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2007年05月23日(水)更新

ニッサン・スカイライン試乗記

忘れられない、愛車への思い(3代話):その1
忘れられない、愛車への思い(3代話):その2

忘れられない、愛車への思い(3代話):その3
成功するコミュニケーションとは?(ニッサン・スカイライン試乗記・序章)
成功するコミュニケーションとは?(ニッサン・スカイライン試乗記・序章その2)

ずいぶんと前置きが長くなったが、いよいよ拝借したスカイラインで家族小旅行
だ。
朝方、若干小雨が残っていたが、天気予報は快方に向かうとのこと。

早起きして家族で荷物を積み込むことになったのだが、クルマに乗り込んでの
家族の最初の感想は、

「リアシートが広い」

というものだ。たしかにウチのコンパクトボルボと比較しても全長で24センチ長い
だけのことはある。(車幅はまったく同じ)

グランツーリズモといっても、スカイラインと名が付くと、どうしてもスポーツカー的
な印象が強く、後部シートは犠牲になっているもの、と思っていた。
全長の長さはリアシートだけでなく、トランクの大きさにも影響を与え荷物もどっさ
り詰め込める。また、結果的に燃料タンクも大きくなっている。80リットル入れば、
リッター平均10キロとすれば800キロ走れることになる。
まさにグランドツーリングカーだ。
自宅を出発して中央高速調布インターまでは約20分。京王線の踏切を越える
までは世田谷特有の細い道が続く。
車幅が同じと言うこともあるが、見切りもよく車幅がつかめずに怖い、ということも
なかった。
調布インターは渋滞もなく、借りている車だからという慎重な気持ちがあるものの、
本車線に入るとき、ちょっと踏み込んでみた。

加速時の安心感。

これがスカイラインの魅力だ。

昔、バイクに乗っているとき、母親は「大きなバイクはスピードが出るので危険」
とよく言っていた。

これには誤解が含まれていて、車重が軽いのにスピードの出る原付のほうがよ
っぽど危険で、余力がありブレーキ制動力の強い大型車は逆に相対的に安全と
言える。
50キロしか出ない原付で50キロで走っていて、何か危険があった場合、停まる
ことは安定感を失いとても恐怖だ。しかしそれしか選択支がない。
大型車は加速して回避することもできるし、自重がある分、制動も強力だ。
スカイラインに感じる安心感はそんな大型バイクに感じる余力と同様のものだ。

長坂インターまでの高速クルーズは快適そのもの。
家族もいるのでほとんど追い越し車線には出なかったが、ひとつ大きな異変に
気が付いた。
子供たちが「気持ち悪い」といわない(クルマ酔いしない)のだ。

やはり比べればボルボの足回りはふわふわしている。ちょっとしたピッチングや
ヨーイングも重なると気分の良いものではない。ボルボでは1時間も持たずに気
持ち悪い、といい始めるのだが、スカイラインでは2時間走っても子供はなんとも
言わない。
確かに足回りはピシッと決まっている感じがする。

ボルボで足回りだけをいじる趣味はないので、この動力性能、足回りでスポーツ
ワゴンができたら買い換えちゃうかも、と正直思った。

通常、足回りの味付けと言うのは、なかなかスペックに現れにくい定性値だ。
しかしそれなりにお金がかかるわけだから、どうしてもあるレベル以上の車格
のクルマにしかおごられないのではないだろうか。

今回スカイラインに乗って思ったことは、今度はティーダに試乗してみたい、という
ことだ。あのパッケージでスカイラインのような足回りがあったら、、、かなり魅力
を感じてしまう。

さて、長坂インターを降り、友人の家族と合流。買出しをしたのち、北杜市白州町
に向かう。
目的地のキャンプ場、「ヴィレッヂ白州」は街道から舗装されたワインディングロ
ードを7キロほど山側に入った、小さな池を取り囲むコテージで作られたキャンプ
場。
このワインディングでも、なれている友人の車はかなり飛ばす。私は初めての道
で慎重に走ろうと思うものの、付いていくためについついペースが上がる。
しかしスカイラインは体制を崩すことなく、ここでも家族はクルマ酔いを起こさなか
った。
http://homepage2.nifty.com/village_hakushu/

目的地に着くと急に視界が開ける。
そこはまさに夢のようなロケーションだった。
富士山の周辺にあるキャンプサイトはかなり回ったが、新しいこともあり、ここは
かなり魅力的だ。

skyline1
キャンプ場に到着したスカイライン

skyline2
ヴィレッジ白州。湖畔の船着場にはステージが。

skyline3
ヴィレッジ白州全景。

ヴィレッジ白州はテントの設営も可能だが、コテージは清潔でお風呂も水洗トイレ
も付いている。キッチンも野外のバーベキューグリルも使えて5人で1万5千円は
かなりリーズナブル!

しかしまた、なぜここに来たのか?それには理由がある。
実はこの週末、このキャンプ場で「俺たちのウッドストック」と題した音楽フェステ
ィバルが開かれたのだ。

湖畔に設置されたステージでは、すでにミュージシャンが熱演。周りのキャンプ
サイトでは皆がバーベキューをしながら音楽に興じているのだ。

聞けば主催者は何度過去のような野外コンサートを山梨県で開催していたのだ
が、夜になると周辺住民の苦情でパトカーが来ていたようだ。
しかしここなら問題はなさそうだ。
また、演奏者の大半が自分と同じウッドストック世代(おっさん)ということもあり、
音楽の種別的にもロケーションにあっていた。なんともピースフルだ。

翌日はすばらしい快晴に恵まれ、早起きしてハイキング。展望台までは子供と
歩いても30分。管理人には、「直下の階段まで車で上がれるよ」とも言われた
のだが、オイルパンを削ってもいけないので、歩いて上った。

skyline4
コテージの前で。

skyline5
展望台までは30分のハイキング。目の前には八ヶ岳

skyline6
展望台にて。振り向けば甲斐駒ケ岳が目の前に!

2日間にわたり、音楽とバーベキュー、そして自然にあふれた湖畔でたっぷり
遊べて子供たちも大満足。

今日は夜半までに車を返さないといけない、ということもあり、ちょっと早めに
キャンプ場を後に。
友人が「韮崎にとてもよい温泉があるので寄っていかないか」というので、ついて
行くことにした。

これがまたすごい!最近地方のファミリー温泉のようなところは、結構大規模で
岩盤浴からエステまで、至れり尽くせりのところが多いが、ここはもう本当に、お
風呂と休憩所。ザッツオールのシンプルさ!

しかし源泉かけ流し。入浴料は500円!
ちょっとぬる目のお湯なのだが、でたあとの体の温まりようがもう半端じゃない。

金曜日からかなりどたばたしたが、本当に疲れが吹き飛んだ。

skyline7
帰りに寄った温泉「韮崎旭温泉」
http://www.hikyou.jp/yamanasi/nirasaki/nirasakiasahi.htm

このあと甲府から中央高速に乗り、帰路についた。

東京に戻るまで全行程で400キロ。使ったガソリンがメーターで半分。ちょうど
40リッター。ということは平均燃費は10キロ。これは優秀だ。

昔持っていたスカイライン=若者向けのスポーツカーという印象はみごとに消し
飛んだ。
正直、ボルボの車検で借りたレガシーのほうがインテリアの雰囲気やエンジン
の味付けが「男の子向け」という感じがした。
今度のスカイラインは50年の歴史とともに培ってきた熟成と進化の結果なのだ
ろう。

家族を下ろした後、用賀から首都高にあがり、一気に東京八重洲まで。
ひとりの気軽さか、最後にちょっとだけメリハリの効いた運転をしてみる。

実用性も高く、ロングドライブでも疲れない。そして踏み込めばしっかり応える。
今回は、今まであまり縁のなかったスカイラインと言うクルマにゆっくりと触れる
ことができ色々な発見があり、とても有意義だった。

私のように、クルマ選びに深いこだわりを持たない人間こそ、このような試乗の
機会をいただけるのは非常に貴重だ。
自動車に限らず、自己表現手段を持つユーザーにどんどん製品をレビューさせ
る企業はこれからきっと増えていくであろう。
メーカーとの交流で、ブロガー自身も単なる自己満足表現者から脱却することに
なるだろう。

このようなアクティビティーの積み重ねが、コミュニケーション文化を形成する
きっかけになると信じている。

また機会をいただければ(クルマメーカー以外でも)喜んで協力したい。

日産スカイラインブログ

2007年05月09日(水)更新

忘れられない、愛車への思い(3代話):その3

男の子なら動くもの、特に乗り物に興味を覚えるのは当たり前かもしれない。
自転車に明け暮れた中学、高校、そしてバイク一辺倒だった大学時代。

美大で工業デザインを志していた(実際はほとんど勉強せず、バイクの改造と
ロックバンドに精を出していた)私も就職活動時期を向かえ、やはり「乗り物」
のデザインがやりたい、と先輩が毎年入社している自動車会社の面接を受け
た。
夏休みに、横須賀にあるその会社に実技の面接を受けに行くと3時間で自転
車のパース(斜めから見た立体図)を実物を見ないで鉛筆デッサンせよ、とい
うものだった。
当然自転車少年だった自分には苦もない課題。1時間程度で仕上げ、途中で
見に来た部長さんも「あっ君、もう描けるの判ったからもう帰って良いよ、じゃあ
あとは秋に人事面接受けて、卒業制作がんばって春に会おうね」と事実上の
内定をくださった。
ところが秋の人事面接官はなにやら他人行儀。他の応募者と違い、私はすで
に内定が出ているから事務的なのかと思ったら、翌週とどいた通知はなんと、
「不採用」。
あわてて先輩に電話をすると「ああごめん。ウチの会社は興信所調査するんだ」
とのこと。ちょっとだけ(当人比)音の大きめなバイクで夜中にアパートの出入り
していたのだが、やはり近所の印象は良くなかったのだと反省。
教授にもこっぴどく叱られた。まあ、悔やんでも仕方がない。

教授からは、もう僕の推薦枠は残っていないので、そこに来ているDMの中で
受けたいところがあれば武士の情けでもう一度だけ推薦状は書いてあげる、と
言われ、手に取ったのが最初の会社、日本テキサス・インスツルメンツの募集
書類だった。

前回のことがあるので面接はとても緊張したが、結果はすぐに出て「採用」との
こと。

はたして年度が改まって晴れて入社した私に待ち構えていたもの、それは「試
練」だった。
この会社のデザイン室は、各社から有能な人を引き抜いて作られた、いわば「
レアル・マドリッド」のようなチームだったのだ。

そこにひょこっと、何も仕事ができない新卒が入ったものだから、まったく使えな
いわ、トレーニングするにしても基礎ができていない。
相当手を焼かせてしまったばかりか、私自身もあまりにも仕事ができないことを
実感し、軽い心身症になりかけた。(おかげでタバコが吸えなくなって禁煙の機
会になった)

このデザイン室では、主にアメリカ、ヨーロッパ向けの電卓や教育機器のデザイ
ンを行っていたのだが、なにせ形や色、インターフェイスへのこだわりが半端で
ない。
その秘密は何か?というと、私を採用してくれたデザイン室長(マネージャー)の
根岸秀孝さんが、元々いすゞのカーデザイナーで、初代ジェミニのデザイナーだ
ったのだ。これはいすゞとしてもはじめてのワールドコンセプトカープロジェクトで
それだけでなく根岸さんは当時いすゞから初めてアートセンター、GMに出向した
方だったのだ。

こんな方の下で仕事ができるのはとても光栄なことだったが、なにせディテール
が細かい。
当時よく言われたことは、
「どのようなデザインをしたら競合他社が真似するか考えよ」というものだった。
(要するにトレンドセッターになれということ)
設計図面の情報量はとても電卓のものとは思えず、色のダメ出しもしつこく、モ
デラーや量産工場泣かせだった。

私自身は周囲との実力差を認識しつつも、この会社で自分が役に立つために
どうあればよいのか、その解を見つけるのに10年近くかかった。
リストラが一般的な現代では考えられない。のんびりした時代に助けられた。
今、私がこうしてあるのは、ひとえに根岸さんをはじめとする先輩の「がまん」の
賜物だと思うと本当に頭が上がらない。

しかも、大学の同級生やデザイナーの集まりに参加すると、根岸さんの元で働い
ているというだけで、やたらと羨ましがられることが少なくなかった。
しかし当時の私にはその意味がいまいち理解できず、判明したのはかなり後に
なってから。
たとえば、私にさかのぼること10余年、根岸さんにあこがれて「いすゞ」のデザ
イン室に入ったのが、現ニッサン日産自動車常務執行役員でチーフクリエイティ
ブオフィサーの中村 史郎さんだったのだ。
彼もWEBで根岸さんとの邂逅について触れていた。

http://www.rikuryo.or.jp/home/people/shiro2.html

中村さんはニッサンのCMに出るなど、「ニッサンデザイン」の重要性を説いて
一躍有名になったが、「根岸チルドレン」として多少なりとも同じDNAが流れて
いるかと思うと本当に誇りに感じる。

ニッサンとの縁はこれにとどまらず、後日また不思議な形で結実した。

数年前、ある女性コミュニティサイトのプロデュースの仕事でニッサンデザイン部
を訪問する機会をいただいた。
厳重なセキュリティを幾重にも通過して、やっとお会いできたのは、ティアナの
プロダクトチーフデザイナー、中島敬さんだった。
http://www.ewoman.co.jp/kuruma/people/NakajimaTakashi/01.html

ワンボックスやRVが隆盛の中、ティアナはニッサンとしても久しぶりのセダン企
画。難しい注文ばかりの企画を、「ドライバーの居住空間から考え直す」というユ
ニークなアプローチで見事成功させた方なのだ。

インタビューでも「デザイナーの仕事そのものが変化し、とてつもなく広範に広が
ってきている」というコメントに、今でも強烈な印象を覚えている。

「日本のクルマは品質は良いけど感応性が低い」などとよく言われてきたが、この
10年で明らかに変化してきているのではないだろうか?
父の時代「特別なもの」だったクルマが「生活の一部」となったとき、何が求めら
れるのか?最近のニッサン車は企業の「顔」も見えるようになってきた。とりもなお
さず、「売れるクルマ」とは、その企業なりの「解」を持ったクルマなのだと思う。

来週の週末、いよいよ試乗の機会をいただく。
そんなことを考えながら、DNAの根っこがどこかにないか、探ってみるつもりだ。

2007年05月08日(火)更新

忘れられない、愛車への思い(3代話):その2

物心が付いた頃、というのはいつごろだろうか?
私の場合、それは3歳ごろ。間違いなく、ガレージの中だった。

とにかく「道具」が好きでなにやら道具がごちゃごちゃと置いてあって
油くさく薄暗い、実家のガレージが大好きだった。
祖父が昔工作機械系の商売をやっていたこともあり、米屋が配達で
使うような頑丈な自転車やらなにやら、いっぱいあったのだ。

兄はそこで戸板の下につかう滑車を端材の下にネジ止めし、スケート
ボードのようなものを自作していた。
それは近所でヒーローだったに違いない。憧れの兄だった。
兄が飽きた頃に遊ばせてもらって、とてもうれしかった。ある意味それが
私にとっては「初めて乗った4輪車」に違いはなかったのだ。
そんなわけで車庫ガキとなって最初に手に取ったお気に入りの工具は
底をペコペコ押すオイルディスペンサーと、プラスのねじ回しだった。
正直、幼稚園児の私にはこの2つがあれば何でもできるような気が
したのだ。

当時の車はテールランプやサイドマーカーなど、ほとんどの部品が
ビスで外付けだったので、「この2つで自動車はどこまで分解できる
のか」という野望を時々実現しそうになってはこっぴどく叱られたものだ。
(たいがい計画実行前に発覚し尻を叩かれた)

私が生まれた頃、祖父の商用車以外に初めて父が自分で買った
自家用車が初代のコロナ。そして私の意識にあるのが3年後に買い
換えた2代目のニューコロナ1500DXだ。
とてもスマートなデザインだったのを覚えている。

思えば家業とサラリーマンとしての仕事の板ばさみで、酒も飲まない
父の唯一の道楽がクルマだったのだろう。
このあと3代目を乗り継いだ後、コロナは急激にスポーツ志向になった。
ハードトップ、イーグルマスクと家のクルマも替わっていった。
思えば(クルマに関しては)ずっとコロナかマークII一辺倒で、あまり
浮気をしない父だったようだ。

http://blog.so-net.ne.jp/hide-g/2005-10-30-1

当時はまだ道もそんなに渋滞しなかったせいか、横浜の実家から「ド
ライブ」と称してよく大磯のロングビーチ(これも出来たて)に連れて行
ってもらった。
助手席を得た私は3角窓を開けて風の具合を操作するのが好きだった
のを強烈に覚えている。

父は高度成長期を生きた人なのでまさに典型的、「いつかはクラウン」
を地で行ったカーライフだ。
今は年でさすがに運転はあきらめたが、20数年前に私が大学を卒業
するころ、「そろそろ同居する兄の子供など、家族も増えたしワゴンか
ワンボックスにしないか?」
と相談したところ、

「ワゴンみたいな形のクルマでゴルフ場に行くのは恥ずかしい」
という答が帰ってきた。
結果、いまでも白いクラウンが実家の車庫に居座っている。

そんなわけで私自身は生い立ちから自分の現在に至るまで「スポーツ
カー」と呼ばれる類の車にまったく縁がないのだ。

「スポーツ(という名のスリル)」は、ほとんど20代・30代で乗り継いだ
数台のオートバイでやりきった。(決して暴○族ではありません)
そういう意味ではクルマにそれを引き継がなかったのは奇跡的だが、
ちょうど転職、独立、出産と言う不安定な時期にこれ以上リスクを増や
すことは出来なかったという事情もあってクルマは家内優先にしたのだ。

今でも、正直なことを言えばもう一度バイクに乗りたい、いや、乗る具体
的なイメージは出来ているのだが、クルマに関してはスポーツカーの原
体験を持っていない自分にとって「スポーツカーに乗りたい」というイメー
ジがいまいち湧かない、というのが現実なのだ。

さて今回、スカイライン試乗の機会は、そんなわけでまさに千載一遇の
機会。
これによってどんなイメージが自分の中に湧くのかが楽しみだ。

ボルボやコロナの話ばかりでニッサンの話題がないのは、いかがなもの
か?
いやいや、実はこれについても奇異な経験があるのでその話はまた明日。

2007年05月07日(月)更新

忘れられない、愛車への思い(3代話):その1

忘れられない、愛車への思い(3代話):その1

自分の車を持ったのは30半ば。本社がつくばにある会社に転職し
たころだ。私自身は東京勤務だったが上司がつくばにいるため、週
に1、2回は早朝につくばまで車で通勤していた。

中古車を乗り継いで家族を持って新車、という人も多いだろうが、私
はそれまでずっと2輪に乗っていたため、自動車に対してはすこし斜
に構えたところがあった。

バイクは思いっきり趣味に走ったが車で同じことをするつもりはなか
った。しかし、あまり一般的な車はイヤ。しかも手のかかる欧州美女
のような車もマッシブなアメリカ車もちょっと。しかも住んでいるところ
は一方通行や細い路地の多い世田谷のはずれ。。さらに平日メイン
に使うのは免許取立ての家内。

こんな状況で初めて選んだのは初期型のオペルヴィータハッチバッ
クだった。

http://kuruma-guide.jp/vita/1995/index.html
コンパクトでありながら剛性の高いボディ。それは度重なるつくば往
復で常磐道を高速走行しながら実感した。

右ハンドル化の影響でペダルレイアウトが悪かったり、アクセルのレ
スポンスが悪いなどの弊害もあったが、総じて満足度は高かった。

日本の小型車は、「こんなところにも小物入れ」というような「痒いとこ
ろに手が届く」アイディアは秀逸だが、ヨーロッパの小型車は基本的
なところが良くできている。
たとえばヴィータはリアシートの下に燃料タンクを持ってきているため、
リアシートが少し高め。その結果着座姿勢がたち気味だがその分頭
上空間があるため狭さを感じないのだ。
しかも重量バランスが中央に集まり、安定性も良い。
ただ、当然ベビーシートの位置の高目となるため、成長した子供の足
が運転席のヘッドレストを蹴るという状況になり、「そろそろかな」とい
う判断で5年乗って下取りに出した。

子供ができたので荷物が増え、次の車も当然ハッチかワゴンとなった。
家内が優先的に使うことを考えると、やはりあまりアグレッシブな車は
NG。
選考対象になったのは
1.フォード・フォーカス
2.オペル・アストラワゴン
3.スバル・レガシィ
4.ニッサン・ステージア
5.ボルボV40

あたりだった。

パッケージ的にはフォーカスに惹かれるものがあったのだが、いかん
せん内装が個性的過ぎて受け入れがたかった。
レガシィもパッケージは使いやすそうだったのだが、内装とエンジンの
味付けが「男の子の世界」が強すぎる。

結局、試乗してエンジンフィーリングが一番穏やかだったボルボに決
定。もうひとつの理由はバックヴューのデザインが優れていたことだっ
た。
http://catalogue.carview.co.jp/VOLVO/V40/2002/overview.asp

ボルボと言うと「安全神話」で、構造的にもたしかにぶっといドアサイド
ビームが入っていたりするのだが、「運転していてあまり飛ばす気に
ならない」というのが安全に寄与する最大の理由ではないだろうか?

初代のヴィータに対し、車格も大きくなったのだが、見切りが良いせい
か家内もボディをこすることがほとんどなくなった。
ちょうど3年乗った頃、全面的なモデルチェンジがあり、ディーラーの勧
めで現在のV50に乗り継いだ。
http://www.kunisawa.net/kuni/menu/kokusan/other/volvov50/volvov50.html


エンジンが上のクラスのV70と同じ2.4、しかし車体は新設計で軽い。
家族も一人増えたが、ぴったりサイズで重宝している。

わたしの周りには、ロータスヨーロッパやスーパーセブン、アルファの
ジュニアザガート、など、個性的な車を乗り回す友人が多いので、到
底エンスーな話では叶わないが、今回、ニッサンさんとのご縁で新型
のスカイラインの試乗の機会をいただいたので、車への思いを語って
みた。
今回は私自身の思い。次回は父の思い。そして3回目はニッサンへの
思いを語って試乗につなげてみたいと思う。

2006年06月30日(金)更新

常識を超える一品

ここ数年、本や服、CDなど、「心の栄養」として(笑)必要なもの以外、
あまりモノを買わなくなりました。
まだ子供が小さいので、そっちにまわってしまう、というのもあるので
すが、、、。

今日、ご紹介するのはヘッドフォンです。(なんだかテレビ通販みたい)
でも、ただのヘッドフォンではありません。
スピーカーやオーディオで有名なアメリカのBOSE社の
「QuietConfort2」というヘッドフォンです。

このヘッドフォンはアクティブな回路がヘッドフォンの中に入っていて、
外部の雑音(ノイズ)と正反対の位相の音を生成することによって雑
音をかなりの割合で消すことができるのです。

たとえば、通勤で音楽を聴くとき、どうしても外部の雑音が大きいので
それを上回る音量で聞かなければならず、それがシャカシャカ外に漏
れるのも迷惑ですし、耳が疲れる。

このヘッドフォンで聴くと、雑音が消されるので小さめの音で聴けるの
と、今まで雑音で聴く事ができなかった些細な音がはっきりと聴こえて
きます。これは感動です。

また、音楽を掛けず、シールドをはずしてヘッドフォンだけにすることも
でき、新幹線や飛行機の中で、静かに集中して本を読みたいときとか
考え事をしたいとき、休みたいときなど、重宝します。

「外の音が何も聞こえなくなると、乗り過ごしたり逆に不便ではない
か?」と思われるかもしれませんが、一定に発生する波形をノイズと
してそれだけ消すようにできているので、例えば人の会話とかアナウ
ンスなどはヘッドフォンをしたままのほうがよりはっきり聞こえるのです。

面白いのは、地下鉄や飛行機の中で、おしゃべりをしている人の声は
普段は雑音に消されて聞こえませんが、このヘッドフォンをすると、逆
にはっきり聞き取れるようになってしまうのです。(危険!?)


米国ではよりパッドの小さい新機種が発表されたようですが、現行の
この機種の人気は衰えないと思います。

私が買ったのは4年前。主に使うのは出張のとき、飛行機や新幹線の
中などですが、これをしていると疲れ方が違います。
もう、本当に手放せなくなりました。
満足度のかなり高い買い物でした。

ヘッドフォンだと思うと、ちょっと高いと思われますが、その効用を知ると
認識が変わります。

また、直営店とWEBでしか売らない、というのもポイントですが、この
話をしてオフィスで試した数人の友人は早速買いました。


オススメです!
http://www.bose-export.com/products/qc2/index.html

2006年04月25日(火)更新

クリエイティビティとクラフトマンシップ

私自身が、元々工業デザイナーであるせいか、「ものづくり」の思いに触れると
どうにも冷静でいられなくなってしまい、それは、つい「散財」という形につなが
ります。

そもそも、ジュエリーやアクセサリーにそんなに興味が深いわけではないので
すが、アクセサリー界で異彩を放つ私のお気に入りの2つの会社をご紹介しま
す。
ニーシング
http://www.ginza-tenshodo.com/jp/nissing/index.html
http://niessing.kashikey.co.jp/

ドイツのニーシング社は違う組成の金属を合わせてひとつのリングを作ったり
するのが得意な会社でした。
しかし彼らを有名にしたのは「テンションリング」という、台座がなく、両側から
ただダイヤモンドなどの石を挟んでいるだけのリングです。
これは純度の高い金属と、設計精度がないとできないものです。

「アクロバット」などは、実際どうなっているの?といいたくなる状態で石が「ひ
っかかっている」セッティングです。

とにかくアイディアにあふれ、いつも驚かされます。
男性にも楽しめるデザインが多いので、ぜひ実物を見てみてください。
私はエンゲージリング、マリッジリング、両方ここでそろえたのですが、家内は
それ以降もカジュアルなシリーズのコレクションを続けています(させられてい
ます・笑)。
ショールームが会社のそばにあるというのも、私にとっては最悪です。


AROS
http://www.aros.jp/

AROSは若いブランドですが、やはり創業者が金属オタクで、ジュラルミンと
チタン、ジュラルミンと銀など、違う組成のリングを組み合わせています。
ここも鋳型成型のリングはやっていません。全てインゴット(金属塊)からの削
りだしです。

マリッジ用にはカスタムも色々やっているのでアイディアが豊富です。
ニーシングに対する日本からの回答、という感じですが、値段も結構安めのも
のから取り揃えているので、気軽に手にとることができます。
こちらも表参道ヒルズの裏手で、結構近所なので困っています。

というわけで、私は、両手にそれぞれひとつずつ、両社のリングをしているの
ですが、アイディアに詰まったり、チャレンジに胸が震えるときに手元を見て
彼らのクリエイティビティを感じ、勇気をもらっています。

会社概要

1999年2月創業。 ビジネスにおけるインターネット活用経験は日本のインターネットの発展の変遷とほぼ同期しており、豊富な経験を有する。 主宰者は企業広報から自己啓発でWEBマスターになった経験から、今後オンラインを中心とした企業コミュニケーションが重要になるとの思いで独立、創業した。...

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個人プロフィール

美術大学デザイン科を卒業後、12年間工業デザイナーを勤める。当時勤めていた外資系メーカーで本社出張を重ねるうち、本社の親組織で行っている「コーポレートコミュニケーション」の役割と重要性に魅了され、セルフリストラして広報部に社内転職。自ら部門を超越した「コーポレートコミュニケーション」を実践する...

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