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2007年01月12日(金)更新

自分の色を持て

先日出勤途中の電車の中で、かっこよいデザインのバッグを
持っていた女性がいて、「どこのバッグだろう?」という気持ち
がぬぐいきれないでいたら同じ表参道で下車した。

もう一回、チラッとでも見ればディテールがわかるかな?と
思い、後姿で「黒いコートに紫のマフラー」とチェックし、ホー
ムで探したらなんと!
その場だけで3人。同じ格好をした女性がいた。
そうか。今年の流行だったんだ。。。

愕然としているとその場で目標を見失い、捕捉をあきらめた。
しかるのち地上出口にでると、ここでまたもうひとり、同じ格好
の女性を見た。
数年前のダブルのブレザーや青いコートも同じだったな、そうい
えば。

別にファッション雑誌を見るなとは言わないし、ブティックで「今」
を追うのもいいと思うんだけど、せめてひとひねり、「自分らしさ」
を加えてはいかがかと。
(見逃した悔しさでここまで言うのはなんだけど)

そういうお前はどうなんだ?と問われれば、
「はい。いつでもあなたの色に染まります(笑)」

2006年11月13日(月)更新

千葉県のロゴ問題

千葉県の新しいロゴがだいぶ話題になっているようだ。

中條さんという有名なグラフィックデザイナーが作ったものだそうだが、
これに対し、県民側からの反応は、やはりネガティブなものが多いよ
うだ。

この話題は先週からMIXIの企業ロゴトピックなどでも盛り上がってい
たが、週末にはとうとう一般紙でも取り上げられていた。
(一般紙もネットでネタ拾いしているので当然だが)

http://www.pref.chiba.jp/syozoku/b_kouhou/logo/logo061102.html
思うところは、このデザインだけを見て、好き嫌いを論じることの危険性
である。
ロゴは本来、物や企業、団体の信頼や品質の証として存在する。
どう使われるのか、という適応例を見せてもらえば、そんなに奇異に見え
ないかも知れない。また、ロゴ単体としては目立たなくても、何かの上に
表した時フィットする、ということもある。

ロゴ単体での好き嫌いも良いが、ある程度ありきたりでない、チャレンジ
の多いデザインを採用するのであれば、これだけ騒がれるのは予見できた
のではないだろうか。
日本でこのようなことが起きるたびに、「デザイナーというのは我々一般
市民に理解できない事をやる」というような意見が出るのが悔しい。
それこそはデザインに対する誤解の最たる物だ。
デザイナー本人にその誤解を解く責務はないのかもしれない。

そこでもまた、デザインの本当の価値を誤解なく皆にわかってもらう翻訳
者のようなミドルマンの存在が求められているのだ。

「こんな見方をしたら、このロゴはこんなに親近感がわくよ」ってひとこ
と言える人がいたら、中條さん(デザイナー)の挑戦は功を奏するのに。

2006年11月08日(水)更新

史上最大のXマス作戦

インターネット以前の時代、たとえば30年ぐらい前まで、これらのアメリカの
デパートのカタログはひとつのエンターテイメントといえるぐらいの充実度が
あった(厚さが3センチぐらい)。

中でもニーメン・マーカス。
ニーメン・マーカスといえばアメリカの三越のような老舗の百貨店。
ここのクリスマスカタログは、毎年おおきな目玉商品のあるユニークなもの。
見ているだけで楽しい、なんて余裕はなくなる大変危険なしろものです。

数年前の目玉は、
「あなたのうちにエルトンジョンが来て、好きな曲を一曲歌ってくれる権利」
(1名さま限定)
というものだった。値段は忘れましたけど。。

今年は、バージン・ギャラクティック航空でいく宇宙旅行。
6名さまパッケージで約200億円。

あなたもいかが。


http://www.neimanmarcus.com/store/sitelets/christmasbook/christmasbook.jhtml?RFX_Res=high

ニーメンマーカスクリスマスカタログ

2006年10月23日(月)更新

50万円のパソコン用キーボード!

先々週に続き、この週末も石川県IT総合人材育成センターの主催で
行われた「メディアマスター養成コース」の仕事で金沢に行ってきまし
た。
今回は生徒さんへの課題の講評がメインなのでとても楽しみでした。
さらにもうひとつの楽しみは、、
参加された方の中に、数々のユニークなITソリューションやハード、ソ
フトの開発で有名な株式会社PFUの方にお願いをしていたことがある
のです。

そのお願いと言うのが、

「50万円のパソコン用キーボードを見せていただくこと」

だったのです。
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ちょうどタイムリーに先週プレスリリースが出て、新聞やIT系のオンラ
インメディアに取り上げられていたものなのですが、

なななんと!

・定評あるハッピーハッキングキーボードの機能をアルミ削り出しフレー
 ムに搭載!

・静電容量無接点方式のキースイッチとの相乗効果により極上のタッチ

・従来よりプロモデルはブラインドタッチ専用の印字なし!

・印字バージョンもサブリメーション印刷ではがれにくい!

・キーボード面の角度調整は専用六角レンチで1度単位で8段階調整
 可能!

・裏面はアルミ鏡面仕上げ!まるで○ポッドのよう。

ここまでの仕様で25万円!

さらに今回は(だんだんテレビショッピングのよう)、キートップに輪島漆
塗りを施した別注モデルが登場。

キートップにはカドの稜線に漆が定着されるように金箔が張られていま
す。

恐る恐る触ったそのキーボードは、何しろしっかりとしてたわみもゆがみ
もでない。
タッチは滑らかで確か。遊び(ガタ)がまったく感じられません。
まるでF1マシンのようなキーボードでした。

パンフレットにあるこのキーボードのコンセプターである東京大学の和田
英一名誉教授の以下の言葉が象徴的でした。


アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、
どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。馬は消耗品であり、
鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。
いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるイン
タフェースであることを忘れてはいけない。


たしかに。今はパソコン本体は5万円でも買える時代。
しかしかく言う私も、キーボードは3回ぐらい買い替え、今はノートPCなど
でよく使われるロープロファイルのパンタグラフキーボードを使っています。
押し込みがしっかりするのと、キーパンチングの音が静かなのがよいです。

さすがにこの輪島漆塗りのものはおいそれとは手が出ませんが、25万
のほうは、考え込ませる説得力がありました。

ほぼ毎日使う道具と考えれば、その価値はもっと認められてもよいと思い
ます。

なにより、このようなことを真剣に考え、実際に商品化し世に問うPFUと
いう企業の姿勢に、ものづくりの哲学を感じます。

PRESS RELEASE HappyHacking Keyboard 輪島塗モデル 完全オーダーメイドで発売 | 株式会社PFU

2006年08月10日(木)更新

デザイナーが創った学校

「ダイソン」といえば、「フィルターを使わない掃除機」で有名です。
我が家でも使っていますが、本当に気持ちの良い強力な吸引力。
こどもが喘息持ちなので、とっても重宝しています。

このメーカーはユニークで、創始者のジェームス・ダイソンが工業
デザイナーで、自らデザインした掃除機を自ら会社として販売して
いるのです。
今では、事業家としても成功したダイソンですが、元々はクルマの
コンセプトデザインを手がけるなど、工業デザイナーとしてもかなり
の実力を持った人でした。

このような場合、たいがいスターデザイナーとして活躍する場合が
多いのですが、かれは自身のデザインで会社を興すというとても
ユニークなアプローチにでました。

そして、今回、学校創立というニュースを見たのですが、面白いのが
その対象年齢!
12歳から18歳、というのです。

デザイナーとして活躍した人が教育に関わることは稀ではありませ
んが、このようなユニークなコンセプトは見たことがありません。

日本でもこのような「投資」をできるデザイナーやクリエイターが増え
るといいなあ、と思います。

http://www.dysonschool.com/
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