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2008年05月01日(木)更新

New Communications Forum 参加記(その1)

2週間近くブログのアップが滞ってしまった。

この間、米国で開催されたコンファレンスに参加してきたのだが、
せっかくの機会に時差で眠くなって集中力を欠くのはもったいな
いと2日早く現地入りしてその調整(サンフランシスコでマーケット
リサーチという名のウィンドウショッピング)に精を出したせいか
会議はとても充実したものとなった。

反面、本来は戻り(ウェストバウンド)の方が早いはずの時差の
戻りに苦慮し、連休前半は体調不良で寝込んでしまった。

今回は5回に分けて参加記を書いていこうと思う。

まずは久しぶりの米国、ということでサンフランシスコとその近郊
の状況をレポートしたい。
いつもは空港からレンタカーを借りて車で移動、が基本なのだが、
市内の駐車料金を考え、最初の2日間は電車で移動、市内はほ
ぼ、徒歩でめぐっていた。気楽だし、お金も掛からない。
サンフランシスコは縦横5キロ四方に囲まれているので中心部だ
けなら1日2~3キロぐらいの歩行でほぼカバーできる。

いくつか気づいたことを書こう。
(写真は記事と関係ありません。イメージです)

1.
サンフランシスコといえば、リベラルな文化の発祥地のひとつでも
あり、西側に大きなゲイタウンがある(カストロストリート)。私自身は
ストレートだが、ゲイのコミュニティは文化度も高いのでゲイタウンを
訪ねるのはとても楽しい。
数年前までレーザーラモンHG(上半身裸で革のベストと首輪だけ)
のようなカップルがいっぱいいたのだが、かなり減ったように見えた。
かわりにダウンタウンにはヒスパニックや黒人系のホームレスが増
えた気がする。

sf1

2.
公共の場はほとんど禁煙になった。タバコの値段はだいたい一箱
4~500円程度。当然洋モク(古い)も日本のほうが安い。
歩きながら平気で吸っている人も時々見かけるが、きっとヨーロッパ
の観光客なのではないだろうか。

sf2

3.
エコバッグやリサイクルの意識は高いように見受けられる。有名ブラ
ンド店でもこぞってそのようなメッセージやバッグを出したりしている。
(バッグの値段自体はぜんぜんエコではない)

sf3

4.
食事量が多い。飲み物もアイスクリームのカップも一番小さいもので
十分。エコとか環境とか言う前に小麦も値上がりしていることだし、
提供する食事の量を3分の2にしたらどうかと思う。
結局こういう食べ物のディスポーザル(廃棄物)が潤沢にあるから
ホームレスの人たちも決して飢え死にしない。

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5.
サンフランシスコの後にバークレーに立ち寄った。インテル時代に良く
通ったスタンフォード界隈とはまったく異なり、若者らしく猥雑な店が
いっぱいあってとても楽しかった。
レコード店、古本屋などのレベルが非常に高かった。いくらでも時間が
つぶせそうでとっても危険だった。
「トランス脂肪酸をまったく使っていないけどすごくうまいドーナツ屋」
というのは強力だった(おいしかった!)

sf5

6.
ホテルやレストラン、公共機関でもまだシャワー付きトイレを米国で
見たことがない。これは日本の誇る偉大な発明だと真剣に思う。
私はいわゆる痔主ではないものの、シャワーつきトイレに慣れてしま
ったのでそれがないとどうもすっきりしない。
回避措置として米国出張時は花王のサニーナという泡状の洗浄剤
をいつも帯同している。

sf6


では、次回からは本題の会議の内容をレポートする。

2008年04月18日(金)更新

サンフランシスコ

明日から一週間、米国西海岸のサンフランシスコ郊外で行われる
コンファレンスに参加すべく出張に出る。

これは、「企業広報」、「宣伝」、「マーケティング」、「ジャーナリズ
ム(メディアリレーション)」に関わる企業の担当者とメディア側、
合計8極の人たちが集まって議論し、共有する3日間の会議だ。

一昨年初めて参加したときもとても多くの刺激を受けた。
同時期にサンフランシスコで開催される「Web2.0 Expo」に比べる
と規模はかなり小さいし、主題のひとつが「オンラインテクノロジ
ーの活用」だとしてもあまりテクノロジー寄りにならず、常に企業の
コミュニケーション運営やキャリアモデルに軸足があるところがとて
も心地よいのだ。

newcomm
当初は米国の先進事例を勉強しに行こう、という姿勢で臨んだの
だが、実際は彼我の差はほとんどなかった。ただ、彼らは常に立
場を超え、前に進むべく積極的に話合う姿勢がある。それだけな
のだ。その点において、彼らは自らの役割に対する認識は強いが
所属する組織に対する意識は希薄な場合が多い。
ただ会社の目指す目的を達成するために働くプロフェッショナルな
のだ。

日本でコーポレートコミュニケーションを考えるときに立ちはだかる
大きな壁のひとつは、やはり「組織の縦割りの問題」だ。
それぞれが独立した予算管理を行っていることもあり、全社的なコ
ミュニケーションプログラムを行おうとすると、思い切ったトップダウ
ンの場合以外は実施されてもなかなかうまくいかないのが実情の
ようだ。
まずどこかの部門がリードしてツールやメディアの導入、サイトのリ
ニューアルなどを行っても継続性がなく失敗に終わる事例が絶えな
い現状を見るに付け、やはり組織を超えた意識を持つコミュニケー
ターの存在がキーになると思わざるを得ないのだ。

そういう人材をサポートする糧を一つでも多く持ち帰ることができれ
ばと思う。

2008年04月15日(火)更新

短時間でアイディアをまとめる方法。

先週一泊で姫路に行き、中小企業大学関西校にセミナーの講師と
してお世話になってきた。

テーマは例年通り「ビジネスプレゼンテーションと効果的に思考
をまとめる方法」というものだが、対象が昨年から、いわゆる経
営幹部を対象にした「経営管理者コース」から「新任管理者コー
ス」に変わったこともあり、全体の平均年齢も10歳ぐらい若返
っている。

思えば6年前に初めてお世話になった頃は「画面のアニメーショ
ンの方法を教えてくれ」など、「パワーポイントの作り方教室」
のような誤解が生じていたが、さすがにそれもなくなってきた。
そればかりか、ポストイットを使ったアイディア出しの実習も
かなりまとまりの良さが見えてきた。
午前中の座学は主にプレゼンテーションの考え方、発表方法など
悪く言えば教科書的な話が多く眠くなりがちだが、ところどころ
で質問や実習を織り込んで行ったので居眠りをする人が一人もい
なかった。

午後は実習ベースなのであっという間、という感じだ。
40名のほとんどが別々の会社から参加した人なのだが、まず「
あなたの会社で業務生産性を落としている要因を何でも良いから
書き出してみてくれ」というと、ものの10分足らずでかなりの
数の意見が出た。

次にはそれを似た意見ごとにグループ化するわけだが、これも「
ヒト」、「モノ」、「コト」というように分けていくと、意外に
整理が進む。しかも5つのグループでのばらつきはあまりない。
最後はこれらに対する対応策をそれぞれのグループごとに見出し
ていくわけだが、ここには各チームごとの個性が反映されてとて
も興味深かった。また、単に「○○をやめる」というのは対応策と

いえないので「ヒト」も「時間」も「金」も限界がある経営者の
視点で考えてみてください、という注文をつけた。

結果的にそれぞれのチームごとに5分程度のプレゼンテーション
を行っていただいたのだが、とても1時間たらずで考えたとはい
えないぐらい多くのアイディアを、客観的にまとめることができ
ることをわかっていただくことができた。
また、京阪神の企業から来た方が多い、という理由もあるのかも
しれないが、「オチ」を忘れない心の余裕もさすがだった。

別のテーマでも半日ぐらいの時間があれば実施はいつでも可能だ。
簡単なファシリテーションで、事後の全社導入も容易なのが良い
ところだ。
もしご興味があれば連絡をいただけるとありがたい。
即効性があり、組織の生産性を挙げるきっかけになる はずだ。

2008年04月08日(火)更新

私の出発点~インターネットマガジン

残念ながら2006年に休刊しましたインプレス社の「インターネットマ
ガジン」。
まじめな編集姿勢で日本のインターネット創成期から多くのウェブ
関係者を支えてきた。
最初期の背表紙の厚みは1センチ。それが最盛期には3センチ近く
なり、最後の1年はホチキス止めだった。

日本のインターネット商用利用がスタートした頃、PRマネージャー
をしていたわたしが最初に書いたウェブ関連のニュースリリースは、
1994年12月の「日本初の企業人材募集ホームページの開設」と
いうものだった。
それが奇しくもインターネットマガジンの創刊とほぼ同時期というこ
ともあり、1995年の2月号(創刊第3号)に4ページの特集記事と
して取り上げていただいた。

imag
いままでも「記念碑」的に雑誌を書架に飾っていたりしたのだが、
なんと、現在インプレス社はインターネットマガジンの休刊とともに
全コンテンツをアーカイブとしてオンライン上でPDFの無料開示を
しているのだ。これはある意味インターネット創成期の貴重なデー
タベースともいえる。

もちろん上記の私の記事も読める。(甘酸っぱい記憶)

ページに添付してある画像はグレーバック(まだ背景白が使えない
時代)のモザイクナビゲーター1.0(ネットスケープやIEができる前
のオリジナルブラウザー)!今となっては貴重な記録だ。

http://i.impressrd.jp/bn/pdf/1995/02/003

http://i.impressrd.jp/files/images/bn/pdf/im199502-096-bizrep.pdf

imag2

2008年04月04日(金)更新

入社式トップ訓示に見る企業コミュニケーションの傾向値

毎年楽しみにしているのが日経紙面で4月の第1週に特集される
「入社式トップのあいさつ」特集だ。
端的に世相を反映させるもののひとつで毎年楽しみにしている。

昨年のエントリーはこちら
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/102/10004745.html

今年の傾向としてピックアップされたのは

「経営環境の厳しさ」

「経営統合・社名変更」

「コンプライアンス(法令順守)」

だそうだ。

それぞれトピックとしてはあまり新鮮味がないが、それぞれのコメ
ントの背景に浮かび上がるキーワードが「スピード感」だ。
ITツールの発達も起因することの一つかもしれないが、ビジネスや
生活のプロセスが”やみくもに”スピードアップしていると感じるのだ。

私自身もオフィスに来てPCの電源を入れると、なぜかその時点から
妙にせわしなさを感じてしまう。

「早くメールを読もう」

「早く仕事の順番立てをしよう」

「早く目の前の仕事を処理しよう」

というように。

その結果、考えや判断、視野が狭くなると感じるのだ。
そんなときは少し早く家を出て、カフェでおいしいコーヒーを飲みなが
ら手帳を広げて色々なトピックをマッピングして整理するととても落ち
着いて一日を過ごせる。(結果的に業務効率も高く、スピードアップ
する)

あまりにも便利なツールやメディアに囲まれて仕事をしているからこ
そ、「自分のペース」や「自分の時間」をしっかり持つことこそ、正しく
より高品質なアウトプットが出せる気がしてならない。

振り返って

「経営環境の厳しさ」

「経営統合・社名変更」

「コンプライアンス(法令順守)」
も、
今の世の中では普通に起こりえる、「当たり前」のことだ。

だとしたらなぜそれが問題なのか。
それを考える機会を提示するのが本来のトップのメッセージではない
だろうか。

携帯とネットが基本。そんな若い世代ほど、色々な意味で事を急いで
いるような気がする。その結果一番怖いのが「思考停止」を招くことだ。
世の中はより複雑になり、「How to」だけでは解決できないことが多く
なっている。
「What」、つまり「自分ならこうする」という「独自性」を持つこと。それを
検証しあう「コミュニケーション」の積み重ねが大事だ。

トップは、本当はそのフレキシビリティ(柔軟性)を求めているのだと思
った。
来年のキーワードはもう少し新鮮味のあるものだと良いのだが。。。

megane
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