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2010年04月16日(金)更新

ソーシャルメディアの時代、人々はより感情的につながりたがっている

IABCアジアコンファレンス@香港 (2)4月8日

さて、IABCという団体の特徴は、主に以下の3点に集約されます。

1.経営課題に沿った組織横断的なコミュニケーション
2.変化(社会、ビジネスプロセス、情報技術)への柔軟な対応
3.グローバルな視点とネットワーク

話し合われるトピックは「ソーシャルメディア」や「危機管理」、
「インターナルコミュニケーション」、「ダイバーシティ」、「マ
ーケットコミュニケーション」、「ブランド」、「コミュニケーシ
ョンリーダーシップ」など、多岐にわたります。しかしそれらが既
存の役職(例えば「人事」、「広報」、「マーケティング」、「経
営企画」など)単独の組織や職能だけでは解決しづらくなってきて
いる現状を鑑み、組織横断的に議論する事で解決の糸口をつかもう
としている点で今までの職能団体と大きく異なるといえるでしょう。
今回、オープニングレセプションにおいて現IABCチェアマンであ
るD. Mark Schumannさんがあげたコメントもこの団体の特徴をよ
く言い表していましたのでご紹介します。

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20年前(1990年)のグローバルコンファレンスのテーマは

「DTPがコミュニケーションを変える。我々はもう元の世界には
戻れない」

というものでした。

そして10年前(2000年)のグローバルコンファレンスのテ
ーマは

「e-Mailがコミュニケーションを変える。我々はもう元の世界に
は戻れない」

というものでした。(笑)
そして今年(2010)のテーマは

「エンゲージメントがコミュニケーションを変える。我々はもう
元の世界には戻れない」(爆笑)

きっと10年後、私たちはまた違う潮流をとらまえ、おおいに議
論している事でしょう。

mark2

しかしポイントは、私たちは常に新しい変化を積極的に捉えつつ
も、ビジネスの軸からはずれない議論をし、プロのコミュニケー
ターとしての職能を磨く努力をしているであろう、という事です。

今後、「CEO」は「Chief Engagement Officer」を意味するかも
しれません。
ソーシャルメディアの発達を垣間見て感じることは、「人々はより
感情的につながりを求めている。テクノロジーの後押しがあって
それが簡単に出来るとわかると加速度的に広まっていく」
ということです。

さまざまなステークホルダーとのリレーションシップは常に変化し
ています。しかし目に見える世界では、変化は端的には現れて(見
えて)はこないものです。

だからこそプロのコミュニケーターの役割は、リーダーや企業の特
質をとらまえ、人々が求めていることに応えるところにあるのです。

あなたの部署は広報ですか?人事ですか?マーケティングですか?
いずれにせよ「あなたの会社にとっての真実」よりもく「社会やカ
スタマーや社員にとっての真実」という視点で対話しなければなら
ないとすれば、もはや既存の部署や役職、の立場でものを考える事
の意味は大きく薄れてきます。

これからは、コミュニケーションする相手をどうしたいか、ではな
く、自分(自社)にとって相手はどういう存在かを伝えることが大
事です。

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かつて企業の方からいただく課題の多くは企業サイトやイントラ、
もしくは印刷物とのミックスなど、ツールオリエンテッドなものが
ほとんどでしたが、解決策を探り出すと、やはりどうコミュニケー
ションの姿勢を持つか、という根源的なところを避けて通れなくな
ります。

IABCに関わるとそのヒントや解決の糸口をつかむ機会がとても
多くなります。ただ、現状では基本的に英語でのコミュニケーショ
ンということもあり、まだまだ日本では知名度の低い国際コミュニ
ケーション団体ですが、今後多くの日本の企業やコミュニケーショ
ンのプロを目指す方々に参加、関わっていただくことができるよう、
日本でのサポートを少しずつ展開して行こうと考えています。
(IABCの日本支部の開設のオーソライズはいただきました)

networklunch
ネットワークランチの様子。目の前に座ったスコットランド出身の
スピーカーに「中村をなぜスペインに行かせたんだ?不幸になるだ
けだ(彼はセルティックと中村のファン)」と言われました(笑)。
すでにマリノスに戻っているというと少し安心していました。

2010年04月14日(水)更新

IABCアジアコンファレンス@香港 (1)4月7日

先週はIABCの初めてのアジアコンファレンスに参加してきました。

一昨年のニューヨーク、昨年のサンフランシスコのグローバルコンファレン
スのときもアジアからの参加者だけでレセプションを実施しており、ぜひ
近いうちにアジアで開催しよう!といっていたものが早くも実現したので
す。
コンファレンスは水曜日の夜にレセプションパーティー、木、金の2日間で
スピーチと分科会がありました。

初めての会議だと言うこともあり、正直内容はアメリカのダウンサイズバー
ジョン、参加者の質や内容もそれほどでも無いのでは?とたかをくくってい
たところもありました。

実際に参加人数は100人弱でアメリカの規模の10分の1にも満たない
ものですが、顔が見え、打ち解けた雰囲気の中でとても話しやすかった
です。

iabchk1

また、一時期20000人いた会員はリセッション後、北米中心に15000
人ぐらいに減ってしまったようですが、アジアは安定継続的に人数を増や
しているそうです。
実際、中国、インドなどのエマージングマーケットの話は北米からの参加
者からの興味が高かったようです。

iabchk2

これから数回に分けて簡単なレポートをお届けする予定です。

2010年03月27日(土)更新

使い終わったランドセルの行方~「思い出のランドセル募金」

世の中は卒業式シーズンですね。

ウチにも小学生の子供が2人いますが、上の子は今年いよいよ6年生。
先日、小学校入学を迎え、ひょろひょろの小さな体に大きくてぴかぴかの
ランドセルを背負って通い始めたと思ったら、、、早いものです。

しかしランドセルはとても丈夫に出来ていて毎日5年使い続けても、まだ
まだ丈夫なままです。

卒業してしまえば(お古として人に譲ることはなかなかないゆえ)使いよ
うの少ないランドセル、皆さんはどうしていますか?
昨年から私がお仕事でサポート差し上げている「ジョイセフ(JOICFP」)と
いう民間の国際援助団体(NGO)があります。
国際援助団体というと海外で生まれたものが多いのですが、「ジョイセフ」
さんは1968年に日本で生まれ、すでに40年以上も活動をされています。

http://www.joicfp.or.jp/jpn/

おもに途上国の女性たちが安全な環境で赤ちゃんを産み、育てることが
できるように、家族計画・母子保健の立場から人的・物的支援活動を行って
います。

その活動のなかでもユニークなのが、この「思い出のランドセル募金」です。
日本の子供たちが使い終わったランドセルをアフガニスタンとモンゴルの
子どもたちに届けます。
2004年に始まったこの支援活動によって、すでに65000個近いランド
セルが海を渡り、かの地の子供たちに夢を与えています。


まともに教室がない地域もあり、広場にイーゼル状の黒板を持ち出し、その
前の地面に子供たちが集められ授業を行うような状況では大切なランドセ
ルが机の代わりにもなるのです。
移動する時は両手が空き、安全で丈夫なランドセルはとても喜ばれている
そうです。

4月9日(必着)までに送って頂いたランドセルに関しては、4月中旬に出発
する船に乗れる可能性が大きいそうです。
想い出のランドセルを、4月の船に乗せてやりたい!と思われる方は、1800
円の海外輸送費をご負担頂くことになりますが、ご支援をお願いします。

詳しくは下記まで。

http://www.joicfp.or.jp/jpn/randoseru/campaign.shtml


うちのランドセルは来年の今頃、海を渡る準備をしていることでしょう。

2010年03月26日(金)更新

森村泰昌展「なにものかへのレクイエム」東京都写真美術館

仕事の合間に2時間ほど時間の余裕が出来たため恵比寿の
東京都写真美術館に行って来ました。

森村泰昌さんは、80年代から一貫してセルフポートレイト写真
(有名人や芸術家に扮し、その人が写っている写真や絵画の
状況を再現する)を手がけてきました。
(ぜひグーグルなどの画像検索で「森村泰昌」と検索してみてください)

この展覧会は新作を中心に大きなプリントが見られる、とても
ダイナミックな展覧会です。
さらに、レーニンやヒトラー、三島由紀夫に扮した作者の動画
作品も多数見られます。しかもきちんと場内シアターが設置
されていてかなりの大画面で見ることが出来ます。

東京都写真美術館はスペースにとても余裕があり、天井も高
いので、写真も動画もとても見ごたえがあります。

ゴールデンウシーク明けまでロングランですが、お勧めの展覧
会です。

図録も米国の雑誌「LIFE」を模したもので素晴らしい出来です。

http://www.syabi.com/topics/t_morimura.html

http://www.syabi.com/details/morimura.html

2009年12月17日(木)更新

no man''s land 展覧会

役目を終えて解体される旧フランス大使館。
取り壊す前にアーティストに開放し展覧会(創造)の場として開放する
というなんとも粋な企画。
こんな機会がなければ2度と足を踏み入れることは出来ません。

モダンな建築でした。廊下の手すりが軽やかで華奢なところがフレンチ。
天井や床、色々なところに目が行きます。

肝心のアート作品もレベルが高く、見ごたえがありました。
来年の1月いっぱいまで。(月~水は休館)

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赤い部屋はシトロエン、隣の青い部屋はプジョーのプレゼンテーション

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見上げれば屋上にもアート

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最後だからもう好きにして良いよ、といわれるとこんなに大胆なことも出来ます

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元からあるファサードのレリーフ。これが壊されるのはもったいない

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入り口にはプジョーがアートされています

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ヨーロッパ規格の電気プラグ

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階段もデザインされています。

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隣には超モダンな新大使館が建っています。
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