大きくする 標準 小さくする
前ページ 次ページ

2006年11月02日(木)更新

Too much information

Too much information by Police

ポリスのスティングがこの曲を書いたのは今から30年前だ。
事務所のターンテーブルでGhost in the MachineのLPをたまにかける。
聞いているスタッフにとっては、「生まれる前の音楽」だ。

僕が初めてインターネット、というかその仕組みに触れたのは80年
代の終わり。
まだウィンドウズもなく、CADの図面やマックで描いたスケッチを
DOS Binaryに変換してスクリプトベースのFTPで、アメリカやヨー
ロッパに送っていた。
当時、デザインデータを3極で共有してコンカレントエンジニアリン
グを行っている会社はほとんどなく、とても興奮したものだった。

90年代の半ばにインターネットの商用利用が始まり、企業として
それをどう活用するか、じっくり考える機会に恵まれた。
それから13年が過ぎ、様々な企業からその運営や企画、戦略に関し
て多くの相談を受けるようになった。
特に最近は社内コミュニケーション(イントラ)など、悩みも具体的
で深いものが多い。

しかし、イントラであろうと、インターネットであろうと、ひとつ、
ずっと感じている事がある。

それは、みな「コンテンツを減らす」という意識が無い事だ。

「どれだけ情報をだせるか」ばかりにしのぎを削る。
サーバーの容量は大きいし、せっかくお金をかけて作ったコンテンツ。
すこしでもグーグルさまに引っかかるように。。。

しかしそれがおかげで、見る方はどれだけのノイズを毎日のように
浴びせかけられているのか。

コミュニケーションを考える時に、適切なメディアの選択と適切なタ
イミングというものがあるのではないか。
大手のメーカーの企業ウェブサイトの総ページ数は万を超える所も少
なくない。

数年前、さる大企業で
「今後、どのようなオンラインコミュンケーション戦略を持つべきか」
という相談を受けた時、
「ログから判断して7割位の情報を捨てましょう」
と提言したことがある。
ご担当者は真っ赤な顔をして怒り、そして契約を切られた(笑)。

今後、さらに情報量は加速度を増して増えて行く。
「情報の捨て方」を心得、適切な量と質の情報を届けるコミュニケー
ション感覚を持つ企業だけが、お客様の心をとらえる事ができる。

もうすぐそんな時代になる。

2006年07月28日(金)更新

PCの耐用年数

最近、自宅のパソコンを新調したのですが、決定的に壊れたわけ
ではなかったものの、5年半使っていてパフォーマンスもかなり厳
しくなってきたことと、ソフトのアップデートが出来ないこともあり、
思い切って新調しました。

現在色々な企業の方と社内コミュニケーション関連のお仕事で話
を伺うことが多いのですが、その中でよく話題が出るのは、

「会社であてがわれているパソコンが古く、朝起動して仕事ができ
る状況になるのに20分ぐらいかかる」

とか

「重いPDFファイルを開くのに5分ぐらいかかる。もしくは開かない」

など。
社内のコミュニケーションのあり方、とかを話すのと同時に、このよ
うなところで生産性の足を引っ張っていることをなかなか理解しても
らえない、という状況も少なくないようです。

実際に家庭の使い方ではあまりハードではないので5年ぐらいは
使い続けられますが、仕事場では大体3年ぐらいで買い換えるよ
うにしています。

ただ、多くの企業ではパソコンを資産(キャピタル)計上しているの
で、どうしても5年ぐらい使い続けなければならないのだそうです。

安くなってきたとはいえ、半面データのセキュリティ管理の問題など
も顕在化してきており、会社としてもそう簡単に買い換えることは
出来ないのかもしれませんね。

企業の情報化はソフトウェアやシステムを中心に計り知れない進歩
をしていますが、こんなところで足かせになっているんですね。。。

皆さんの会社ではどのようにされているのでしょうか?

2006年06月29日(木)更新

企業ブランド調査

本日の日経、日経産業、および日経エレクトロニクスに、企業ブランド調査の
結果が載っていました。

http://www.nikkei-r.co.jp/co_brand/practical01_02.html#step1

インテルは「半導体メーカー認知度」で日本の半導体メーカーを抑えトップ。
また、全体の企業認知度調査でもビジネスパーソン対象だと6位(昨年31
位)。これは松下電器の7位、ヤフーの10位を抑えてなのですごいことだと
思いました。
(総合ランキングではヤフーが5位、インテルは11位です)

日経エレクトロニクスの調査を見ていくと、インテルに続くのがテキサス・イン
スツルメンツ。これもすごい!
http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/market-news/contents/column/column3-2.html


サラリーマン時代にお世話になった2社がワンツーだというのはちょっとうれ
しい結果です。特にインテルは当然かもしれないけど、TIの頑張りには驚き
ました。

でも、その躍進を裏付けるニュースがやはり本日の日経産業に出ていました。

「インテル、携帯通信機器用プロセッサー事業を売却・多角化から方針転換」
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=MMITaa000029062006

携帯半導体ではTIの力はハンパじゃないのですね。
インテルといえども負けることはある。

反面、ただじゃ転ばぬインテル。また何か考えているのでしょう。
ビジネス系の企業広報をやられている方にとっては、今回のインテルのリリース
は「ものごとをポジティブにとらえる」の見本かもしれません。
参考になります。

http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2006/060628.htm

2006年06月21日(水)更新

短いメールほど気をつけろ

社会人になったのが1983年だから23年前ですか。いやはや。
しかしその当時、僕が所属するデザインスタジオにはネットワーク
端末とインパクトプリンター(2~3枚つづりのプリンター用紙で、
蛇腹に長くつながっていて、両側に並んだ穴にギヤをかませて
送っていく。このプリントのコピーをカーボンコピーと言い、電子
メールのCCの元になっている)がありました。

使えるのは英語だけだけど、直接米国本社とやり取りができる
のは画期的でした。ただし、手元にハードディスクもテープドライ
ブもない単なるネットワーク端末でしたので、メールを書いている
途中でシステムがダウンしたり、送ろうと思って送信ボタンを押
したら、そのままメールが消えた、何てこともしょっちゅうでした。

そのたびに端末のブースから上司やマネージャーの叫び声が
聞こえてきたのを今でも良く覚えています。

僕自身は、まだそんなに英語に自信がありませんでしたので
常に「簡潔に、伝わるように」と心がけていました。
実際、米国の同僚や上司は、英語が母国語でない私たちのメー
ルを「おもんばかる」気持ちが強かったので、それほど問題は
ありませんでした。
社内的に、日本語で電子メールが打てるようになったのは85,6
年ごろだったと思います。
問題はそれ以降に起こりました。

ついつい、英語のメールのノリで、余分な説明は避け、簡潔な
メールを書いていたのですが、ある日マネージャーから、
「お~い、雨宮くん、人事の○○さんからこんなメール来たけど
だいじょうぶかぁ?」といわれました。

要は、
「あんたの部下からこんな失礼なメールが来た。どういう教育を
しているんだ?(以下添付参照)」
というものです。

もちろん、私にはそんなつもりはなく、短いメールゆえの誤解
だったのです。
私の上司もそんなことはわかっていて、相手にしませんでしたし、
「君が誤解を解くのはそんなに難しい話ではないだろうから自分
で解決しなさい。どうしてもトラブルが続くようなら私がサポート
するよ」
といってくれました。

会社のメールで顔文字や(笑)とするわけにもいかず、それ以降
は昨日書いたように、まず、どんな手段でコミュニケーションとれ
ば最適かを考えるようになりました。
いまだ、失敗することもありますが、できるだけ「何を伝えたいか」
よりも「どう受け取られるだろうか?」を考えるようにしています。

2006年06月20日(火)更新

「電子メールの使い方」

本日の日経「ネットと文明」に「メール洪水」と題して、面白い
記事が載っていました。

社員間の情報共有にメールをつかうあまり、結果的に「読まな
いメールの洪水」になっている、というのです。

社員は保身のために同僚宛のメールに、上司へCCを入れる。
上司はそれをすべて確認していたら自分の仕事ができない、
というわけです。

これと同じ状況は、15年前に、当時勤めていた会社で起きて
いました。
そのときはマネージャーがアメリカから来るメールを何でもかん
でも転送して部下に「ダウンロードしたつもり」でいました。

転職した会社ではそれとまったく正反対の状況で、「このメール
の情報が本当に必要な人は誰か」を熟慮してからでないとメー
ルを出せませんでした。
そのルールを守らないメールはスパムとなり、徹底的に無視さ
れます。

それ以前に、タイミングと伝わり方を考えたら、今、会って話すの
がいいのか、電話がいいのか、メールがいいのか、考えてから
行動を起こしていました。

「勝てる組織であるために、まずコミュニケーションが大事」という
前に、どのようなコミュニケーションが最適か、を考える習慣があ
るのが大きい差になるのだな、と感じました。

本社に出張したとき、当時の社長(アンディ・グローブさん)のスピ
ーチライターの方とミーティングをしたとき、興味深い話を聞きまし
た。

「カズ、アンディは毎日何通ぐらいのメールを受け取ると思う?」
答えは「数十通」というもの。
みんな、本当に彼に伝えるべき内容は何か、を精査して出している
のだそうです。逆に言えば、必要と有れば誰でもアンディにメールが
出せる、ということでもあります。

この話はもう少し続けてみます。
«前へ 次へ»