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2009年11月13日(金)更新

「愛の毛布と再生自転車」日本郵船取締役相談役・草刈隆郎さん

一昨日の日本経済新聞夕刊に、日本郵船取締役相談役の草刈隆郎さんの
「愛の毛布と再生自転車」という記事が出ていました。

「1Q84」がベストセラーになったことで、その当時(1984年)にあったことを
回想されていました。

この年、エチオピアで大飢饉が起こり、ユニセフが世界中の国に支援を呼び
かけたそうですが、日本の割り当ては毛布だったそうです。

草刈さんは当時定期航路の課長をされていて、事業損を覚悟で寄付で集め
た毛布を輸送されたそうです。
ところが、荷揚げと同時にほとんどの毛布が略奪され、善意は無に帰すこと
となったそうです。

このような状況は現在でも中東やアフリカ、アジアへの支援でも散見するもの
ですね。
さて、草刈さんは社長になってからもこのときの悔しい思いが忘れられなかっ
たそうです。
そのときに出会ったのが「ジョイセフ」という発展途上国の妊産婦と女性を支
援するNGOだったそうです。

多くの医療援助系のNGOが海外発のものであるのに対し、ジョイセフはなん
と日本で、40年前にスタートした団体。
第2次世界大戦以前の日本ではまだ女性が安心、安全に妊娠、出産できる
環境が整っておらず、妊娠や出産に関わる死亡事故などが少なくなかった。
しかし戦後のわずかな期間に母子保健や衛生、家族計画などの教育を徹底
的に行った結果、現在では世界で一番安全に出産、保育できる国になったこ
とを受けて、そのノウハウを持って人口問題や保健衛生問題を持つ国を支援
しようと言うのが発足のきっかけだったそうです。

現在はHIVや若年層からの無理な妊娠出産を防ぐ教育支援から、政策提言、
使い終わったランドセルや文房具、そして放置された自転車を再生して送っ
ているそうです。
ランドセルは就学率の向上、自転車は助産婦が村から村へ駆けつけるのに
とても重宝するそうです。

話は戻りますが、そこで草刈さんはジョイセフが集めたこの再生自転車を、略
奪されないように丈夫なコンテナで配送(コンテナも寄付)するようになったそ
うです。(略奪もなく無事に届けられるようになったそうです)

駅前に放置される自転車を見ると「やれやれ」と思いますが、アフリカでひとの
命を守るために日本の「ママチャリ」が活躍しているというのはすこし誇らしい
話ですね。

日本郵船
http://www.nyk.com/index.htm


ジョイセフ
http://joicfp.or.jp/jpn/index.shtml


再生自転車を送ろう
http://www.joicfp.or.jp/jpn/kokusai_camp/syusyu/hagaki/mccoba.shtml