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2010年08月11日(水)更新

「コミュニケーションのプロフェッショナル」ってなんだろう?

NHKで放送していたプロフェッショナル仕事の流儀が好きでした。
特に印象に残っているのは建築家の中村好文さんの回です。

以前、ブログにも書きましたが、

「プロフェッショナルというのは、或る特定の仕事を選んだ人じゃな
くて、ある特定の職業から選ばれた人のことを言うんだと思うように
なりました」

という言葉が忘れられません。

books

「コミュニケーションのプロフェッショナル」ってなんだろう?
と突き詰めてみると、アウトプット(出力物)ではなく、アウトカム
(成果)に責任を持てる人、もしくはそんな活動を指すのだと思いま
す。

中村さんは

「どんな家が欲しいのか、実は依頼者自身はわかっていない」

とも言います。
すなわち相手を理解して理解して、理解し尽くして初めて「成果」が
引き出されていくのでしょう。そして成果は相手が認めてくれるもの
です。


業務変革の激しい時代にまだまだ広報のキャリアモデルが確立できな
いのも、ネットのような新しいメディアをどう活用すれば良いのか、
みいだせないのも、自分の仕事の意識がプロ足りえていない、仕事を
する相手の要求値を自分で計りえないから成果が出せない=認められ
ないのです。

先日たまたまツイッターで気になるエントリーを見つけました。

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@_ken5_
表現 or Dieって書かれてる宣伝会議さんのポスター見てて思うこと。
or Dieの覚悟で臨まなければならないのは芸術家であって商業クリエ
イターではないはず。
こういう発想が広告に関わるクリエイターに"自分はアーティストだか
ら特別な人種なの"的な勘違いを生むんでしょ。

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お世話になっている宣伝会議さんではありますが、これは同感です。

2010年07月23日(金)更新

ウェーバー・シャンドウィック調査~外国メディアの4割強が日本企業の広報に不満  

ウェーバー・シャンドウィック・ワールドワイド株式会社のサイトに
「外国メディアの4割強が日本企業の広報に不満」
というリリースが掲載されていました。

日本企業のコミュニケーション能力、特にグローバルコミュニケーシ
ョンに対するボトルネックが浮き彫りにされています。
ぜひご参照ください。
http://japan.webershandwick.com/jp/company_release_20100511.html

私は企業や団体のウェブサイトの活用やそれにともなうコミュニケー
ションモデルの確立や、担当者のサポートを行っていますが、多くの
企業の英語サイトやグローバルサイトはアニュアルレポートや英語の
会社概要を写しただけで、そこからコミュニケーションが可能な匂い
がほとんどしません。
これではリリースを英訳してワイヤで流してみたものの、反応がない
のは当たり前です。

多くの企業がビジネス(売り上げやマーケット)の国外シフトを進め
ている現状を考えると、グローバル対応の見直しは急務と思われます。

海外とのメディアリレーションを改善される際はぜひウェーバー・シ
ャンドウィック・ワールドワイド株式会社さんのご相談ください。
(弊社からも担当者のご紹介可能です)
http://japan.webershandwick.com/

グローバルなオンラインコミュニケーションや海外向けウェブサイト
の見直し等の相談はこちら↓まで(笑)お気軽にどうぞ。



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オンライン(Web)時代のコミュニケーション戦略を創ります。
企業広報担当者をオンラインのプロに育てます。
実はスポークスパーソントレーニング(メディア対応)も売れてます。
会議や業務効率アップ「短時間で思考をまとめる」セミナーも好評。
詳しくは↓お気軽にお問い合わせください。
=================================================
クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社
代表取締役 雨宮 和弘
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷4-3-6B1
Tel: 03-6418-0336 Fax: 03-6418-0337
URL: http://www.crossmedia.co.jp/
Blog: http://crossmedia.keikai.topblog.jp/
e-mail : kaz.amemiya@crossmedia.co.jp
日本PR協会正会員、IABC( http://www.iabc.com/) 正会員
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2010年06月07日(月)更新

HMV渋谷店閉店のニュース

残念なお話ですが音楽販売の大手、HMVの渋谷店が8月中旬で
閉店されるというニュースを読みました。

音楽がダウンロード販売へと向かう中、また、若者の音楽離れの
傾向が強まっているといわれる中、いたしかたないことなのかも
知れません。

私自身もいまだに年間数百枚のCDを買うとはいえ、そのほとん
どが中古、新品はほぼネット通販です。時々HMVにも立ち寄り
ますがいわゆる店員の方のお勧めによる偶然の出会いを期待する
時ぐらいになりました。

この渋谷店、実はほかにもいろいろな思い出があります。
ちょうど12年前に私が独立した当初、最初にレギュラーの仕事
をさせていただいたのがHMVさんだったのです。

当時の人事部長の方が声をかけてくださり、社内コミュニケーシ
ョンの強化で社内報を作りたいというお仕事を3年ほどやらせて
いただきました。

実は当時からHMVの特徴は従業員教育の徹底で、他社に比べても
格段に厳しい接客マニュアルを持っていたのです。その理解徹底の
バックサポートを面白楽しくやりたい、というのがコンセプトでした。

働く人の平均年齢が20代前半、文字離れが進んでいる中で、どう
やって手にとってもらえるか、いろいろと工夫しました。
「新聞には4コマ漫画だよね。そのぐらい柔らかくいこうよ」
の一言で、ネットで4コマ漫画をやっている人を探し、会ったこと
もないのに契約し、彼が上京してきたときに会ったら、それが入社
面談になって以降4年ぐらい一緒に働きました。これも奇遇でした。

メトロニュースを参考に、幅は給与明細スリップと同じ縦型の蛇腹
折の体裁にして、給料日に一緒に渡してジーンズのバックポケット
に入れてもらう、というところまで計算しました。

企画としてはとにかく人を紹介しようということで、各店舗ごとに
プリクラとコメントを寄せてもらい、それをそのままスキャンして
原稿にしました。これは画期的でした。プリクラの解像度と情報量
はばかにならないのです。

また、HMVさんの特徴は社員のなかからかなり大胆な抜擢で店長
に昇進する方も少なくないことで、当時渋谷基幹店ができるという
ことで初代店長になるという若い方と建築現場に入り、フロアの
ブループリントを見ながらインタビューしたのを覚えています。

そういう意味で驚いたのが、仕事を形成する人間力の強化に対する
投資の大変さです。
一昨年に行ったニューヨークでも市内のバージンが閉店し、大型
CDショップが姿を消しました。昨年のサンフランシスコも同じです
実店舗の閉鎖や縮小は時代の流れで否めないのかもしれませんが
このようなノウハウや人的資産が可視できなくなるのは本当に
つらいことですね。
ユーザーレビューだけでなく現場で見る担当者のお勧めがネットで
もうまく活かせることを期待しています。

わたしにとっては一番レコードやCDにお金をかけていた時期に通
ったのが六本木のWAVEでした。WAVEが閉店した時期にできたのが
HMV渋谷というのも時代でしたね。

今、音楽を通じてほっとするのは身近に20代前半でレッドツェペリン
を聴くような友人(!)がいることでしょうか。

一昨日からIABCのコンファレンスでトロントに来ていますが一番
最初に買ったのはパールジャムのLPでした。
しかも新品です。(やれやれ)
まるで原宿のようなファッショナブルな表通りにも、そのような
レコードショップがまだ存在するのでとてもほっとします。

2010年05月28日(金)更新

5月のセミナー終了

昨日、大阪から帰ってきました。

5月のセミナーは3本ありましたが、うち2本は終日(6時間)セミナー
だったのでハードでした。

例年、春先はこのぐらい入っているのですが、昨年と比較すると参加
企業が元気になってきているな、と感じました。

特に大阪は街も活気づいているような気がします。
景気は西から盛り返してきているのでしょうか?
5月中旬はバンフーさんの主催で「ビジネスに打ち勝つ情報収集・活
用術」
と題した無料セミナーでした。

これも定員いっぱい集まっていただきました。
やはり普段ひとコマ2時間で組み立てていることが多く、少し性急な
感じになってしまいましたが、終了後のアンケートも好評でホッとし
ました。
ノウハウだけならいくらでも本が出ていますし、ツールも無料のもの
がいっぱいありますよね。20年の実践から「続けられる」コツとヒン
トをお話したつもりです。

共同PRさんの「広報の学校」では、ウェブサイト管理者になったばか
りの方向けに「オンラインPR実務基礎講座」としました。
「どこから手をつけてよいかわからない」状態から、すべきこと、学
ぶべきこと、そのプロセスをお話していきました。
途中、グループワークで課題の共有が出来たことも評価いただきまし
た。

昨日は日本経営協会さんの「インターネット広報実践講座」
こちらはどちらかというと「広報」の視点で、コミュニケーション活
動の中でインターネットの活用をどう位置づけるか、という話を展開
していきました。

印象的だったのは参加者の方の「元気」ですね。かなり食いついて
話を聞いてくださっているのがわかりました。大阪が元気、と感じ
たのも、そのせいかもしれません。

5月の3本のセミナーはそれぞれ微妙にスコープが違うのですが、
年間にこういう濃いセミナーが何回かあるとだんだん目的に応じた
アレンジが出来るようになってきます。ただしネット関連は事例が
常に出てくるので、話の流れを壊さずにレジメを絞るのが大変で、
詰め込んだままだと年々早口になってくるような気がしています。

6月はIABCのグローバルコンファレンスに参加予定。今度は自分が
学んできます。
幸い6月はセミナーが入っていないのたっぷり吸収し、また7月の
宣伝会議さんのセミナーからブラッシュアップして頑張っていきま
す。

そんなこんなで、きっとあっという間に夏ですね。

2010年03月26日(金)更新

PRパーソンにとってインターネットは有益か?

所属する日本PR協会のニュースレターに、ウェーバー・シャン
ドウィック・ワールドワイド株式会社会長の西谷武夫さんの表題
のメッセージがあり、とても共感いたしました。

西谷さんは
「インターネットと情報化によって人々は大量の情報を簡便に安く
手に入れることが出来るようになった。反面、その状況を曲解し
”知識はすでに与えられたもの”として人々は思考停止に陥っている
のではないか?」

とおっしゃっています。

これは常々申し上げている、
「なぜ情報化が進んでいるのにコミュニケーションが悪くなるの
か?」
という疑問と呼応します。

西谷さんは
「インターネットは人の情報の量的満足を一気に押し上げること
はしたが、質的満足をないがしろにしてしまったのではないか」
と続けています。

おっしゃるように、仕事でご相談をいただく多くの企業担当者の
方は、ネットを使ってやるべきこと、出すべき情報はきちんと提
供している。しかし効果が見えず、次に何をやるべきか判断でき
ないとこぼされます。

今であれば、「ツイッターをやれば良いのか?」という答えが
聞こえてきそうです。
ツイッターはそのレスポンスのよさも相まってコミュニケーショ
ンの感受性をおおいに問われます。その意味では良いかもしれま
せんが、その根底に他者理解や他者との共感、理解などの感性
を磨くこと、その意識の共有を行う機会の創出が必要なのだと
思います。

大きな企業や組織では、それを個人にゆだねていることに限界が
来ているのではないでしょうか?
近年、海外の事例を見ているとそれを組織的(戦略的)にインタ
ーナルコミュニケーションの一部として取り上げているところが
目立つようになってきたのは、これらの問題に対する気づきを持
った企業が現れてきた、ということの証左にほかなりません。

「質的な満足」
今後、企業コミュニケーションを考える上でのキーワードになる
ような気がします。

西谷さん、多くの気づきをありがとうございました。
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