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2011年03月25日(金)更新

非常時の企業コミュニケーション(1)

いまだ余震が続く東京。落ち着かない日々が続いています。

今年の最初のブログのエントリーが16年前の神戸の震災を振り返るものだったのが自分でもなんとも不思議な気分です。

このブログではほとんどコメントやメッセージはいただくことがありませんが、アクセスはかなりいただいていますし、ツイッターやフェイスブックでは特にIABCの世界中の仲間から毎日メッセージをいただいています。
やはり、国内と海外では伝わる様子がかなり違っているようです。


非常時の企業のコミュニケーション、特にオンラインにおける災害や事故、不祥事への対応を積年クリッピングして研究していますが、今回ほど大規模な災害はもちろん初めてですし、影響を受けていない企業はないのでは、というほど、各企業もそれぞれの対応を行っています。
もちろん企業だけではなく、コミュニケーションに関わるエージェンシー側でも対応が見られています。
電通PRさんはいち早く石松社長がご自身のブログの中で「復興に向けてPR会社が出来ること」として企業の事業継続計画(BCP : Business Continuity Plan)についてまとめられています。

また、イシュー・マネジメント部制作は「東北地方太平洋沖地震 各企業のこれまでの対応について」のレポートをまとめていらっしゃいます。

私自身も独自に色々な企業を見ていましたが、多くの企業がいわゆる「ハレ」のコンテンツや画像をはずし、被災地や被災された方へのメッセージに変えていました。そのなかでも、いくつかの企業は具体的な個別の対策をとっていました。

フジテレビ
「被災地伝言板(動画)」や「安否情報案内」


東京ガス
「ガスメーターの復帰方法(動画)」


シダックス
「支援活動内容レポート(写真掲載)」


東京エレクトロン
「工場の安否レポート(写真掲載)」


2007年の不二家の不祥事の際も当初の危機対応は万全ではありませんでしたが、途中からオンラインの危機対応は非常に丁寧になりました。それは「一度謝ったからおしまい」ではなく、継続して対応していく姿勢を見せ、常に情報を隠さず、積み上げていったからです。私たちは時間軸とその対応を重ね合わせることで企業の姿勢を読み取ります。

速やかな初動、そして自社なりに今後どうしていくのかを考えると、よりよい情報開示と信頼の構築に繋がっていくのではないでしょうか。

2011年03月22日(火)更新

わかりやすさが信頼感

地震からはや10日が経ちました。
改めましてこの地震によって亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
また、被災された方々やそのご家族の方々に心よりお見舞い申し上げ、現地の1日も早い復旧をお祈り申し上げます。
わずかですが、私も先日被災支援募金に協力させていただきました。

連日のマスコミ報道やーシャルメディアをみるにつけ、津波の脅威や被災地の惨状から原子力発電所の危機まで、やみくもの不安を煽るつもりはないのでしょうが、情報を入手しない恐怖、入手すれば今度はとめどなくなり「飲みすぎ食べすぎ、胃もたれ、吐き気、むかつき」のような状態になる恐怖と戦っています。

そんな状態にも「慣れ」や「受容」が働くのかもしれませんが、私にはまだ辛い毎日です。
しかしこういうときだからこそ、コミュニケーションの良し悪しが色々と見えてきます。

そのポイントは「わかりやすさが信頼感」です。

ツイッターやフェイスブックのスピード、連結(関係構築)力、情報参照能力には計り知れないものを感じます。
ブログは続けていきますが、やはり「違うもの、違う用途」なのでしょう。

さまざまなツイッターをフォローしていますが、そういう意味で「わかりやすさが信頼感」を一番体現していると感じるのは

「アメリカ第7艦隊 @US7thFlt」

です。
横須賀に前方配備された旗艦ブルーリッジ艦上に司令部を置く、アメリカ最大の前方展開艦隊「アメリカ第7艦隊」。こちらのツイッターはとても具体的でムダがありません。(しかも日本語です)

たとえば、

「艦載ヘリによる計17トンの支援物資の輸送は、24の異なる場所に対して行われ、さらに被災者のグループが孤立している場所16ヶ所が確認され、一両日中に支援物資を届ける予定。航空要員によれば、被災者の方々が特に必要としているのは、ガソリン、灯油、軽油とのこと。」

「第262海兵隊中型ヘリ飛行隊と第31海兵隊遠征部隊は、強襲揚陸艦エセックスから2機のCH-46ヘリで宮古市に毛布や飲料水を含む人道支援物資を届けました。ヘリのパイロットは、宮古から大船渡にかけての被害を受けた海岸線200マイルの航空測量を行いました。 」

最後は
「以上、3月21日の時点での支援状況をお伝えしました。」

で結んでいます。


かつて工業デザイナーだったとき、上司は私に言いました。
「デザインは自分のセンスで訴えるものではない。相手のセンスに響くように訴えるものだ」
「すなわち”良いデザイン”とは”良いこと”をきちんと”良く伝える”ことで初めて”受け入れら
れる(=売れる)も”の、それを指すのだ」

また別のデザイナーからは「良いデザインはぎりぎりのところでひとつ考える余白を残している。ダメなデザインはディテールがひとつ多い」
と聞きました。

企業のソーシャルメディア活用でご相談をいただくことがありますが、皆さんソーシャルメディアというと、フランクな会話でウェットな関係構築を目指すものなのかと考え、またその裏腹である炎上のような事象に神経質になり過ぎている場合が多いように感じています。

このように大きな災害時だとなおさらですが、良いコミュニケーションのポイントは必要十分にして具体的であること。そんなわかりやすさが信頼感、なのだとおもいます。

2011年03月14日(月)更新

3月16日「IABCジャ パンチャプター説明会」中止順延のお知らせ

いつもIABCジャパンチャプターへのご興味、ご支援ありがとうございます。
先週3月11日(金)、東北地方太平洋沖地震が発生いたしましたが、みなさま、ご家族、ご友人の方々におかれましてはご無事でしたでしょうか。

この地震によって亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
また、被災された方々やそのご家族の方々に心よりお見舞い申し上げ、現地の1日も早い復旧をお祈り申し上げます。

さて、このたび皆様より多数お申し込みいただいておりました3月16日の「IABCジャパンチャプター説明会」ですが、地震後の諸般の社会状況、交通状況を鑑み、順延させていただくことにいたしました。
改めて開催させていただく所存ではありますが、まだ予断を許さない状況ですので、追ってご連絡差し上げます。

なお、個別のご相談、ご対応は引き続き受けさせていただくつもりでございます。
メール、電話、ご訪問など、お気軽にお問い合わせください。

それでは、改めて地震災害からの一日も早い復旧を祈念しております。
皆様におかれましてもお気をつけてお過ごしください。

今後とも宜しくお願いいたします。

IABCジャパンチャプター
代表 雨宮 和弘

2011年03月10日(木)更新

IABCロシアチャプターVP、Ms.Julia Stonoginaさん来日

本日はIABCジャパンチャプターVP清水さんと、清水さんのオフィス(NEC)にて、IABCロシアチャプター・ヴァイスプレジデントのユーリア・ストノギナさんをお迎えしてお話を伺いました。

20110309julia

ユーリアさんはロシアのIABCのマネジメントに関わってすでに3年だそうです。ご自身のコミュニケーションコンサルティングファームをお持ちになる傍ら、日本企業のロシアへの産業誘致のサポートなどをされており、日本にももう何度も来ているかなり日本通の方でした。
今回は数ヶ月の滞在で東京の下町に居を構え、休日には書道などもたしなまれていると伺い、驚きました。

IABCは会員の半数が北米大陸にいるため、日本のみならず、ロシアにおいてもまだまだ認知や会員数もそれほど多くはないようです。ワールドカンファレンスが北米で行われることもあり、IABCとしてのトピックはどうしても北米中心になりがちですが、私自身が昨年アジアのカンファレンスに行ったときに感じたように、アジアーヨーロッパの中でのビジネスイシューに興味があるようにお見受けしました。

ユーリアさんご自身は日本の通商関連のリレーションを数多くお持ちなのでそのあたりを活かしながら次回の来日の際に日本でのイベント(パネルディスカッションなど)を開催して両国間のビジネス・コミュニケーションの話題で盛り上がれたら、と話が弾みました。

IABCの良いところ、面白いところはこのように出張のついでに各国チャプターのメンバーとの交流も気軽に行える、という点です。仕事がらみでないだけに、ホンネで語らえるのも貴重なことです。もちろんワールドカンファレンスに行ってもそうですが、世界のさまざまな国に出かけていっても「You are not alone」だったらとても心強いことですね。

2011年03月09日(水)更新

「Eメールの氾濫」の解決方法--CW Bulletin

私が参加しているIABC(International Association of Business Communicators)のサイトの記事に興味深いものがありました。

要約を作ってみました。

「Eメールの氾濫」の解決方法--CW Bulletin

情報の氾濫ならぬ、「Eメールの氾濫」で困っているビジネスパーソンは多いのでは?2011年3月号のCW Bulletinでは、米国で小規模なビジネスオーナーに対し主に情報の整理に関するコンサルティングなどを行っているパークハースト氏が、途切れることなく受信フォルダに届くEメールの対処と通常業務の両立について次の6つのアドバイスを述べています。
1.まず自分から送信するメールの数を減らす
面と向かったコミュニケーションや電話でたまには伝えてみる。

2.周囲からの要求のインプット作業ではなく、自身の「アウトプット」作業に重点を置く
緊急な返事を要するメールでないのならば、まず自分から発信する必要のある用件を先に済ませる。

3.メールチェックの回数を減らす
5分ごとにメールボックスを確認するのではなく、メールアカウントの設定を変更し、自動送受信機能を30分ごとにするなどすれば、メールの見落としもなく、業務の中断も減る。また、周囲の人にも緊急な用事は直接口頭で、また電話で連絡してもらうよう一言頼むと良い。

4.古くなったメールはごみ箱へ
不要なメールまで溜め込んでおく必要も無い。また即答のできるメール、少し時間が必要なメールなどフォルダー分けして対応していく。

5.メールマガジンの登録を解除してみる
以前は必要だったけれど今はあまり自分に関係が無いテーマなどのメールマガジンは、もし必要ならば再登録すれば済むことなので、解除してみる。そして、今まで知り会った人全員分のメールアドレスをいつまでも保存しておく必要は無いので、特に関わりの無い人のアドレスは思い切って削除する。

6.部署のリーダーなどに全体としての対策を相談してみる
自分だけにとどまらず、例えば部署全体がEメールに追われているような雰囲気があれば、上司に対応策のアイデアを相談してみると良い。金曜日はNOメールデイ、毎日16時以降はメールボックスを見なくて良い、メール以外のコミュニケーション手段を推奨する、など。

記事の原文はこちらです。

コミュニケーションルールがあいまい、または未規定な企業は意外に少なくないようです。しかしこれらが従業員の生産性に大きな影響をおよぼしていることは間違いありません。一番最悪なのはパソコンに向かっていると仕事をしているように見える点です。

このような点に特化した社会人の生産性向上(Eコミュニケーション+会議体+時間管理)のセミナーを行ったことも何度かありますが、簡単に習慣化、導入が可能で「もっと早く聞きたかった」と言うお言葉をいただいたこともあります。
ご興味のある企業、団体のかたはお気軽にお問い合わせください
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