境問題を通じたボランティア活動を行っています。

ただ感動や感心するだけでなく、多くの「考え」を促すこのような優れた
ゲストスピーカーの話を聞けるのもIABCが他の(特にテクノロジー系
の)コンファレンスと違う大きなポイントだと思います。

この日は日本からの参加者3人で夕食をとりました。ずっと外国人の輪
の中でもまれ、少々疲れがたまっていたのかもしれません。
ガス抜きと情報共有もかねて気兼ねなく日本語でしゃべろう!というこ
ともありました。

会場の近く、いわゆるサンフランシスコの中心部は大手ホテルと旅行者
向けのレストランばかり。この日は10ブロックぐらい西の居住者中心の
落ち着いたエリアに移動し、小さなイタリアンレストランに入りました。
価格も安く、とても楽しいひと時でした。
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