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2010年06月18日(金)更新

IABC2010トロント参加記(1)

先週いっぱい、カナダのトロントに行っていました。

IABC(International Association of Business Communicators)
アニュアルコンファレンスで、参加するのはニューヨーク、サンフ
ランシスコに続き3回目です。

カナダに来るのは5年ぶり。前回は仕事のついでにバンクーバーに
住むガラス工芸アーティストに会いに行ったのですが、トロントは
バンクーバーにひけをとらない美しい町でした。

テキサスのダラスのような、ひたすら地平、というところも好きで
すがやはりウォーターフロントの街はなんとなくほっとしますね。
仕事なのでできるだけ疲れたくはないと思うものの旅費の軽減で米
国トランジットの飛行機を取りました。やはり米国入国審査はとて
も厳しく、乗り継ぎはぎりぎりで少しヒヤッとしました。

今回のデトロイトもそうですがアメリカのハブ空港の大きさは尋常で
はなく、さりとて走ると周りの人がパニックになると聞くのでなんだか
競歩しているような感じでした。
比較するとトロントの入国はあっけなく、拍子抜けするようなものでし
た。

ホテル送迎の乗り合いバスで20分ちょっとですから空港と都市の
距離を考えるとトロントは利便性の高い都市だという事がわかります。
(SFは電車で30分、)
成田は都心まで70キロ以上ありますから1時間半。
厳しいものがありますね。

torontobus

いつものことですが会場になるのはヒルトンやシェラトン。
会員価格だとは言えそれでも高いので2ブロックほど離れた安めの
ホテルを取りました。
アメリカにしては小さめのワンルームですがバスタブはあるし、ベ
ッドも大きいので十分です。
なによりここはモダンデザインで室内が木のフローリング、湖が近
いせいとフロアが6階で窓が開けられることであまり激しく乾燥し
ないので居心地が良く助かりました。

strascona

トロントはとてもわかりやすい町でほとんどの通りが縦横のグリッ
ドになっており、センターから10ブロック(徒歩20分)圏内で
ある程度まとまっているので時間があれば歩いても周れる感じです。

torontosky

ちょうど会場のホテルの東がショッピングモール、西側のストリー
トが個性的な店やブティックなどが並ぶエリア、その上が中華街、
イタリア街。まるでニューヨークのようですがあれほど高層ビルが
いっぱいあるわけではないので見通しや日当たりはよさそうです。

到着が夕方なので初日はホテルの周りを散策して終了。

toronto0609night

2010年06月15日(火)更新

Time Magazine 6/14 ワールドカップの一方、アフリカの妊産婦の現

先週、IABCのアニュアル・コンファレンスで、一週間カナダのトロントに
行っていました。
レポートはまとめて数日後に書きます。

さていよいよワールドカップが始まりました。
オープニングゲームの南アフリカ対メキシコはちょうどトロントの空港
で出発待ちをしているときに見られました。

帰国後は時差ぼけが幸いしてか、夜中のゲームは以上に集中して
見られます。(日中の午後にツケがくるのですが)

トロントで書店に寄ったとき、手に取った「Time Magazine」。
もちろん特集はワールドカップ。
しかしページをめくっていくと、そこに驚愕のフォトレポートがあったの
です。

それは、アフリカの妊産婦の置かれている現状。
十分な設備がないまま出産をすることで命を落とす母親が少なくない
というもので、たまたまなのでしょうがその一部始終を写真取材してい
るものです。
命を育むことに現代でもそんなにリスクがあるというのは信じられませ
ん。
帰国してタイムマガジンのウェブサイトに、そのフォトレポートがアップさ
れているのを発見しました。

sierraleone


英語のナレーションは簡単に要約してみました。
ご参照までに。

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アフリカ、大西洋岸に位置するシエナレオネ共和国での、妊産婦死亡の
現状のフォトドキュメンタリー


概要

シエナレオネ共和国は妊産婦の死亡率が世界で最も高い国のひとつです。

8月、ジャーナリストが立ち寄った国内最大規模の病院で、ちょうど出産した
女性に出会いました。ところがその女性は、その直後に大量出血を起こしま
した。

ドクターやナースたちが必死の処置を施しますが、間に合わず、女性は生ま
れたばかりの娘がお腹をすかして泣いているすぐ横で亡くなりました。

実はこの病院には医療物資が常備されていません。
そのため親族が輸血用の血液を提供し、点滴用の薬から綿棒といった物ま
で手に入れなければなりません。

生まれたばかりの赤ちゃんは、同じように母親を出産でなくした多くの子ども
たちのように、写真でしかその姿を見ることが出来ず、周囲から話をしてもら
うことでしか、母親の面影を知ることはもうありません。

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この状況を少しでも改善しようと働きかけているNGOが日本に存在します。

国際協力NGO ジョイセフ (財団法人 家族計画国際協力財団)
http://www.joicfp.or.jp/jp/


海外支援のNGOは沢山ありますが、日本発、しかも40年続けている団体
というのは稀有だと思います。

伺った話です。
日本も戦前は妊産婦死亡率が高く、お産にもかなりリスクが生じていたそう
です。
そこでジョイセフの創設者であった國井長次郎さんが戦後、民間団体の活動
の中で検便による回虫や鉤虫などの寄生虫駆除から公衆衛生、予防医学、
家族計画および母子保健の普及に努め、戦後復興から高度成長を支えた日
本人の健康改善に大きく寄与したのだそうです。
結果、日本は世界一安全にお産ができる国(妊産婦死亡率が最低)となった
のだそうです。
ジョイセフはその活動を基盤に国際協力という形で日本を代表し、海外に活動
拠点を広げています。

仕事を通じてこの団体の広報に関わらせていただきました。
ウェブサイトをぜひ見てください。

2010年06月07日(月)更新

HMV渋谷店閉店のニュース

残念なお話ですが音楽販売の大手、HMVの渋谷店が8月中旬で
閉店されるというニュースを読みました。

音楽がダウンロード販売へと向かう中、また、若者の音楽離れの
傾向が強まっているといわれる中、いたしかたないことなのかも
知れません。

私自身もいまだに年間数百枚のCDを買うとはいえ、そのほとん
どが中古、新品はほぼネット通販です。時々HMVにも立ち寄り
ますがいわゆる店員の方のお勧めによる偶然の出会いを期待する
時ぐらいになりました。

この渋谷店、実はほかにもいろいろな思い出があります。
ちょうど12年前に私が独立した当初、最初にレギュラーの仕事
をさせていただいたのがHMVさんだったのです。

当時の人事部長の方が声をかけてくださり、社内コミュニケーシ
ョンの強化で社内報を作りたいというお仕事を3年ほどやらせて
いただきました。

実は当時からHMVの特徴は従業員教育の徹底で、他社に比べても
格段に厳しい接客マニュアルを持っていたのです。その理解徹底の
バックサポートを面白楽しくやりたい、というのがコンセプトでした。

働く人の平均年齢が20代前半、文字離れが進んでいる中で、どう
やって手にとってもらえるか、いろいろと工夫しました。
「新聞には4コマ漫画だよね。そのぐらい柔らかくいこうよ」
の一言で、ネットで4コマ漫画をやっている人を探し、会ったこと
もないのに契約し、彼が上京してきたときに会ったら、それが入社
面談になって以降4年ぐらい一緒に働きました。これも奇遇でした。

メトロニュースを参考に、幅は給与明細スリップと同じ縦型の蛇腹
折の体裁にして、給料日に一緒に渡してジーンズのバックポケット
に入れてもらう、というところまで計算しました。

企画としてはとにかく人を紹介しようということで、各店舗ごとに
プリクラとコメントを寄せてもらい、それをそのままスキャンして
原稿にしました。これは画期的でした。プリクラの解像度と情報量
はばかにならないのです。

また、HMVさんの特徴は社員のなかからかなり大胆な抜擢で店長
に昇進する方も少なくないことで、当時渋谷基幹店ができるという
ことで初代店長になるという若い方と建築現場に入り、フロアの
ブループリントを見ながらインタビューしたのを覚えています。

そういう意味で驚いたのが、仕事を形成する人間力の強化に対する
投資の大変さです。
一昨年に行ったニューヨークでも市内のバージンが閉店し、大型
CDショップが姿を消しました。昨年のサンフランシスコも同じです
実店舗の閉鎖や縮小は時代の流れで否めないのかもしれませんが
このようなノウハウや人的資産が可視できなくなるのは本当に
つらいことですね。
ユーザーレビューだけでなく現場で見る担当者のお勧めがネットで
もうまく活かせることを期待しています。

わたしにとっては一番レコードやCDにお金をかけていた時期に通
ったのが六本木のWAVEでした。WAVEが閉店した時期にできたのが
HMV渋谷というのも時代でしたね。

今、音楽を通じてほっとするのは身近に20代前半でレッドツェペリン
を聴くような友人(!)がいることでしょうか。

一昨日からIABCのコンファレンスでトロントに来ていますが一番
最初に買ったのはパールジャムのLPでした。
しかも新品です。(やれやれ)
まるで原宿のようなファッショナブルな表通りにも、そのような
レコードショップがまだ存在するのでとてもほっとします。

2010年06月04日(金)更新

明日からトロントに行って来ます。

明日から1週間、カナダのトロントに行って来ます。

今年で3年目ですが、
IABC(International Association of Business Communicators)という
ビジネスコミュニケーションのプロフェッショナル団体の年次コンファレ
ンスに参加します。
実はここの所、納品、見積り依頼、コンペが続き、加えて月末の処理
でばたばたしている状況でしたが、年に一度の大事な情報収集の場
なので今から行くのが楽しみです。(準備はほとんどしていません)

職能を限定せず、広報、人事、総務、経営、マーケの人たちが集まり、
企業におけるコミュニケーション課題を議論するという場はまだまだ
日本では稀有なので沢山の刺激を受けます。

3度目の正直ですが、今回は帰国と共に日本でのIABCの活動を本格
的にはじめるつもりです。
来年は皆さんも一緒に行きませんか?

今年はメーカーの方も同行し日本からは5名参加します。
(うち1名は沖縄の海兵隊広報のアメリカ人の方ですが)

欧米企業の事例や考え方が、即多くの日本企業に適用できるとは考
えていませんが、彼らは常に物事の解決にチャレンジがあるのです。
ノウハウではなく、その思考だけでも学ぶものが少なくありません。

出来ない言い訳をやめたときには使えるものが多い、と申し上げてお
きましょう。

それでは!

2010年06月04日(金)更新

雑誌「PHOTOGRAPHICA」19号

写真は好きですがあまりうまくありません。
昨日の展覧会もそうですが、ここのところ写真雑誌や展覧会を
よく買っています。

今日は午前中に大型書店でブレストウォーキング(本を見ながら
歩くと発想がわく)をしていたのですが、偶然目に留まった写真
雑誌が「PHOTOGRAPHICA」19号でした。

前号は4月に見に行った写真美術館の森村泰昌の作品の特集
でした(会場で売っていた図録のほうが断然良いですが)。
今号の特集は「日本人の肖像」。

photographica

これがすばらしい!「うめかよ」さんと「荒木経惟 」さんの2本立て。

「うめかよ」さんといえば、じじいの頭の上にバナナやセミの抜け殻
乗せて写真とってしまう人ですが、被写体の子供や老人が心を
開いているのが伝わってくるんですね。
まるで親子で写真を撮っているようです。

荒木経惟 さんの特集も画期的なのです。
一昨年に熊本市現代美術館で開催された「熊本ララバイ」の母子像
が特集されています。
これは先日日比谷のギャラリーで数点だけ見ることが出来たので
すが、熊本展の目録は当時の会期中に売り切れ、現在ヤフオクで
2万円近いプレミアが付いています(異常)。

赤ちゃんを抱いたお母さんのヌード。でもそこにあるのは母ではなく
「女」。これは荒木さんにしか撮れないのでしょうね。

現物は等身大以上の大きさのプリントでしたが、本でも十分楽しめ
ます。ヤフオクに手を出さなくてよかった(笑)。
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