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2006年08月17日(木)更新

グループマッピング

一昨日行った「グループマッピング」ですが、「いったいどういう
ものなんだ?」というお問い合わせがいくつかあったので、もう
少しお話します。

例えば、最初にテーマを決めます。
たとえば

「会議が長く、何も決まらず、生産的ではない」

というトピックに対し、

まず、参加者全員が(黄色い)ポストイットを使い、テーマに関する
様々な思いやアイディア、原因、など、ランダムに思いつくまま
一枚に1トピック書いていきます。

10分ぐらい集中すると、数10枚は書けるでしょう。

今度はチーム全員で、ホワイトボードに全てのポストイットを貼り
出してみます。

そうすると似たような意見をグループ分けすることが出来ます。
誰かがリードしてやるのではなく、みんなで話し合いながらソート
してきます。
同じだからといって決して重ねたり捨てたりしてはいけません。
また、解釈がわからないものは書いた人に聞いてもいいでしょう。

全体を眺め、それらの関連からまた思いついたアイディアを書き足し、
隙間を埋めていきます。

まず、この段階でみんなで一度読みあわせをして全体にどんな
意見があるかを把握します。

次にグループごとに順番、あるいは流れを作り、ひとつのストーリ
ーのように追えるようにします(位置を変えてもいいでしょう・ポスト
イットはこれが自由に出来るのがいいのです)。

今度は、また個別に(もしくは皆で話しながら)、どのような対策が
考えられるか、違う色のポストイットでその周りに貼っていきます。

このプロセスまで、最初は1時間ぐらい。慣れると30分ぐらいで
まとめることが出来ます。

最近はデジタルカメラも解像度が良いので、撮影しておけばあとで
議事録としてまとめるときも極めて簡単です。
(わたしは写真をパワーポイントに貼り込んで、その上から文字を
書いてまとめ上げてしまいます)

実際にはグループの中に声の大きい人や上下関係もあるので、
やりにくく感じることも少なくないようです。
最初は第3者のファシリテーターがいるととても民主的にスムーズ
に行きます。

色々な事例に適応できますのでぜひ試してみてください。
サポートが必要な際はぜひお気軽に声を掛けてください(笑)。

2006年08月16日(水)更新

大成功!「短時間で成果を出す発想法」 セミナー

昨日は自社会議室に11名もの方が集まってくださり、2時間半、
充実のセミナーが出来ました。

参加してくださった皆さん、本当にどうもありがとうございました。

昨年暮れに大家さんから「隣の部屋が空くけど借り増ししない?」
といわれ、会社にとっては贅沢で大きな投資だったのですが、
落ち着いてお客様を呼べる空間(部屋)をもてるのは大切だと思い
無理して借りました。

その頃から、せっかくこれだけの部屋なんだから、自社主催でちい
さなセミナーを開催できたら、と考えていたのですが、結局春の
予定が夏になってしまいました。

今回は初めてということで要領が悪いところもありましたが、皆さ
んのご協力でなんとかうまくやることが出来ました。
今回のテーマはマッピングですが、基本的にはトニーブザンさんの
ものに抵触することはやるつもりはありませんでした。
どちらかというとポストイットを利用したオリジナルなグループマッ
ピングです。

たった30分ぐらいでも5~6人ぐらいのメンバーの英知を絞り出し、
短時間に考えをまとめることが可能だということが実体験してもら
えたと思います。

このツールは、組織間の考えをかなりオープンにしてしまうので
一般的に上長の方には多少の覚悟は必要になりますが、一度
メンバーがメソッドを共有すると意思決定のスピードは加速します。

現実の組織には上下の関係や単純に仕切りたがる人や声の大
きい人、というのもいます。積極性という意味では歓迎されるメン
バーでも、全ての意見を一度客観視する、という点ではかえって
フィルターになり、いつも同じ方向に考えが偏る、という弊害も
でる場合があります。

今回も

「私はどっちかっていうと”会議で積極的に話せない”タイプなの
で、正直今回も、結局私の意見を何も出すことが出来ぬまま終
わるのでは・・・?という懸念を抱いていました。
しかし!このやり方だと、私みたいなタイプの人でも、非常に意
見をだしやすいですよね。
たとえば会議とかはひとつの目標に向かってアイデアを出し合
うものだから、少数派や今まで意見を言えなかった人の意見を引
き出すのに非常に良いツールだと感じました。」

という意見をいただきました。

今後も反応がよければ何度か続けてもいいかな、と思っています。
もちろん企業に出張して実地にセミナーを行うことも可能ですので、
ご興味ある方はぜひお問合わせください。

2006年08月15日(火)更新

谷岡ヤスジは日本のマチスか?

知人に超有名なまんが家の先生がいます。
彼は高校出てすぐにプロデビュー、すでに四半世紀、第1線にいます。
色々な時期を乗り越えたにせよ、変わらずに活躍していることはすごい
ことです。

今日の話はこの方とは違うのですが、私たちの世代(40代半ば)だと、
小学生の時代に一大ショックを与えた漫画家がいます。

谷岡ヤスジさんです。
約7年前に急逝されたときは残念でたまりませんでした。ちょうど80年代
後半に、彼の旧作が世の中から消えた時期があったので、そのころセコ
セコ集めていた自分としては、亡くなってから、また作品を目にするように
なったのは本当に皮肉なものでした。
小学校時代の彼の登場感は、まさにセックスピストルズよりも10年早い
パンクそのもので、みごとに少年漫画の既成概念をぶち壊すパワーに
満ち溢れていました。

しかし、私自身が「谷岡さんは本当にすごい!」と実感したのはちょうど
私が美大に通っている頃に、偶然夜中に見たイレブンピーエム(11PM)
という番組でした。スタジオいっぱいに敷き詰められた大きな紙に、2
メートル近い大きな筆でムジ鳥を描く、というものでした。
俯瞰で見ていないのに、ほとんど一筆書きで一切パースの狂いのない
ムジ鳥を描くや、最後にバケツに残った墨汁を鼻のあたりからぶちまけ、
「鼻血ブーッ」。

一昨年だったか、近所の川崎市市民ミュージアムで大掛かりな回顧展が
あり、数多くの原画やスケジュール帖、スケッチなどを見ることが出来まし
た。
あまりにもパンクなアウトプットとは裏腹に、大変几帳面なスケジュール管
理や繊細なスケッチなどを見るにつけ、またまた「なるほど」と感動したも
のです。

描写そのものよりも、線の勢いがストーリーを作る、といった感じです。

その、

「一見テキトーに描いているようでいて計算しつくされている」

という素描は、マチスのクロッキーをほうふつとさせるものがありました。

「まねできそうなんだけど、絶対に出来ない」

ゆるぎないもの。

そうおもうとまた、いとおしく遺作を手に取りたくなってしまいます。

2006年08月14日(月)更新

一緒に仕事をしてみませんか?

10数年前、私は外資系企業で工業デザイナーをしていました。ノートPCや電卓の外観設計意匠です。しかし何度も本社に出張に行って気がついたことは、自分の所属するデザイン部の上層が「コーポレート・コミュニケーション」という部門で、トップがシニアヴァイスプレジデント(上席副社長)だ、ということでした。
いったい、何をしているのかというと、部門やメディア、ツールを飛び越え、企業が目指すもの、そのビジョンやメッセージを如何に効果的に伝播させていくか、を考えているのでした。そのためにはリエンジニアリングをはじめとする様々なビジネスプロセス改善手法も取りいれました。
表現技術としてのデザインを仕事としていて、もうひとつビジネスに説得力を持たせるものを求めていた自身にとって「これだ!」という思いが強く、これを機に広報部に転部願いをだし、PRマネージャーをやりながらコーポレートコミュニケーションを行う許しを得ました。
(今日はちょっと長いです。)
なにしろ、自社はおろか、日本ではまだまだこのようなコーポレートコミュニケーションの価値は認知されているところが少なかったものですから、自分にとっては挑戦し甲斐のある仕事だと思いました。
まずは社内理解を得ることに勤め、広報をはじめ、人事、総務、マーケティング、社長室に到るまで、「どんな貢献が出来るか」と説いてまわりました。
今まで外注業者に丸投げで作成していた会社案内や展示会のブース、あるいはシッピングカートンのロゴシステムに到るまで、私が一肌脱ぐことで、総予算は3分の1程度は軽減され、最終的にはプレゼンの機会ごとに社長から役員室のフロアの喫煙室に呼び出され、アドヴァイスを差し上げるようになりました。
インターネットの商用利用が開示されたのはこの職について2年目のことでした。本社に先駆けること半年、日本で初めての人材採用WEBサイトをフライングで立ち上げ、それが縁で本社のネット立ち上げのメンバーにも選ばれました。そこで行われていたWEBサイトマネージメントの手法は、まさにコーポレートコミュニケーションの教科書どおりのことでした。本社の立ち上げのあと、日本支社のWEBの立ち上げのときも同様の方法で行いました。これはその後転職した外資系企業でも、ほぼ同様のプロセスだったこともあり、「企業のネット活用の一つの雛形」なんだと確信しました。

今から約10年前(1996年当時)、縁があって独立させていただいたとき、自分がやりたかったことは、まさに「日本の企業にコーポレートコミュニケーションの考え方を根付かせ、コミュニケーション・プロフェッショナルの人材を排出し、認めてもらうこと」でした。しかも、インターネットは注目されていましたので、企業がコーポレートコミュニケションを考える良い契機になるだろうと考えたのです。
しかし、当時からかなり大企業のクライアントに恵まれていた私でさえ「雨宮さんさあ、あなたが企業のビジネスや広報コミュニケーションのことを良く理解してくれているから仕事をお願いしているんで、理屈は良いからかっこいいホームページを早く作ってよ」とよく言われました。
ギャップは感じたものの、当時はそのままお仕事させていただくことが少なくありませんでした。しかし企業も何回かのフェイスリフトを行い、単にそれだけでは目先の変化しか生まないことに気がつき始めたようです。また、インターネットに関わる技術や表現が高度化するにつれ、自社側で考えなければいけないこと(予算管理や目標設定、部門管理、メッセージなど)への立ち遅れに気がつき始めたようです。
2000年ごろでしたでしょうか?米国から大挙して押し寄せたSIPS(戦略的インターネットプロフェッショナルサービス)のビジネスモデルを読み込んでいたとき、こういうやり方が本当で、これで自分も含めた大半のWEBに関わるインテグレーターは淘汰されるな、と感じました。しかしほとんどのSIPSが1年足らずで退散した理由は、日本におけるコーポレートコミュニケーションの未整備状態(顧客教育の余地が大きすぎること)にあります。効率を重んじた彼らが手を着けたがらなかったこと、自分がやろうとしてたことはまさにコーポレートコミュニケーションの人材育成ですから、皮肉なものです。

そう思いながら仕事を続けていると、2年ほど前ぐらいから、お問い合わせをいただく仕事の種類が変わってきました。
単に「WEBサイトのリニューアルをしたい」から「今どのような状況なのか?」「まず何を考えるべきか?」「適切なプロジェクトの規模やツールはどんなものか?」など、客観的に自分たちの置かれている立場を客観評価から理解し、コミュニケーションの目的を明確にし、組織や管理の問題をクリアにしてからスタートしたい、というものです。
これは、この2年で、私自身の講演やセミナーの数が激増していることからもわかります。
、時には「今は制作するのはやめよう」という結論に達することもありますし、制作コンペには参加せず、コンペ評価のサポートをしてほしい、といわれることも増えてきました。(弊社は独立系で特定のWEBインテグレーターやツールベンダーとの関係はありません)
現実には長年のお付き合いで制作を行い、更新管理や新規制作提案を行っているお客様もいます。もちろんそうなれば出来るだけWEB標準に添った正しく高効率な制作を心がけています。しかし、元々やりたかったこと、すなわち「オンラインを通じたコーポレートコミュニケーションの実現と人材育成」により集中するため、制作サイドから調査、企画、教育、コンサルテーションに特化して行きたいと考えています。
また、そのために先進している米国のコーポレートコミュニケーションの団体とも連携を取り、事例やノウハウのダウンロードにも勤めて行きたいと考えています。

そこで人材募集。
いったい私に何が出来るの?という状況が前提だと思っています。
もちろん広義には勉強も必要ですが、基本的には企業広報など、企業に関わるコミュニケーションに関わっていた方であれば大丈夫だと思います。WEBの知識も、起きている「こと」への興味があれば追求できるものです。
まだまだ日本では認知も少ない「コーポレートコミュニケーション」。
しかし、企業WEBのあり方を通してこれを考え、そのプロフェッショナル人材を育成することは、企業のビジネスの復興のための一つの起爆剤になることは間違いありません。
現在、大手一流企業から解決を求める数多くの案件が弊社に届いています。
一緒に創業するつもりで働いてくれる仲間を募集しています。

年齢性別は不問です。
様々なバックグラウンドを持った方からの応募をお待ちしています。
応募はメールでもサイトからでも自由です。

2006年08月11日(金)更新

IRの鉄人

お仕事でお世話になっている会社に「大和インベスターリレーションズ」
という会社があります。

ご縁は、6年ほど前にこの会社のホームページのリニューアルおよび
年間更新保守管理をご相談されたことです。

ただ、IRに関する(しかも感じ企業である他社の)数字を頻繁に扱う業務
で、少人数の弊社で、何か数字を間違えたらとても終える責任の範囲を
越えるのは想像にむずかしくなく、そこでこんな提案をしました。

「もし、社内でワード感覚でインプット業務を出来る方がいらっしゃれば、
業者に指定原稿を作る手間で自社更新できるシステムを作ることもでき
ますよ」

いわゆるCMS(コンテンツマネジメントシステム)です。
当時は現在のような手軽なパッケージがなかったので、すべてカスタムで
組みました。

そのとき、ミーティングに参加していたある部長さんが、

「雨宮さん、そのシステムが出来るなら、俺にも砂場をひとつ用意してくれ
ないか?」

とおっしゃるのです。
どういうことかと訪ねると、

コラムを持って自身で情報発信したい

という事なのです。
私は、

「お言葉ですが、コラムなどをもたれるとその掲載間隔(毎日とか毎週とか)
でみる人の期待値が発生するので、忙しいからやめた、とか、今週は休み
ということは逆に御社のブランドに傷をつけますよ。また、会社としての公
的な場ですから、広報かどなたかに事前チェックを入れていただいたほうが
よろしいかと思います。」

と申し上げました。
すると、

「俺を誰だと思っているんだ」(笑)

とお返事いただきました。

この方が米山徹幸さんでした。

この大和IRの「IRの話題」、米山さんの歯に衣を着せぬシャープな論説で
5年間、毎週続いています!
本当に面白く拝読しています。

http://www.daiwair.co.jp/topics.cgi


まだシステム上RSSフィードがないのが残念ですが、広報やIRに関わる方は
一度見ていただくと面白いと思います。
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