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2007年05月21日(月)更新

宣伝会議九州:広報担当者セミナー

先週は宣伝会議さん主催の広報セミナーで福岡に伺った。
このセミナーで福岡に伺うのは2回目で、実は来月もブックされて
いるのでとても楽しみだ。
広報・宣伝担当者講座
行こうと思えば日帰りも可能なのだが、前日に懇親会があり、ここ
で出席者の方と直接お話できる機会をいただいている。

セミナーも一方的に話して終わり、であればそれはそれで楽なの
だが事前や事後にすこしでも時間を取れると話し易くなるし、現場
の皆さんが抱えているなやみや課題を聞くことができる。
これが貴重なのだ。
(決して博多ラーメン食べられるとか、そういうのではない)
福岡の素晴らしさは、なんといっても空港から都心部まで地下鉄で
10分!これに尽きる。すごく便利だ。
また、繁華街の大名は渋谷と裏原宿を混ぜてコンパクトにした感じた。
ゴハンは美味しいし、文化度も高く素敵な街だ。

参加者は20数名だった。
オンライン(WEBを活用した)コミュニケーションを、事例を中心にお
話をしたのだが、できるだけ自社のこととして考えていただきたかっ
たので、あらかじめ参加者の方々の企業WEBサイトをクリップし、
一言講評コメントを紹介していった。

これがわりと好評だったのでうれしかった。

特に、通信やインフラ関係の全国規模の大企業の地方支店や営業
所となると、デザインやコンテンツ、フォーマットも決まっていてなかな
か独自のコンテンツなど展開がしづらい、という。

この状況は、外資系の日本子会社でも同様だ。

かつてのクライアントで、本社が

「本社の英語のWEBサイトの翻訳以外にコンテンツの改ざんや追加
を認めない」

と言ってくる、というところがあった。

この場合、
1.ブランドやCI、見た目はほとんどいじらない
2.ただし、マーケットの違いによりメッセージは多少変えざるを得ない
3.その結果、コンテンツにも相違がでてくるのは必至だ

というような三段論法で応えてきた。
ただし、大事なところは、1~3において本社と支社で重複するところ、
共通するところはどこか、を必ず明文化することだ。
これによって初めて信頼と委任を勝ち得ることになる。

その上で、その地域の支社なり、営業所なりの独自メッセージを作って
いけば、地場のお客様との距離も縮まるのではないだろうか?

2007年04月04日(水)更新

企業の”評判”を考える~レピュテーション・マネジメント

昨日、一昨年にパネラーとして参加させていただいたPRコンビナート
株式会社の「評判作り研究会」に参加してきた。

http://www.prk.co.jp/hyoban/seminar/index.html

今回は「企業の”評判”を考える~レピュテーション・マネジメント」とい
うテーマで、東洋大の井上さん、東京経済大の駒橋さんという先生二
人とPRコンビナート社長の橋爪さんの3名のパネルだった。
井上先生のコメントで、

「レピュテーション(評判)は企業の内から始まる」

「良いレピュテーションを構築するには、
1.ステークホルダーとのコミュニケーション
2.一貫したメッセージ
3.その基礎となるアイデンティティの確率
が重要だ」

というメッセージが印象的だった。

また、井上先生は最後に、

「現在の企業組織は部門ごとにメッセージラインが縦割りで、レピュテーション・
マネジメントを行ううえでも、これに横串を通す横断的なコミュニケーション統括
組織が必要だ。」

と、私がいつも言っているようなことでまとめているのでとても驚いた。
共感できるコメントに触れることができ、久しぶりに参加した甲斐があった。

ただし、

「このような組織を実践している例はあまりまだ見かけないので提言として聞いて
ほしい」

とのことで、聴講者からはやはり質問よりも
「本当にそこのところをどうやればいいのか 、悩んでいるので答えを聞きたかった」
という意見が多かった。

実際、今回のパネルは、橋爪社長が多くの企業にパネラーとしての出席を打診した
そうだが、ことごとく断られたそうだ。

まだほとんどの企業で、コミュニケーション・マネジメントができていないことの証左
ではないか。

会場で腑に落ちてすっきりしているのはほとんど私ひとりではなかっただろうか?

なぜなら、15年前、当時テキサス・インスツルメンツでやっていたことはまさにこれで、
TIのうまいところはWEBの商用活用がスタートする時期に、

「この新しいコミュニケーションメディアをどう使うか、みんなで考えよう」

という目的で、このような横断的コミュニケーション統括組織を作っていたのだ。

この状況はその後転職したインテルでもまったく同じだった。

すなわち、欧米の多くの企業はこの時期にWEBを通じた企業コミュニケーションの
戦略や体系を構築することを”きっかけ”にコミュニケーション統括部門を機能化させ
ていたので、その後も技術の進歩にも踊らされることなくWEBを活用し続けることが
できているのだ。

反して多くの日本企業は、広告代理店主導でWEB導入を、しかもほとんど部門単
位の最適化で10年続けてきたから、こういう組織が必要だと思っても、現場のコミュ
ニケーション統括担当者は存在せず、仮に広報などの部門で意識があったとしても
オーナー(経営者)をくどくことができない出いるのが現状ではないだろうか。


自分が独立した理由は上記の成功体験によるものだが、独立当初から6年ぐらいは
ほとんど理解されずWEBインテグレーションばかりやってきた。
こういう提案を受け入れてもらえるようになったのは本当にこの数年のことだ。
だから僕らのビジネスもまだまだ手探りなところがあるのは否めない。

やはり体系化してサービスを明示することが急務だと再確認した。

最後に橋爪社長は、

「コミュニケーションとは価値を学習しあうことだ」

とおっしゃっていた。
まさに今、企業ではそこで働く人が働く人同士、あるいはステークホルダーと会社や
仕事の価値を考えあう機会が必要なのだ、と感じた。
WEBはそのツールだ、と考えると、企業にとってのWEB活用の明確な指針が作れ
るのではないだろうか。

2007年03月16日(金)更新

ホーム&アウェイ

最近地方のお客様が増えてきた。
昨日は日帰りで名古屋へ。

たびたび引用する高城剛さんの名コメント:「発想と移動距離は
比例する」だが、ほんとうにこれは真理だと思う。

本来、仕事でベストを尽くすために、行き帰りの電車ではできる
だけ体力を温存しておくべきなのかもしれないが、行きの車内
では、考えがどんどん浮かんでくるので、同行したスタッフにず
っとしゃべりかけていた(迷惑ですまん)。
話しながら自分で整理していたので、自分としてはとても助かっ
た。
本当は電源のもちが良く、立ち上げも早い、ハードディスクでは
ないシリコンドライブのサブノートPCがあるといいのだけど。。
帰りはずっとノート(紙の)を広げてマッピングしていた。。
いまのところ限られた時間に考えをまとめるには、これが最短で
最適のプロセスだ。

肝心の仕事のほうも、想定したシナリオでお客様をサポートでき
たので、これも一安心。

体力的には疲れが残るが、スジャータのアイスクリームがあれば、
新幹線の中も「走る創造庫」だ。アウェーのプレッシャーも跳ね返
すことができる。

来週もセミナーが2本。今度はホーム(東京&川崎)なので、アイ
スクリームは無し。
逆に気が緩まないようにしないといけないな。

みなさん、良い週末を!
わたしはこどものお守りをしながら読書三昧です。

2007年03月13日(火)更新

皆さんの仕事内容は3年前と同じですか?(その2)

「仕事に変化のない広報・コミュニケーション担当者は将来厳しい」と、
なんともきつい書き方をした。
でも正しくは「広報に変化のない企業は厳しい」だ。

もちろん今まで同様、メディアリレーションは行われるし、社内報は
出版されるだろう。
しかし、それらによって会社がどのように理解されるのか、の道筋は
はまったく変わってしまう。なぜならITツールの発達で自分の手元
でコントロールできる情報がどんどん減っているからだ。

担当者にとって、これはチャンスなのだ。
今までのままでは、広報コミュニケーションの職能そのものに対する
昇進やプロモーションのチャンスは限られている。
海外に比べ、コミュニケーションプロフェッショナルの認知は皆無に
等しいのだ。
言ってみれば、世の中の変化で、とうとう企業広報やコミュニケーシ
ョンの担当者も飛躍できる機会がやってきた、ということだ。

さて、ITツールだ。

「やっとWEBサイトをリニューアルしたところなのに、イントラ、ブログや
コミュニティ、と言われても理解しきれず、怖くて活用できない」

という意見も多く聞かれる。

しかし問題の大半は、ツールの理解不足よりも、経営課題やその目
的と、コミュニケーションを通じて目指すゴールが共有されていないこ
とのほうが圧倒的に多く、ほとんどが社内の担当者(および多くの社
内関与者)がこれらを解決するプロセスを持っていないことに起因し
ている。

ここで担当者がツール導入のみに走ることは得策ではないばかりか、
却って泥沼にはまることになりかねないことがわかる。

たとえば、
「社内のコミュニケーションの活性化に全社ブログを導入した」
としても、何の準備もないで始めただけでは、

「いったい何のためにわざわざ時間を割いてこのブログを見たり書い
たりする必要があるの?」

と言われるだけだからだ。

もしくは最初だけものめずらしさで特定の人が書き込むが、だいたい
3ヶ月で沈静化する。これはユーザーを巻き込むことを前提に作られた
コミュニティサイトも同様だ。

今までのコミュニケーションプロジェクトは自部署のみ、もしくは自分
ひとりで運営管理できたかもしれないが、これからは社内の関与者が
増え、それらの人との協調が重要になってくる。
社内調整能力とマネージメント能力。
この二つに「コミュニケーション能力」を加えた3つのスキル。

じつはこれこそ、今、企業が働く人に一番求めている能力なのだ。

自分の新しいポジションの先に、様々な可能性が見えてくるはずだ。

2007年03月07日(水)更新

皆さんの仕事内容は3年前と同じですか?(その1)

インターネットや情報技術の発達が企業で働く私たちにとって
何を意味しているのか?
そのヒントとなる本が手元にある。

1993年
リエンジニアリング革命
マイケル ハマー

1999年
なぜ日本企業では情報共有が進まないのか
田坂 広志

2000年
チェンジ・リーダーの条件
ピーター・F. ドラッカー


どれもうまくすればコーヒー一杯以下の値段で古本屋で買えるが
ひさしぶりに手にとってみても、いまだに新鮮な感動を覚える。
なぜなら、日本の世の中において、これらの本の中で語られていた
警鐘は、一向に改善が見られないばかりか、さらに悪化しているの
では?とさえ思えるからだ。

正確に言えば「リエンジニアリング革命」はインターネット前夜に書
かれたものだが、実感としてこれらの本で語られているパラダイム
シフト(共通概念や価値観の変化)とインターネットや情報技術の
発達はシンクロしている。

しかし人というものは、えてして自身に変化を受け入れることは苦
手なのかもしれない。
その間にも、ますます技術は進歩していく。

今、企業の中で顕在化しているコミュニケーションクライシス(危機)
はこのようなギャップを見直すことを怠ってきたツケのような気がして
ならないのだ。

以前は、
「企業のコミュニケーションやPRにとってのネット活用について講義
やセミナーを行ってくれませんか?」
という依頼が多かった。

最近では
「世の中の変化に対し、企業コミュニケーションや広報の業務は
どう変わるのか?」
という話に変わってきた。

もし今、自分の仕事(やそのプロセス)が3年前と変わっていないよう
なら、今から3年後を疑ってみることだ。

そのときに選択肢がない状況はあまりにも厳しいのだが、、、
(続く)
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