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2008年07月10日(木)更新

今、企業に必要とされるコミュニケーション・プロフェッショナル人材とは?

セミナー等でお世話になっているPRコンビナートさんの持つコミュニティ
サイト「評判作り研究会」に「今、企業に必要とされるコミュニケー
ション・プロフェッショナル人材とは?」
というタイトルで寄稿さ
せていただきました。
http://www.prk.co.jp/hyoban/column/index.html

評判作り研究会そのものも、当初は講演会の形で進めていたのです
が、私がお手伝いした2年ぐらい前ぐらいからパネル形式でよりデ
ィスカッションや参加者の意見が反映されやすいように変わってき
ました。
先日参加した米国のコンファレンスでも、所要時間に対しいずれも
3分の2程度でスピーチを終え、より多くの時間を会話に宛ててい
たのが印象的でした。広報というと「伝える」ことが中心になり
がちですが、意識として「傾聴する」事の大事さを再認識しました。

2008年06月18日(水)更新

米国最新事例に学ぶ「明日の企業広報」セミナー実施

今日は外部会場を利用した2回目の自主セミナーだった。
1回目は試験的な意味合いが強かったので告知せず、日頃お世話になっている
方々をご招待するにとどまった。
それでも20名の方に来ていただくのは予想以上に大変だと実感した会だった
のだが、今回はそれにも増して30名もの方に参加していただき、本当に有り
難かった。
seminar0618
また、事前登録からほとんど欠席も無く、満席に近い状態に期待値の高さを思い
知った。

今回は4月に訪問した米国のコンファレンスのダウンロードが中心だったのだが
できるだけ伝聞や事象の紹介だけにとどまらず、その企業の担当者の想いや参加
者のツッコミ具合から、雰囲気や考えを伝えられたらという想いが強かった。
その分、テーマへの深い落し込みという点では消化不良だったのは事実だ。

ただ、参加した多くの皆さんからも「とにかくここから動いて行きたい」という
思いに鋭く反応してくださったことが嬉しく、それは今までになく積極的な質疑
応答でも実感できた。

多くの場合、米国のプレゼンターは6割程度の時間で発表をまとめ、質疑やディ
スカッションに充てて会話を重んじる、と言っておきながらやはり今日も質疑は
15分程度しかとれなかった(皆さんすみません)。
次回はもう少しワークショップ形式を取り入れようと思う。

実は明日はプレゼンを控え、さらに明後日から再度アメリカに勉強に行くのだが、
叱咤も含め今日これだけ生の意見をいっぱい聞くことが出来たのは、向こうで何
を仕入れるかのヒントなった。実は自分にとってはこれが一番の収穫だった。

セミナーは、特に自社開催場合、準備からかなりエネルギーを使うのだが、フィ
ードバックもストレートだし、ヒントを沢山得られるし、何よりも最大の社員教
育にもなる。ただ、一番怖いのは明日イントラに書かれる容赦のない社員からの
ダメ出しだ。夜遅くまでつきあってくれたのだから、その意を正面から取り入れ
次回につなげていきたいと思う。

P。S。
ご参加の皆さんからもコメントや質問をお待ちしています!
本当に有難うございました!
次回は夏休み開けあたりに開催予定です。
またご参加下さい!

2008年06月05日(木)更新

『DESIGN IT! magazine』6月16日創刊

お世話になっている出版社、リックテレコムの蒲生さんからお知らせ
いただいた。

この新雑誌「DESIGN IT! magazine」はビジネスを革新し、よりよい
社会を実現するために「情報技術(IT)」とITを取り巻く「情報環境」と
をデザインしていく、あらたな潮流を作るための媒体、すなわち「デザ
インからIT を考えるビジネスマガジン」だそうだ。

designit
内容としては、ウェブサイトや業務システムのUI(ユーザーインターフ
ェース)のデザインの事例や考え方はもとより、国内外の役立つ情報
とノウハウを伝えていくそうだ。
また、DESIGN IT! の共通テーマである「ストラテジー(S)、デザインマ
ネジメント(DM)、ユーザビリティ(U)、インタラクション(Ix)、情報アー
キテクチャ(IA)、コンテンツマネジメント(CM)」を機軸に据えながら、
最新の実践例や実務情報を交えて紹介するとある。

オンラインコミュニケーションも、テーマがだいぶビジネス寄りに降りて
来た、という感じがする。企業がネットの活用を考えるとき、テクノロジ
ーと並んで評価が難しいと感じているのが「デザイン」の視点とその
解釈だ。
「デザインはセンスの問題で、ビジネス側の僕らにはよくわからないか
ら、かっこよくまとめてよ」ではすまない時代になったということかもし
れない。

このようなトピックをビジネスの現場で定着させるためには、雑誌から
の一方通行な情報提供に終わらせず、現場の担当者が多くのフィード
バック(成功例のみならず失敗例や課題、疑問など)を寄せることが重
要だ。

雑誌をきっかけにそのようなコミュニティや議論の場が醸成されることを
期待している。

2008年05月30日(金)更新

企業コミュニケーションにおける写真の重要性

今までもブログで何回かこのテーマに触れてきたのだが、セミナーで紹介
するたびに後日「雨宮さんの紹介してくれたような視点でやってみた」と
いう報告をいただくようになって来た。
とてもうれしいことだ。

例えば石川県の医療法人社団、芳珠(ほうじゅ)記念病院
今年の全面リニューアルで「顔の見える」病院ウェブサイトとなり、患者
さんの安心感も増したと伺っている。
また、私のような元デザイナーには印刷用のカラーガイドでなじみの深い
DIC(旧社名:大日本インキ化学工業株式会社)さんから、創業100周
年を記念して写真集『Color and Comfort by Chemistry』を刊行した、と
聞き早速入手した。

photobook

これはDICさんがさまざまな産業分野で活躍する様子や研究開発の風景
や社員の姿などをグローバル規模で紹介しているもので、その写真の質が
とても高く、企業のビジュアルコミュニケーションを考える際、すごく参
考になる一冊だ。

オールカラー260ページの大作で、日本国内発送限定で先着100名限定とい
う条件が付いているが、なんと無料で譲っていただけるということだ。

企業広報でビジュアルの質の向上に興味のある方は入手して見てみる価値
は高い。ぜひ申し込んでみて欲しい。
http://www.dic.co.jp/present/photo_collection.html

以下、参照記事
ビジュアルコミュニケーションの重要性

企業コミュニケーションにおけるビジュアルの重要性

2008年05月17日(土)更新

これからの広報:新しいチャレンジを、確実に世に問う方策

今週実施した宣伝会議の広報の学校のように、シリーズで数回に分け
てオンラインコミュニケーション(インターネット広報)の話をさせていただ
くときに、必ず話すエピソードがある。

それはデザインの評価の定量化(良し悪しをどう客観評価するか)につ
いて語られているレイモンド・ローウィ(第2次大戦をはさんで活躍した
インダストリアルデザイナー)の考え方と、米国のコメディアン、ビル・コ
スビーの考え方だ。
ローウィは、「人の好みにはばらつきがあるが、嫌う場合の傾向値にば
らつきが少ない」と考え、マイナスの要素を注意深く取り払ってデザイン
したので結果的に「売れる」デザインを作ることができた、というものだ。

http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/114/10000544.html

http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/115/10000546.html

対してビルコスビーの考え方は、以下のような名言として伝えられてい
る。

「成功への鍵が何かは知らないが、
失敗への鍵は全員を喜ばせようとすることである。」

本来、矛盾するようなこの2つの考え方だが、実はそうではない。
言ってみれば双方とも「無謀と勇気の違い」を理解してのことなのだ。

ローウィも一見、この言葉だけでは極めて保守的でチャレンジャブルで
はないように受け止められがちだが、実際のデザインは時代を超え、半
世紀後の今でも十分新鮮に感じられる提案をしてきているのだ。

実は当時からローウィーを真似るデザイナーは少なくなかった。それはい
つの時代の花形デザイナーにもフォロワーが常に現れるのと同じ(流行・
ファッションだ。
しかし、ローウィはその裏に人々の嫌う要素を周到に取り除く計算をする
ことで、表向きのデザインの好みしかわからない企業経営者にとっても
安心してそのデザインを採用できる裏づけを提示していたということもで
きる。その差は、顕在化しにくいが、大きい。

コスビーの考え方は、受け取り方によっては、より今日のマーケティング
的とも言える。
すなわち、「市場は流動的で速く、以前のようなマスは存在しない。マジ
ョリティを狙ってそのとおりに売れるかというとそうでもない」というものだ。

しかし彼のメッセージの根本は、最初からすべての人に迎合するような
アプローチでは人種を超えた人気を得るという成功はなかったのではな
いかという実感に基づいたものなのであろう。
自分の芸にしっかり根ざしていれば、必要以上に周りを気にすることは
ないし、そのほうが結果的に受け入れててもらいやすく、自分も流され
ずに長く続けられる(た)と言いたかったのだろう。

ローウィもコスビーも、自身の持っている個性や技術、環境を考えた上で
さらに冷静に、それを確実に世に問う術を見につけていった、ということ
なのであろう。

新しいことにチャレンジをするためには多くの障壁が立ちはだかる。
しかしそれを打破するためにはきわめて周到でプロセスオリエンテッド
なアプローチが必要なのだ。

オンラインコミュニケーションというと、どうしてもマーケティング手法や
新しいツール、その表現にばかり目が行きがちになるが故、このような
エピソードをお伝えしたかったのだ。
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