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2010年01月12日(火)更新

「My Credo (マイクレド)」浜口 隆則、村尾 隆介 (著)

「クレド」は良く「信条」と訳されることが多いのですが、外資系の企業と
お付き合いが多い私にすぐ思い出されるのは、ジョンソン・エンド・ジョン
ソン社です。

J&Jでは、まさにそこで働く全ての人のコアバリューとして「わが信条(ク
レド)」というものを共有しています。

http://www.jnj.co.jp/group/community/credo/index.html

企業規模の大小に関わらず、最近は業績そのものよりも、経営者も含めて
働く人の意識によってわずかなほころびからあっという間に会社そのものの
存亡に関わる事件や事故につながることも少なくありません。
私自身がここ何年か、海外の企業コミュニケーション関連のコンファレンス
に参加していても、「社内コミュニケーション」や「価値の共有」といったものの
重要性を問う機会が非常に増えてきたように感じています。

この本は企業や組織というよりも、どちらかというと個人に根ざして書かれて
います。

mycredo
ワークシートも付いていますし、ある意味自己啓発系の本だ、と言ってしまえ
ばそれまでです。

ただ、読んで作者の方々に非常に共感を覚えたのは「社会の変化の捉え方」
の的確なところです。

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社会の変化が直線的で連続した時代から不連続な時代へ移行している。

しかし、一個人として、常にそのように変化対応を迫られても、なかなか
すべてこなしきれるものではなく、とても疲れる。

社会はすでに全体主義から個人主義の競争に変わっているので、今まで帰
属していた共同体はもうあなたを癒してはくれない。

それを他人事としてみれば、社会規範の希薄化が進むので個人で抱える
悩みが増えることになる。

流されないためには、自分のルール(軸)を持ち、しかしそれがひとりよがりに
ならないように相対比較できる基準を持つコトが肝要だ。
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というような流れです。

オチを書くのはやめておきます。
しかし後半に友人の名前とともに非常に染みるエピソードも出てきました。

単なる自己啓発ではなく、「ひとり広報」など、組織に立ち向かって奮闘してい
る人には、自身と組織、会社とどう関わり、アクションを起こしていけばよいのか、
そんな読み方も出来る本でした。