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2007年06月04日(月)更新

良いことを良く伝える必要性

私の幸運のひとつは、美しく、行動的な女性の友人が多いことだ。

仕事でお世話になった方から昨年紹介していただいた女性がいる。
彼女は30代になったばかりだが、文字通り世界をまたにかけ活躍
している。

昨日、その彼女の結婚披露パーティー(2次会)に参加してきた。

昨年、最初に話を伺ったときは、あまりにも展開が広いのであっけに
とられていた。それが口だけならともかく、実際に世界を飛びまわって
その行動力の連鎖でまた新しい仕事をつかんでしまうという。

勢いとはこういうことか。

飄々とした外見に似合わない行動力に恐れ入ったものだが、そんな
彼女も、昨年の夏には身体を壊し、一度短期で入院までした。
あまり大事にならず、戻ってこれたから良かったものの、彼女も人の子
だということが判り、やはり限度を超えるのはよくないんだな、と感じて
いた。

そんなことが伏線にあったのかもしれないが、今年に入って彼女の人
生は急展開。
結婚、そしてご懐妊、という連絡が立て続けに入ってきた。
彼女のことなので、そんな人生のイベントも、また人をめぐり合わせる
きっかけにしてしまうんだろうなあ、と思い、参加したイベントには、ユ
ニークな参加者であふれていた。

一点驚いたのは、わりと若い人が多いパーティーだったのだが、喫煙
率がかなり多く、またみんな良く吸う人ばかりだったのだ。

そんなに換気の良いカフェではなかったので、煙がこもり、少々息苦し
く感じた。
新婦が懐妊していることをみんな知っているのであれば、パーティー自
体を禁煙にするとか、喫煙コーナーを作るとか、すこしだけ気を使う手
立てをしてあげればよかったのに、と思った。

喫煙者を排斥するつもりもないし、糾弾するつもりもない。
ただ、世代や習慣の問題を超えて、人々が周りを慮(おもんばか)る感受性がだん
だん減少してきているように感じるのだ。

コミュニケーションの問題はほんの少し前までは企業や社会が特別気
にする必要はなかったことなのかもしれない。
しかし状況は確実に変化してきている。

こんな時代だから仕事になるのか、と思うと、こちらも気が滅入るが、実
際にはそんなことはない。

恩師は昔、ビジネスの上でデザインの必要性について説得力を持ち得
なかった私に対し、

「世の中に良いことはあふれているが、それは良く伝えなければ受け
入れてもらえない。デザインとは良いことを良く伝える力なんだ」

と言ってくれた。

企業コミュニケーションに対しても同じ思いでいる。

久しぶりに彼女に会えて、うれしかった。
そして、新しい家庭とともに、またどんな活躍をするのか、とても楽しみだ。
いつかまた、接点をみつけてご一緒しましょう。

2007年05月28日(月)更新

小学生は電気羊の夢を見るか?

おりしも大相撲夏場所では白鵬が横綱昇進を決定付ける優勝を確定させた
土曜日だった。
その大相撲といえば、某週刊誌でさんざん八百長疑惑などと取りざたされて
いる。

それにかこつけるわけではないが、週末に小学校3年生の娘の運動会があ
った。

お昼ごはんを一緒に食べていると、娘はこう言った。

「パパ、午後の徒競走で私は2位になるよ」
なぜそうなるか聞いてみると、先日同じ組み合わせですでに予行練習を一度
やっているのだそうで、そのメンツの中ではどう見ても2位なのだと。

「でも、本番で転ぶかもしれないし、最後までしっかり走らないと判らないぞ」

と諭したものの、結果を見ると果たして2位。
彼女はしっかりがんばって走った。それで2位だからすばらしいのだが。。

運動会全体を通して感じたことは、あまり転ぶような子供がいないことだ。

昔の子供は気持ちが先行して転ぶ。そして最近の子供は足腰が弱くて転ぶ、
というようなことを聞いていた。

それなのに。

ひょっとすると、、、杞憂だとは思うが、、、

彼らはすでに見切ってやっているのではないだろうか?

すなわち、想定外のことなど起きないように予行と同じように淡々とこなすのみ。

最後の2種目になると赤組と白組の総得点板が隠される。

そして結果発表。

結果は1508 vs 1510。
2点差で白組の勝ち。

最後の校長の言葉は、「ほんの数点の差で勝敗が分かれる。最後まであきら
めるな」というものだった。絶妙である。

代休の開ける明日、学校で運動会の話題は出るのだろうか?

もっと普段から白組の伝統や名誉を教え込んだらどうだろうか?そして勝ったら
優勝旗以外にも饅頭の大きさを変えるとか、インセンティブをつけるとか。
負けることで感じる悔しさやがんばろうとする気持ちをもっと学ばせてあげたい。

そうでないとこれからたくさん味わうであろう挫折や苦しさに勝てなくなるから。
そして、そういう人の痛みを理解できなくなることが、一番の恐怖だ。

私は昔教わった先生の言葉はひとりにひとつぐらいしか覚えていないが、体育の
教師が言った言葉が忘れられない。

「優勝するのは最後の一人だけ。負けることを学ぶのが勉強なんだ。泣いている
暇があったら走ってこい」

うーん。なんだかすべてが既視感にとらわれたような微妙な一日だった。

2007年05月11日(金)更新

謎の中国人(大失礼)

ちょっとした放談会の集まりで立ち寄った赤坂の事務所にその人はいた。

入り口のテーブルでなにやら小さなビーズを選っている。
僕たちの会話には関わらないようだ。。。

一度座が開いて、会食ということになりお店に移動するとその人もついて
きた。
主宰者に紹介されたその人は今何をやっているかというと、奈良にあると
っても有名な宮内庁管轄の博物館に所蔵されている古い楽器のレストア
(修理)をされていて、しかも、その楽器を使ったコンサートなどを開いてい
る中国の古楽の音楽家・研究家だそうだ。
そもそもその時代の楽器は中国から来たもので、日本に修理できる人は
いないわけだ。
それで、この方は1980年から宮内庁の嘱託で日本に来て、古楽器復元
をされているのだそうだ。

宮内庁が海外の人を所有物に関わらせるのもとっても珍しいことだそうで、
それだけでも彼の実力が思い知らされる。

ただ、このときはこの方がどんな方かも良く知らず、僕らは一緒に鰆の西京
漬けをつつきながら、「整形してまでおっぱいを大きくしたがる女性がいるの
はどうしてか?」というような話題を(女性参加者中心に)していたのだが。。。

さて、冒頭でこの中国の音楽家の方がいじっていたビーズは何かというと
その古楽器のインレイ(象嵌)ではめ込むためのルビー片だったのだ!

まあ、この博物館の持ち主に中国から献上されたようなものですから、それ
はそれは豪華な細工が施されていたのだろう。

で、うちに帰って色々と調べてみたら、この方、劉宏軍さんとおっしゃって、
なんとあの坂本龍一さんと一緒に「ラストエンペラー」の作曲をされたとか。

「天平楽府」としてCDやコンサートも開催している。

インタビュー。
http://www.lifence.ac.jp/goto/weblifence/inta/inta8.html

よみがえったシルクロードの音色:正倉院の渡来楽器の復元
http://www.lifence.ac.jp/goto/weblifence/silk/silkindex.html

あーびっくりした。
まったくの偶然ですが、風貌が前述のサラリーマン時代の私の上司に似ていて、
とても親近感を覚えた。

今度CDを探してみよう。(ブックオフには、、、ないだろうなあ。)

2006年12月21日(木)更新

走って、初めて見える景色もある

もうひとつの会社を一緒にやっている高島さんという人がいる。
この人は、新しいサービスやお店ができると、いの一番に飛ん
でいって、まず自分で見て、味わって、経験してみるのを身上
としている。
若い頃は陸上の選手だった、というだけあって、本当に日本中
を走り回っている。
何かニュースを見ると、もうそのときはそこにいて携帯メールから
ミクシィにレポートをアップしているような始末だ。
渋谷のアップルストアがオープンしたときも記念Tシャツを求める
列の中にいて「思ったほどの行列はない」とおっしゃっていたぐら
いだ。

高島さんは、新規ビジネスやマーケティングのコンサルタントとし
て、そういう現場で感じたことを多くの経営者やマーケティング担
当者に生の声で伝えることを生業としている方だ。
昨日の「芸術起業論」ではないが、感覚値は定量評価が難しい。
「わたしはこう感じた」といわれても、「それがどうした」となっては
おしまいである。

その点、高島さんは、スピード(鮮度)と、自分の知見を圧倒的な
数でこなすことによって、その評価の精度を上げているのだ。

彼のセミナーは聞いていて飽きないし、説得力がある。
目の前の事象そのものの評論ではなく、過去からのさまざまな
マーケティングの試みが頭に入った上での評価なのだ。
さらに高島さんのすごい点は、自分と同じ目線、すなわち50前後
の経営者や管理職にとって理解しやすい表現に置き換えて話が
きちんとできる、という点だ。あたりまえのようだが、トレンドやマー
ケティングを語るとき、どうしても業界言葉や最近では技術用語
(カタカナ)がおおいが、この辺の配慮も欠かさない。

当たり前のように思えるが、こういうことをきちんとできる人が少な
いから、高島さんはモテるのだ。

来年の抱負にはまだ早いかもしれないが、企業コミュニケーション
においても、同様のスタンスを持てるように見習いたいと思う。

2006年09月14日(木)更新

判断力とスピード

10年前に1年間ほどお世話になった会社。
そのときの同僚たちと(二人は現役。もう一人は私とほぼ同時期に退社して
今はビジネスパートナー)4人で久しぶりに集まりました。

この4人は当時の社長秘書、副社長秘書、広報マネージャー、そしてオンラ
イン広報マネージャーで、しょっちゅう会っているわけではないのだけれど、
当時から不思議な仲良しチームでした。

なにしろ、辞めて10年にもなるのにいまだにこうやって声をかけてくれるのは
とってもうれしいことです。

今回も集まるのは約3年ぶり。
しかしそれぞれが持っている情報量の濃さは半端じゃない。もちろん社外秘は
絶対に話はしないけど、業界の動向や変化、今後の可能性など、さすがコミュ
ニケーションマネージャー。まるで会社の中のCIAとFBIとKGBとMI6が集ま
ったようでした。
しかし現役の彼らはいつもとても謙遜しています。退社して外に出てみればわ
かるのですが、あれほど組織変更が多く、その対応力に優れ、しかも仕事の
スピードの速さにも対応できるビジネスパーソンはなかなかいないでしょう。
「働かされている」という意識はほとんどないのですが、すごくよく働きます。
(本当のことを言えば、力の抜き方もうまいのですが)
しかもお茶目なぐらいよく遊びます。

この会社のすごさを語れ、といわれたら2時間ぐらい話できる気がします。
(お金も取れそうな気がしますが、誰か呼んでいただけますか?・笑)

この会社で学んだことはとてもいっぱいあります。
そのひとつが「判断力とそのスピード」です。

なんでもすぐ決断する。そして動く。
間違っていても人より先にその地点に戻ってリスタートすればよい。
失敗の経験も引き出しの数になりますし、その相乗がスピードの
速さにつながる、というわけです。

久しぶりにパワーをいっぱいもらいました。
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