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2007年07月11日(水)更新

企業コミュニケーションを考える~企業広報誌

以前にも触れたことがある富士ゼロックスの企業広報誌「グラフィケー
ション」だが、秀逸なのは企業の宣伝臭さが皆無なことだ。

http://crossmedia.keikai.topblog.jp/blog/105/10003185.html

今回の特集のひとつは「暗黙値と技術教育」というもので、元旋盤工
で、厚生労働省は毎年選ぶ卓越技能者(いわゆる「現在の名工」)の
総合審査委員の小関さんのコラムだ。
ものづくりの技のうちでも、数値や記号で表現が可能なものは「技術」
で、いわゆる「カン」とか「コツ」とか、数値化ができない属人的な暗黙
値ともいえる技を「技能」と読んでいる。
最近では、工作機械がNC(コンピュータ制御)になってきていて、操作
を覚えれば一定の品質の製品ができるはずなのだが、その工作機械
の発するわずかな音の違いで異常に気づくのは、このような技能を持
った人間だけなのだそうだ。(工作機械メーカーは、実際に誤動作が起
きるまで「異常はない」としか言わない)

人間不信のものづくりから人間信頼のものづくりへの見直しが急務だ
という。
これはまさにITツールばかり先行して、根源的な問題を置き去りにし
ている企業のコミュニケーションと同じではないか、と思ったら、その
次のコラムが「ビジネスマンにとってのコミュニケーション能力とは?」
だった。
なにか、見透かされているような絶妙な誌面構成だ。

興味があれば以下のページから購読申し込みが可能だ。(無料)
http://www.fujixerox.co.jp/company/fxbooks/graphication/index.html

また、「ここの企業の広報誌はオススメ」というものがあれば紹介してい
きたいので、自薦他薦問わず、紹介していただきたい。

2007年06月29日(金)更新

企業WEBサイトの危機管理事例

年初の不二家に始まり、給湯器、エキスポランド、温泉、食肉加工と
今年も企業の不祥事や事故などのニュースが絶えない。

しかも、不祥事の場合は発覚する理由のほとんどが内部告発にある
という。
正しいことをきちんとする。
当たり前のように見えて、長くビジネスをしていると緩みが習慣化して
くることもあって、意外に襟を正すきっかけを失ってしまうのかも知れな
い。
どんな企業にとっても「対岸の火事」と言い切れない状況にあるので
はないだろうか?
年に数回、企業のオンライン危機対応の話をすることもあり、日ごろよ
り事例を集めている。
危機管理の場合、何かが起きたらその企業のサイトを見に行って対
応をクリップすればおしまい、ということがない。
直後、一週間後、一ヵ月後と定点観測することでその企業の対応姿勢
が見えてくる。

そんな話をニューズツーユーさんより、コラムとしてまとめて紹介する
機会をいただいた。

読みやすいボリュームで事例中心にまとめてみたつもりだ。
一読いただければ幸いだ。

No.1:緊急対応用WEBサイト「シャドーサイト」の効用

No.2:危機対応~継続の視点

No.3:ブランディングとロイヤリティの維持

2007年06月25日(月)更新

中小企業のブランディング

先週は、ある大手銀行の法人経営者向けの広報誌の取材を受
けた。

テーマは
「中小企業のブランディングについて」
というものだが、

3部構成で私以外のパートが外資系大手CI企業の社長と日本
の大手CI企業の社長というもの。

わたしに求められているのは、どうやらCI的な観点ではなく、「ヒ
ト、モノ、カネ、情報」の限られている中小企業において、どうすれ
ばブランドを作っていけるか、というアプローチについてのようだ。
それにしても、他社2名に対し、つりあうのか?という疑問がぬぐ
えなかったが、私としてはお世話になっている「経営者会報ブロ
グ」や「日経ベンチャー経営者倶楽部メンバーズサロンSNS」な
どで実際にお会いする多くのユニークな経営者の方の顔が浮か
ぶので、その方々を意識しながら話をさせてもらった。

内容の詳細は、この冊子の発行を待って、ということになるが、
中小企業のブランディングの特徴を一言でいえば、「経営~社員
~顧客~社会までの距離が短い」という事に尽きる。
すなわち、アクションのスピードが速ければそれだけフィードバック
や積み重ねも迅速に行われる(逆もまた真なり)ということだ。

そういう意味でも、これらのブログポータルや経営者SNSは強力
だ。
過去、中小企業の経営者は孤独だった。
どうすれば商売がうまくいくか、答えは本屋には置いていなかった。
しかし少なくとも今は、生の声や意見を聞くことができる。同じ時
代に同じ考えを持つ人がいることを確認でき、協力することもでき
る。
そのあたりのお話をわかりやすくお伝えしたつもりだ。

http://www.smbc-consulting.co.jp/company/businesswatch/mit/

2007年06月20日(水)更新

ワークショップ実施

昨日は仕事仲間の小杉さんの紹介で、午後いっぱい、東京ビッグ
サイト国際展示場のそばのファシリティにて、ある大手ウェブインテ
グレーター企業の新人研修を行ってきた。

テーマは
「Webのメディア特性と企業コミュニケーション」

4月よりかれこれ3ヶ月、みっちり鍛えられている若い人たち30人
あまり。
しかもこれからある意味ではライバル候補生だ。

しかしこういう状況こそ俄然やる気が出る。
なぜならば彼らがこれからの企業のオンラインコミュニケーションを
変えていく必要があるからだ。
普段のオープンセミナーでは、かなり時間をかけないと、質問が多
数上がってこないことが多いが、慶応SFCにしても、小杉さんの関
わるセミナーでは参加者の反応が違う。

これもひとえに、自然体で「自分にとって心地よいこととは何か」を
しっかりと伝えているからだろう。

しかも今回はセミナーだけでなく、ワークショップを行うことができた
ので、短時間ながらも「企業Webサイトの見かたに対する気づき」を
実体験してもらうことができたのではないかと思う。

本当はベンダーサイドだけではなく、企業担当者サイドでも同様の
知見を高めていけば短時間での底上げができるのではないだろう
か。

今後は今回のようなワークショップを含んだセミナーを増やしていき
たい。

詳しい内容をお知りになりたい企業、研修会社、代理店、インテグ
レーターの方は、ご連絡ください。
8月後半は比較的空いております(当たり前か・笑)

2007年05月22日(火)更新

成功するコミュニケーションとは?(ニッサン・スカイライン試乗記・序章その2)

昨年、この経営者会報ブログをスタートするちょっと前に米国のあるコンファレ
ンスに参加した。

これは「New communication forum」というシリコンバレーで開かれた会合で、
簡単に言えば、立場を超えて(広報、広告、マーケティング、ジャーナリズムの
企業側とメディア側、あわせて8極)、エマージングテクノロジー(ブログやRSS
などのオンラインテクノロジー)を企業としてどう扱うか、腹を割って話そう、とい
うものだ。

私も当初は「進んでいる米国の事例を少しでも聞ければ」というような意識でい
たが、事前に主催者とメール交換していると、「日本からの参加者はあなたたち
だけだから、日本の事例も紹介してほしい」といわれた。
この会合は2日半で200名弱の参加者だったが、本当に熱かった。
たとえば、あるPRエージェンシーの女性が、
「危機管理の観点もあるので、クライアントの会社の社長のブログは聞き取り
インタビューだけで弊社でゴーストライティングをしている」
と言ったとたん、その分科会の会場に参加していた15人ぐらいの様々な立場の
人たちがほぼいっせいに椅子から立ち上がらんばかりの勢いで「No~!」と
返答した。多少間違っても自身の声で語らなければ何かあったときに余計に波
紋を広げるだけだ、というのだ。
立場の違いを認識しながら、それぞれがどう受け止めるかが認識できるので、と
ても参考になった。
私としては、まだまだディベーティング文化の根付いていない日本で、マーケテ
ィングブログではなく、社長ブログとして自身で実践されているのは、この経営者
会報ブログが始まる前は、ニフティ社長の古河建純さんなど、まだ一握りだと紹
介せざるを得なかった。
古河建純 インターネットBlog

すごいのは、参加者が参加しながらその場で自分の意見をまとめ、自分のブログ
にアップしているのだ。
当初はこういう会合が日本にないものか?と探していたのだが、参加者の意識
がまったく違うことを思い知った。

逆に言えば、こういう意識付けをしっかり行わない限り、コミュニティの継続と成
功は難しい、ということだ。

社内コミュニケーションについても同じことだと思う。

社内報の代わりにブログを導入して成功する企業もあるし失敗する企業もある。
社内SNSを導入して暗黙値を蓄積できた会社もあれば誰も使わず3ヶ月で
あきらめた企業もある。
リッチなイントラを持たなくても、洗練された電子メールの利用規定を持つだけで
生産性を上げる企業もある。
グループウェアを持たなくても、社内メールをほとんど使わなくてもイントラネット
だけで効率化している企業もある。

それは、ツールだけでは解決できない問題を認識しているか?が分水嶺だ。

オフ会のあと、そんなことを考えながらスカイラインで深夜に帰宅した。
実を言えば、運転そのものに対する緊張感を強いられたのは銀座を抜けて国会
議事堂の横を抜けるぐらいまでだった。

「スポーツカー」と気負っていたのは杞憂に過ぎなかったのだ。
お借りしたのが3000キロしか走っていないさらの新車、ということもあり、ブレー
キのタッチがシビアだというぐらいで、そのほかは拍子抜けするほど普通。
乗車姿勢も挑戦的なものではない。

ただ、青山一丁目の広い直線で軽く踏み込んでみたとき、

「ああ、なるほど」

と思える、スカッとした加速を確認した。

最近の車なので、ハイテク満身創痍なのだが、センターコンソールのアナログ
時計が、ほっとさせてくれる。これもスカイラインならではのチャームポイントだろう。

帰宅してマンションのゲストパーキングに停めると、新車特有のエンジンの焼ける
匂いが少しだけあがってきた。

昼間福岡でセミナーをこなし、帰京後にオフ会、そしてスカイラインのピックアップ。
長い一日だった。

翌日はいよいよこのクルマで小淵沢までドライブ。楽しみだ。
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