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2009年07月06日(月)更新

IABC2009参加記(11)オマケ

さて最終オフ日。
昨年は時間的にも余裕があり(余裕をつくり)、せっかくのニューヨークという
ことで美術館めぐりやタウンウォーキングにも精を出したのですが、ことしは
1日だけフリーの時間を作りました。

南に下りて古巣のシリコンバレーに行き、スタンフォードの周りを見ようとも
思った のですが車がないので電車で東に移動し、バークレーに行きました。
バークレーは大きな町ですが、それでも徒歩圏内でかなりの散策が可能
です。

やはり大学が中心ということもあり、昔ながらの巨大なレコードショップや
マニアックな(ビル1件の)古本屋さんもあります。
若い世代の街といっても、昨日のヘイトアシュベリーとはだいぶ違います。
今回は朝早くおきてお店が空く前の時間、バークレーの大学のキャンパス
の中を散歩してみました。実際には東西に横切るだけでも優に15分はか
かる大きさがあり、圧倒されます。

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中央のタワー

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トラッドな競技場の外壁

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モダンなデザインのファシリティ


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穏やかな表通り

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映画館の外観は思いっきり古いのですが中はどうでしょう?

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ストリートアートも地域性が出ています。

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バスを待つ学生。絵になっていました。

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お店の看板もユニークです。

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ドーナツやさん。良い油を使っているのだとか。誘惑に負けて食べました。

今回は出来るだけ無駄遣いはやめようと、CDの類はほとんど買わなかった
のですが、結局デザイン関係の古本を掘り出してしまい、80ドルぐらいで
貴重な本を推定3キロぐらい買い込んでしまいました。

そのうちのひとつは「Wearing PROPAGANDA」という展覧会の目録(写真集)
で、日本、英国、米国から集められた、1931年から1945年の間にプロパガ
ンダとしての役割を果たした衣服、スカーフ、アクセサリーを集めたものです。

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これらは時々骨董市でも見かけますが非常に貴重で高く、まとまってみる機
会が日本ではほとんどないため、興味深いものでした。

http://www.japandesign.ne.jp/HTM/NY/0512/

2009年07月03日(金)更新

IABC2009参加記(10)オマケ

昨年は時間的にも余裕があり(余裕をつくり)、せっかくのニューヨークという
ことで前後の数日間、美術館めぐりやタウンウォーキングにも精を出したの
ですが、ことしはそんな余裕もなく、コンファレンス終了後の半日と翌日に1日
だけフリーの時間を作りました。

コンファレンス終了後の午後は、地元っ子でもある同行した日本チームの女性
と、ヘイトアシュベリーを散策。ヘイトアシュベリーといえば60年代にジャニス
ジョプリンを輩出し、ヒッピー文化を生み出した土地柄です。

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だいぶクリーンになった(と思われる)とはいえ、まだそんなライフスタイルに
あこがれる人たちが、本当に少なからず歩いているので、通りをぶらつくだけで
タイムスリップしたかのような感覚に襲われ、とても楽しいです。

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2009年07月02日(木)更新

IABC2009参加記(9)

滞在も5日目、コンファレンスはあっという間に最終日になってしまい
ました。

この日も早朝からセッションがありましたが、最終日ということもあり、
こころなしか朝からロビーに集まる人も多く、情報交換に精を出して
いました。

私たち日本チームもルーマニアから来た参加者の方々と情報交換を
しました。
ルーマニアもまだ支部が出来ておらず、認知もこれからだといってい
ましたので今後の活動を相互報告することでお互いをベンチマークで
きるようにしましょう、と話がもりあがりました。

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こうやってさまざまな国の方と話をするのは大変なことだ、と思いませ
んか?
実は逆なのです。

お互いに母国語でない英語で話し合うので語彙も限られているし、平
易な文法で話をするから、母国語の方と話をするよりもとても理解しや
すいのです。
そう強く感じたのには伏線があります。(笑・以下最終キーノート参照)

さて、最終日の朝のセッションは「オールスターセッション」といい、やはり
人気の高いスピーカーが集まりました。

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今回のコンファレンスでは、昨年ほど具体的な企業の事例が多くなかった
ような気がします。私が着目していたテーマも、こころもち「インナーコミュ
ニケーション」から「コミュニケーションリーダーシップ」に寄っていたせい
もあるかもしれませんが、経営の関与の重要性や、その理解を取りつけ
るための努力やプロセスなどの話が少なくありませんでした。
(これらは非常に濃い話でした。日本ではなかなか聞くことが出来ない
内容ですね)

そしてお昼前になるとまた全員がオーディトリアムに集まりました。
最後のキーノートスピーチはイギリスのケン・ロビンソン卿によるもです。

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ケン・ロビンソン卿は「ビジネスと教育に関する創造性」に関して世界
的に知られる方で、先に行われたTEDジャパンでもスピーチをされて
いました。

「急速な世の中の変化、そして不安に対し、かつてないほど個人のアイ
ディアやクリエイティビティが大切なものとなっている。」
「そして、それが受け入れられ、物事を新しい、正しい道へと導くには”伝
える、理解する、受け入れるコミュニケーション”が大事だ」というわけな
のです。

ユーモアを交えて話す卿のスピーチに会場は爆笑、拍手、そして喝采の
嵐。

なのですが、実は私にとっては非常に辛い一時間だったのです。
というのも、この方の英語がブリティッシュアクセントで非常に聴きづらく、
その場では2割程度(後半のわりとまじめな話の部分だけ)しか理解
できなかったのです。
(私の英語力はテキサス=南部なまりというかなり偏った地場で育まれた
ものなのです)
特に前半のジョークたっぷりのところがわからないというのは「置いていか
れた」感が強く、ショックでした。。。


その場でつかめたポイントは、

「常識」として固定化された思考のもたらす弊害として、世代間の考え方
の相違(若い世代は携帯やPCなどがあるので腕時計のようなシングルタ
スクの機械を腕に巻くというのは理解できない)や、文化の違いからくる
物事の捉え方の相違(東洋人は見たものを「関係性」から捉えるが西洋
人は「対象物」から捉える)などを挙げ、その柔軟性を失わないためにも
「創造性」を育む教育が重要だ。

というあたりです。

以下は先のTEDxTokyoのスピーチですが、幸いなことに日本語のキャプ
ションがついています。私自身もこれですごく救われました。

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==========================================================
子供は比類なき創造性と才能を持って生まれてきているが、間違えることを
許さないような画一的な教育によってそれらがスポイルされていくのだ。

間違えることと創造的なことは違うが、間違えることを恐れていたら決して
独創的なものは思いつかない。
間違うことは最悪だという教育システムが創造性を殺していく。
会社もそのように運営されているから答えが出ないのではないのか?
==========================================================

振り返ってIABCでの彼のスピーチでも根幹は同じようなところにあったように
思います。

「企業のコミュニケーションをよくするためにはどうしたらよいのか?」

この問いに対し、さまざまな答えがあるでしょう。
(ロビンソン卿に言わせれば「あなたの創造性次第」)

「コミュニケーターは組織の中でより柔軟な思考と創造性を持つことにより
非常に重要な役割を担うことができるのではないか」

といわれたような気がしました。

ロバート・スワンさんのスピーチもそうでしたが、このような市況の中でみんな
苦しんでいる状況を見据え、IABCは私たちに「勇気を持って臨め」という
メッセージを送ってくれたのだと思いました。

仕事の状況も決して楽では有りませんでしたが、無理をして参加した価値が
ありました。

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振り返ってみると本当に中身の濃い4日間でした。
知り合った沢山の人たちと「また来年会いましょうね」と声を掛け合い、会場
を後にしました。

2009年07月01日(水)更新

IABC2009参加記(8)

さて早いもので本日でコンファレンスも3日目になりました。

滞在しているホテルから会場までは徒歩で3分程度。慣れてきて
マリオットの裏口から入ろうとするとその脇に見たこともないようなユ
ニークな建物がありました。

覗いてみると昨年オープンしたばかりの「現代ユダヤ博物館」でした。
滞在中に一度見てみようと思い昼休みのひと時に訪れてびっくりしま
した。

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美術館(のショップ)に入るのにカバンの中身検査はもちろんのこと、
金属探知棒と触診によるボディチェックがあるのです。
中がとても平和なだけに少し複雑な気持ちになりました。
勉強の中心である各セッションは昨日、本日が中心で、特に3日目は
「エキスパートパネル」と呼ばれ人気のある講師の分科会が中心で
す。

朝、日本から参加している方たちと顔をあわせると「どのセッションに
参加されますか?」とそれぞれ確認します。なにしろこれも聴きたい
あれも聴きたいという状況なのですが、せっかくなのでお互いできる
だけ違うセッションに出て共有したい、という気持ちもあるのです。

しかし、プレゼンターによってはすっと入ってくる英語とまったく入って
こない英語があり、かつ事前のハンドアウト資料もない場合は、かな
りついていくのが辛い場合もあります。

そういう時は5分で見極め、勇気を持って他のセッションに移るように
しました。

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お昼間、本日のジェネラルセッションは目玉ゲストのひとり、ロバート
スワンさんです。
ロバートスワンさんといえば、日本では腕時計の記念モデルに名前を
つけられているので有名。というよりも実際の偉業についてはあまり
紹介されていないようです。彼は、初めて歩いて北極・南極の両極に
到達した記録を持つ方で、その冒険を通して地球に起きている環境の
変化や危機を伝え、現在は環境保護に関するさまざまな活動を行って
います。

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彼がスピーチを通して伝えた中で印象に残っているのは、やはり「チ
ームビルディング」に関することでした。

・厳しいチャレンジを達成するためには、組みし易い仲間ばかりでは
 ダメだ。
・すべての問題を「自分たちのこと」として積極的に、明るく、誇りを
 もって解決する。「自然や他者のせい」にしていても前には進めない
・どんな小さな達成でもお互いに認め合い、褒め称える(大げさに)

実際、紹介されたスライドは正気の沙汰ではないようなものばかり。
その中で笑顔を振りまくクルーたち。少しでも気を抜けば凍傷や精神
錯乱に陥るのだそうです。

冒険から帰ってきたら瞳の色が変わっていた(どうやらオゾンホールの
せいではないか)とまで。

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しかし彼はそれでもとまりません。同じような調査団や冒険隊が過去
に南極に置いていった1500トンものゴミを5年がかりで撤去、リサイ
クルにかけたり、世界中の教育機関に出向き、現地の学生たちと環
境問題を通じたボランティア活動を行っています。

ただ感動や感心するだけでなく、多くの「考え」を促すこのような優れた
ゲストスピーカーの話を聞けるのもIABCが他の(特にテクノロジー系
の)コンファレンスと違う大きなポイントだと思います。

この日は日本からの参加者3人で夕食をとりました。ずっと外国人の輪
の中でもまれ、少々疲れがたまっていたのかもしれません。
ガス抜きと情報共有もかねて気兼ねなく日本語でしゃべろう!というこ
ともありました。

会場の近く、いわゆるサンフランシスコの中心部は大手ホテルと旅行者
向けのレストランばかり。この日は10ブロックぐらい西の居住者中心の
落ち着いたエリアに移動し、小さなイタリアンレストランに入りました。
価格も安く、とても楽しいひと時でした。

2009年06月30日(火)更新

IABC2009参加記(7)

2日目の夕方はアジアからの参加者が集まる懇親会がありました。
IABCはやはり米国の参加者が半分強を占めますが、ヨーロッパ、
南米、アフリカ、そして最近はアジアからの参加者が増えているよう
です。

昨年もそうでしたが、このような集まりのときはいきおい内輪っぽく
なりがちですが、IABCの幹部の方や、人気のある講師やパネリス
トなどの欧米のベテラン会員の方も参加してくださるのです。
また、今回はニュージーランド支部の方がわざわざワインを数十本
送ってくださり、みんなでワインをがぶ飲みしていました。

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また、いつも驚くのはたんなる雑談に終始せず、誰かを讃えたり、
スピーチしたり、積極的に「アウトプットする」→「認める」というコミュ
ニケーションフローが出来上がっていることです。
それも、誰か1人決まった司会がいて始終取り仕切っているという
わけでもなく、自然に行われているのです。

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さらにここで大きな発表があり、来年は念願のアジアでの総会を香
港で行うということになったのです。やはりアジアからでは北米の
年次総会に参加するのは旅費もかかるし人数的にも限られてくる。
アジア地区での総会であればもっと地域に根ざした交流も盛んにな
るだろう、ということです。

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実際にはインターナショナルコンファレンスでは欧米の事例が多く、
(何回か米国系企業のグローバル展開の中で南米やアジアへの
展開事例はありましたが)まだまだアジアの企業がプレゼンテーシ
ョンをしたり事例紹介することは少ないようです。そういう意味でも
アジアでの開催はその内容が寄り卑近なものとなるでしょう。
(アジア総会ではみんなとても饒舌でしたのでよほど語りたいことが
多く、たまっていたのかも知れません)


いずれは日本支部、そしてアジア総会を日本で開催できたら、など
夢(プレッシャー)は広がります。
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