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2006年08月11日(金)更新

IRの鉄人

お仕事でお世話になっている会社に「大和インベスターリレーションズ」
という会社があります。

ご縁は、6年ほど前にこの会社のホームページのリニューアルおよび
年間更新保守管理をご相談されたことです。

ただ、IRに関する(しかも感じ企業である他社の)数字を頻繁に扱う業務
で、少人数の弊社で、何か数字を間違えたらとても終える責任の範囲を
越えるのは想像にむずかしくなく、そこでこんな提案をしました。

「もし、社内でワード感覚でインプット業務を出来る方がいらっしゃれば、
業者に指定原稿を作る手間で自社更新できるシステムを作ることもでき
ますよ」

いわゆるCMS(コンテンツマネジメントシステム)です。
当時は現在のような手軽なパッケージがなかったので、すべてカスタムで
組みました。

そのとき、ミーティングに参加していたある部長さんが、

「雨宮さん、そのシステムが出来るなら、俺にも砂場をひとつ用意してくれ
ないか?」

とおっしゃるのです。
どういうことかと訪ねると、

コラムを持って自身で情報発信したい

という事なのです。
私は、

「お言葉ですが、コラムなどをもたれるとその掲載間隔(毎日とか毎週とか)
でみる人の期待値が発生するので、忙しいからやめた、とか、今週は休み
ということは逆に御社のブランドに傷をつけますよ。また、会社としての公
的な場ですから、広報かどなたかに事前チェックを入れていただいたほうが
よろしいかと思います。」

と申し上げました。
すると、

「俺を誰だと思っているんだ」(笑)

とお返事いただきました。

この方が米山徹幸さんでした。

この大和IRの「IRの話題」、米山さんの歯に衣を着せぬシャープな論説で
5年間、毎週続いています!
本当に面白く拝読しています。

http://www.daiwair.co.jp/topics.cgi


まだシステム上RSSフィードがないのが残念ですが、広報やIRに関わる方は
一度見ていただくと面白いと思います。

2006年08月09日(水)更新

メッセージの重要性

独立してから10年近くビジネスをしていますが、ここ数年で
やっと「やりたいこと」と「お客様のニーズ」が合ってきたと強く
感じるようになってきました。

「企業コミュニケーション」もしくは「コーポレートコミュニケーシ
ョン」といっても、「それは何なの?」、「何故必要なの?」と
言われることがほとんどでした。

しかし最近問い合わせをいただく数々の案件、たとえばイント
ラネットや企業WEBサイトのリニューアル、ロゴ規定の標準化
など、プロジェクトの根っこにあるものがすべて企業コミュニケ
ーションに関わる問題なのです。
論理のすり替えではなく、テクノロジーやデザインだけでは
解決できない問題が置き去りにされてきたのかもしれません。


現在、弊社の業務をより「企業コミュニケーションのプランニン
グやアドヴァイス」に集中すべく、自社WEBサイトのリニューア
ルも行っている最中ですが、その間にもいただくお問い合わせ
がやはりいくつかのキーワードの連なりであることがわかります。

そうなると普通はSEOの話になりますが、キーワード単体よりも
キーワードの連なりによるメッセージが響いているような気がし
ます。

このブログや会社のWEBサイトでも、ストレートでわかりやすい
メッセージを、継続的に伝えていく事の重要性を実感しています。

2006年07月25日(火)更新

社内コミュニケーションの重要性

最近いただく仕事のお話のほとんどが社内コミュニケーションに
関連していることです。

ほとんど「広報の未来は社内のコミュニケーションマネージメン
トに向かっている」といっても過言ではないぐらいです。

面白いことに、そうして周りを見ていると、同様の意見や記事が
目に付きます。
日本パブリックリレーション協会の会報誌にはこんなことが書い
てありました。

「部分最適化された組織の問題点は社員が給料分しか働かないた
め、組織全体のパフォーマンスが社員のこなす仕事の足し算にし
かならない。一方、全体最適化された組織では掛け算となる。両
者のパフォーマンスの違いは社内コミュニケーションの有無だ。」
慶應義塾大学 高木春夫氏

また、先日ご縁をいただいた鶴野さんの「SNS的仕事術」でも、
積極的なコミュニケーションを取っていく人が活躍できる、と書い
てありました。

最初にいただいた企業の課題のほとんどが、組織に拘泥して組織の
枠を超えたコミュニケーションができていないところに起因してい
る場合が少なくありません。

その枠を超えるのは、単に「仕組み」としてのイントラではなく、
個々人の仕事に対する考え方やアプローチなのかもしれません。
ミクロとマクロが同居する命題の中で、今までになかった解決
方法を提案できれば、IT利用が一過性の流行モノのように捉え
られずにすむ気がします。

2006年07月21日(金)更新

システムアイ「広報セミナー」

昨日は、お世話になっている今江さんの会社、システムアイさんの主催で
「WEBによって変化する広報」、「広報先進国アメリカと日本の広報の違い」
をテーマにお話をさせていただきました。

今江さんは、広告宣伝の世界ではたくさんの実績をお持ちで、独立後、コン
サルタントとしても活躍されています。
「企業コミュニケーション」と捉えたとき、広告宣伝に比較して、広報は仕事の
面でも、働く人のキャリアの面でも、まだまだ考える余地がある、という点で
広報の人材育成やキャリアサポートを目指すことになったのだそうです。

今回は共感するところが多く、私自身の経験をご紹介することで、今江さん
のご縁のある皆様とお仲間になれたら、という思いが強くありました。

セミナーのスケールとしてこじんまりとやりたい、というご意向もあり、かなり
応募に対し参加者を絞らせていただいたそうですが、後の懇親会でも、熱い
お話が飛び交い、とても有意義なセミナーとなりました。

参加者の方々が、現場でお持ちの思いというのは、10年前の私のときと
まったく変わらず、やはり企業コミュニケーションの視点で解決できることは
まだまだいっぱいあるのだな、と改めて思いを強くしました。

2006年07月20日(木)更新

機密漏洩とコミュニケーションスキル

米国でのSOX法の施行だけでなく、年初のライブドアに代表される
企業統治を揺るがす問題の顕在化も進み、日本でもコーポレートガ
バナンスの在り方や監査制度の見直しが進んできました。

さらに企業の情報をどう守るか、という点で情報セキュリティのビジ
ネスもかなり勢いがあるようです。

昨日のブッシュ大統領の話にも関連しますが、情報セキュリティの
問題はシステムだけでもちろん全て解決するわけではありません。

倫理やCSRにもかなりの比重がかかるのでは?と思うエピソードが
あります。
ここのところ、ある大手企業のコミュニケーション関連の調査で、ほぼ
毎日、その会社の入っている複合ビルに通っています。
そのビルには上半分が私たちのクライアント、下半分には大手のアパ
レルが入っています。

何度かエレベーターに乗っていると、そのアパレルメーカーの社長の名
前や事業部長レベルの人の名前とともに、業務の方針やトピックなどが
耳に入ってくることがありました。

もちろん耳をそばだてているわけではありませんし、ほんの数秒のこと
です。しかしその中ででてくるキーワードだけでも、結構いろんなことが
想像できてしまいます。

昔、半導体メーカーにいたとき、日本の半導体の状況が知りたければ
夕方帰宅時間帯に南武線に乗れ、という冗談を記者から聞いたことが
あります。
日本メーカーのサラリーパーソンは結構不用意に大声で業務関連の話を
している、というのだそうです。

会社の信用とビジネスを守るために、どのような心構えでいるべきか、
考えさせられることが少なくありません。

対応としてしっかりしているなあと感心したのは、元お世話になった半
導体メーカーです。
ここは社内に小さな会議室がいっぱいあり、オフィスのキュービクルや
カフェテリアなどのオープンスペースでのビジネスミーティングは(たとえ
上司と2人だけのものでも)基本的に禁止していて、必ずプライバシー
の守られる会議室で話をすること、と決められていました。
「となりで聞いている仲間が、明日ライバル会社に行くかもしれない」
というのは大げさですが、基本的にオープンな情報開示を行う企業で
あっても、聞く必要のない人に聞かせず、担当業務に集中させる、という
けじめのつけ方が気持ちよかったです。

ではこういう会社はオフィスがシーンとしていてコミュニケーションが
冷えているか、というとそういうことはなく、頻繁に声を掛け合ったり
挨拶したり、冗談をすべらせたり、とても明るいオフィスでした。

もうひとつ。
お世話になっている外資系大手メーカーさんですが、ここも社内倫理が
高いことで有名な企業です。
感心したのはエレベーターに乗ると扉の内側に
「Quiet please - おしゃべりはひとまずお休み」
と書いてあり、言下に機密漏洩に対する姿勢を社員に伝えています。
上手な会社だと思いました。
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