大きくする 標準 小さくする
前ページ 次ページ

2010年12月21日(火)更新

サントリーミュージアム天保山

最近、セミナーだけでなく、地方のお客様からお仕事の契約をいただくことが増えました。

時間があれば地元のお店を覗いたり、神社仏閣をお参りしたりしていますが、美術館めぐりも欠かせません。

大阪のサントリーミュージアム天保山は安藤忠雄さんの建築で、海側に大きく開かれた窓はその景色だけですでにアートになっています。
2年前に初めて行く機会がありましたが、そのときはブラウンのディーターラムス展でした。
http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/103/10011938.html

また今年は大阪のお客様に恵まれたので行かなくちゃ、と思っていたら、何と今年いっぱいで休館になってしまうとの事。しかも最後の展覧会は今まで集めてきたポスターコレクションのお蔵だし。
http://www.suntory.co.jp/culture/smt/about/index.html

http://www.suntory.co.jp/culture/smt/gallery/
ということで先日、2時間程度のわずかな時間でしたが、もう一度見てくることが出来ました。
古いポスターはシルクスクリーンやリトグラフもありますが、インクの宿命でもある色あせや退色がない、本当にコンディションの良い物をたくさん見ることが出来ました。

ミロやカンディンスキーなど「画家」として有名な作家も初期にはずいぶん仕事でポスターなどに関わっていた事もよく理解できましたし、画集やポストカードで見慣れている作品も実際の色味が違うこともわかります。一番驚いたのがミュッシャの作品がすごく大きいことでした。しかし大きくても細部がとても緻密でした。
対照的にバウハウスのポスターはシンプルでいて絶妙なバランス。これならオフィスに飾りたいなあ、と思うのですがリプロのポスターは紙の色(質感)が違うのです。

tenpozan1

休館の理由は色々あるのでしょうがとても残念です。
ミュージアムショップでは過去の展覧会の図録が安く売られていたので数冊買い込んで帰路につきました。

tenpozan2
最後のポスターを作成された柳原良平さんのオリジナルも飾られていました。

最終展示は今週いっぱい、26日までです。

2010年12月10日(金)更新

左利きの手帳術

毎年11月を過ぎると手帳を買う時期だなあと感じます。
12月に入っても、テレビで手帳ネタが目に付きます。

わたしは25年前にタイムマネジメントセミナーを受けた時から、ずっと「見開き一日」のA5サイズのシステム手帳を使っています。
この25年でITは大きく進歩し、スケジュール管理はPDAからスマートフォンへと進化し、とても便利になりました。しかしマッピングやフローチャートが多いわたしは紙の素早さと便利さを捨て切れません。スケジュール自体はオンラインスケジューラーでスタッフと共有していますが、一日の行動計画は朝一番に手帳のその日の見開きに書き出し、順番付けをしています。メールのチェックや返事は別行動にしないと一日の生産性が悪くなるばかりか、目先の仕事の処理だけで忙殺され、新しい事や飛び込みの相談を受けられなくなります。
ここのところ、紙の手帳を見直そう、という動き?もあるようで、テレビでも色々な手帳が取り上げられています。私自身も、できれば「ほぼ日手帳」とか、色々試して見たいと思うことはあるのですが、それはできません。
実は上記のシステム手帳を使い続ける大きな理由がもう一つあるのです。それは自分が左利きだ、ということです。
僕の手帳は左開き、すなわち、右利きとは逆に組まれています。今日の次の日は左ページの裏にあるのです!

見開き一日のタイプだけが紙の順番を組み変えることでこれに対応できるので、毎年一年分のリフィルを買ってくると最初にやることは400枚近いシートを全て逆順に並び替えることなのです。
右利きの方には理解しにくいともいますが、ページ繰りを考えると、この順番を切り替えることでものすごくストレスが減るのです。

世の中に左利き用品はずいぶん増えましたが左利き用の手帳やバインダーはほとんど見た事ありません。
バインダーはガマンしています。左側にペンホルダーがあれば、とも思うのですが、ないことで左半分に邪魔な突起物がなくなってノートがとりやすい、ということもあります。

ついでですが、自由筆記にはバインダー用のノート紙を使わず、コクヨのキャンパスノートA5を、もちろん裏表紙方面から左開きで使っています。

左利きのマーケットはそんなに大きくないのかも知れませんがまだまだ隙間はあると思います(自分で工夫するのも楽しいですが)

2010年12月01日(水)更新

日経パソコンが恒例の「企業サイトランキング2010」を見送ったワケ

セミナーでもよくいただく質問のひとつに「日経パソコンの企業サイトランキング」があります。
「昨年に比べて順位がはなはだしく落ちたことで上司から叱責された」
「競合企業に対してどのような対応をすれば挽回できるのか?」

もちろん企業サイトはステークホルダー(お客様)との関係構築を図るコミュニケーションを行うものですので、ランキングを競うことだけが全てではありません。

しかし長年ウェブを見ていると、このようなサイト評価はいくつか現れては消えており、3年以上継続してやられているのはほんの一握りです(企業サイト、IR、ブランドなど)。

日経パソコンのランキングの面白いところは時代の要請によって2年程度できちんと評価指標の内容を変更しているところです。そういう意味では指標が変化した年と前年をそのまま比較するのは多少無理があるのかもしれません。
通年、秋口になると発表されるこのランキングが、今年は発表されないので不思議に思い、ネットに詳しい友人に聞いて廻っていたのですが、なかなか的を得た回答がもらえず、ならば、ということで直接編集部の方に問い合わせをしてみました。

お返事はものの数時間でいただけました。さすが!
どうもありがとうございました。

以下、簡単にまとめてみました。
*********************
2010年8月に、Webページのアクセシビリティ対策の基準である「JIS 8341-3」が改定になり、企業サイトが順守すべき基準が改定になりました。今後、多くの企業が新規格(JIS8341-3:2010)への対応を進めるものと思われます。

2010年の春から夏にかけては、以下の企業が混在している状況でした。
(1)いち早く新JISに対応すべく、新JISの原案を基にサイト見直しを
   進めていた企業
(2)新JISの公表を待って、サイト見直しに着手した企業
(3)新JISへの対応を、当面は想定していない企業

こうした時期に企業サイトランキングの調査を実施すると、調査期間中にサイトが大きく変わる企業が多く出てしまいます。また、新JISの内容が原案から変わる可能性があったため、通常のように春から夏にかけて調査を実施すると調査基準と新JISの内容が大きくかい離する危険性がありました。こうしたことから、2010年は企業サイトランキング調査の実施を見送りました。

現在、新JISの内容を盛り込んだ新しい企業サイトランキング調査を実施できないか編集部で検討中です。この結果を踏まえて、2011年以降の調査について方針を決めたいと考えています。
どうかご理解いただきますようお願い申し上げます。

今後とも「日経パソコン」ならびに、弊社の刊行物をどうぞよろしくお願い申し上げます。

日経BP社
*********************

なるほどです!

この「JIS X 8341-3:2010」については、ウェブアクセシビリティ基盤委員会のサイトにも詳しい解説がでています。

2010 ウェブアクセシビリティ基盤委員会
http://www.ciaj.or.jp/access/web/docs/jis2010/

また、富士通が用意する「WebInspector(ウェブインスペクター)」(ウェブサイトのアクセシビリティを診断するソフトウェア)のウェブサイトにも対応についてのQAが掲載されています。

http://jp.fujitsu.com/about/design/ud/assistance/webinspector/

ご参照ください。

2010年11月12日(金)更新

日本広報学会発表会に参加してきました~その2【京都】

さて2日目は京都駅前にある「キャンパスプラザ京都」で行われたのですが、私自身は観光シーズンのため京都に宿が取れず、大阪との中間にある都市からの通勤となりました。
とはいえ、急行で15分程度ですのでそれほど悪い条件ではありません。
生活習慣で朝は目覚しいらず、6時半に起床しますのでホテルのそばで朝食をとり、ゆっくりとオフィスを空けた間の仕事をこなしても余裕がありました。

この日は午前、午後それぞれテーマごとの分科会が4コマずつセットされています。
【午前】
教材バンク構想
ケーススタディバンク構想
自治体・地域の広報コミュニケーション
CSRとコーポレート・コミュニケーション

【午後】
人材バンク構想
知識ネットワーク構想
地域と中国
インターネット

私はそれぞれ「ケーススタディバンク構想」と「知識ネットワーク構想」に参加しました。

「ケーススタディバンク構想」では、

パナソニック、村田製作所、JICA、味の素、の事例をそれぞれのご担当者からうかがうことが出来ました。
私がマイとh資産化しているIABCでもたくさんのケーススタディを聴くことが出来ますが、やはりご担当者の経験や考えを伺えるメリットは計り知れないものがあり、とても貴重な機会だと思いました。
モデレーターの駒橋先生(東京経済大学)からも、このようなケースをもっと企業の方が持ち寄る、語ることが必要だ(足りない)という話が出ましたが、本当にその通りなのです。(前日の”広報は黒子”参照)

20101107kyoto1

企業担当者がケーススタディを発表するメリットについて、このセッションで面白い意見を伺うことが出来ました。

担当者が自社の広報活動をまとめ、他者に伝えるということは、自社の事業に関わる様々な部門の人にストーリーを共有する良い準備となる、とも言えるのではないか?むしろそのような社内へのフィードバックを行うことで社員の意識変革を促すことにも繋がる。また、そのサーベイをとるのが(学会的にも)重要だ。

ケースから学者が理論を組立て危機管理と海外広報に向けて企業にフィードバックさせ、産学協働を実現させていきたい。

これらは学会ならではと思いましたが、企業広報担当者の役割の一面(ストーリーをまとめ、社内で共有)をあぶりだしていました。

午後の「知識ネットワーク構想」は主に「コーポレートコミュニケーションの効果測定」に焦点をあて、さまざまな企業、大学が独自の視点を展開していきました。

このポイントは、やはりIABCでも人気のあるテーマですが、海外の企業は意外と細かい所からアプローチし、小さな改善を重ねるところから経営改善へとベクトルをあわせていくような印象がありました。
普段「戦略的」というような言葉を多用しそうでいて、確実に定量化できるところから積み上げていく繊細さもヒントになることが少なくありません。

そういう思いを持っているせいか、今回の発表では前提やステータスがいまいちの見込めていないせいもあり、発表の相関やゴールがつかめず、消化不良なまま終わってしまいとても残念でした。

また、全体に発表と比較してディスカッションの時間が少なく感じました。


さて分科会が修了し、最後はまた全体で集まり、総括と閉会のコメントを伺いました。

20101107kyoto3

広報や企業コミュニケーションを「経営への寄与」という視点から常に考えている自分にとって、広報学会は「社会学」というアプローチ(客観視点)をとっているというところが一番の魅力と感じました。

他にも参加したかった分科会があったので、事後に分科会で共有できなかった話を共有するための仕組みや機会がもう少し欲しかった、というのが本音です。

ぜひ今後も勉強していきたいと思います。

帰りはそのまま新幹線で東京へとんぼ返りでしたが、京都駅、すごい空間になっていてびっくりしました!今度はゆっくり、観光で訪れたいと思います。

20101107kyoto4

2010年11月12日(金)更新

手のうちの小宇宙~佐藤透「コアガラス」展

今週セミナーでお世話になった銀座の共同PRさんのオフィスビルの1階に「ギャラリー田中」という、素敵なギャラリーがあります。

いつも素通りできず足を止めることが多いのですが、今回も引き込まれてしまいました。

佐藤透さんという、奇しくも同い年の作家さんのコアガラスの展覧会でしたがなかなか素敵でした。
日本人好みのする、まさに「景色」が存在する繊細な作品ばかりでした。
手間や価値から考えれば、決して高くないものですが、一見で手を出すことはさすがにはばかれました。

実はバンクーバーにカナダ人の吹きガラスのアーティストの友人がおり、コレクターではありませんが彼の作品を6本ほど持っています。
会いに行ったときにやってみろといわれましたが、吹きガラスは全身で踊るようにガラスと関わるものなので、もちろん形にすることすら出来ませんでした。

たまたまお客様の切れ目だったため、作家の田中さんと少しお話をさせていただきましたが、件の吹きガラスの話をすると、

「吹きガラスが【動】だとすれば、コアガラスが製法も表現も対極で、まさに【静】」
とおっしゃっていました。

ちなみに「絵付け」された模様も、全てガラスの細い色棒の加工でなされています。いわゆる「絵の具の絵付け→焼き入れ」ではありません。

展覧会は明日13日まで。
もし近所でお時間のある方は、見に行かれてはいかがでしょうか?

佐藤透「コアガラス」展
http://marblepocket.com/blog/index.php?/archives/339-unknown.html
«前へ 次へ»