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2010年03月03日(水)更新

Alex Lim Thye Aun, Creative Director

世界的な大手広告代理店、レオバーネットのシンガポール支社の
クリエイティブディレクター、Alex Lim Thye Aunさんのポートフォリオ。
シンプルで強いメッセージ。
そしてアイディアがとっても新鮮です。
annualcityexhibition

紹介した「The Annual City Exhibition 2008」や「Singapore
Architects Directory 2008」のポスターなど、アイディアだけでなく
労力がかかっていて簡単にまねが出来ないパワーがあります。


http://thyeaunlim.blogspot.com/

2010年03月02日(火)更新

おくやみ 皆川正(まさ)先生

日本の工業デザイン創成期の重鎮の一人で、約30年前、東京造形大学で
おせわになった当時主任教授であられた皆川正先生が2月20日にお亡くな
りになりました。

わたし自身は当時ロクに勉強もせず、先生にお世話になったなどと、えらそう
に言える身分ではありません。

正直、卒業後にまともに仕事が出来るようになるのに時間が掛かりましたし、
その頃は「もう少しまじめに勉強しておけばよかった」と後悔したものです。

ただ、勉強せずとも先生の思い出というのは印象深く心に残っています。
先生にお返しできるものはありませんが私なりに3つのエピソードをご紹介
します。
当時の東京造形大学の工業デザイン科の2次(実技)入学試験は、

「魚をモチーフに平面構成を作れ」

というものでした。

美大の入試というのはデッサンもそうですが、周りを見渡すことが出来るので
他人がどのようなことをやっているか、多少見えるのが面白いのです。
平面構成ですからグラフィック模様のように魚を並べる人もいれば、なにか
観念的に魚の動きを表現している人もいました。(なぜか覚えています)

僕自身は狭い生け簀の中を縦横に泳ぎまわっているような構図で描きました。

なぜこんな出題をするのだろう?という疑問は大学に入って解明しました。

実は皆川先生は、工房で出る木っ端(生徒が実習で制作する課題に使った
木材材料の端材)を削り、魚の造形物をよく作られていたのです。

それらはホンモノそっくり、というよりは魚の動きを形にしたオブジェという
もので、僕たちも授業でまねて作らされたこともありました。

これは基礎造形を生み出す創造性を鍛えるにはとてもよいトレーニングだ
ったと(サボっていた人間がいえる筋合いではありませんが)思います。

粘土でも良いのですが、木を削る造形は木目も相まってとても面白い表現
が可能になります。
新しい形を生み出す仕事をしている方にとってはこのような趣味(トレーニン
グ)は自分のアイディアの引き出しを作る良い機会となるでしょう。

もうひとつの先生の思い出は就職のときにいただいた温情です。
つまらない自分の落ち度である自動車会社の入社試験に失敗したわたしは、
研究室にいる先生の元に報告に行くとこっぴどく怒られました。
本来であれば「もう知らん」といわれて終わるところでしたが、
「私が紹介できる会社はもうないけれど、そこに来ている求人の封筒のなか
で受けられるところがあれば武士の情けでもう一度だけ推薦状は書いてやる。
しかしもう一度だけだ」
とおっしゃっていただけたのです。

まじめな学生ではありませんでしたが、今に至るきっかけを作ってくださった
のはまちがいなく先生でした。

3番目は、卒業謝恩会で先生がおっしゃった言葉が忘れられません。
それは
「まだまだ世の中にデザインの価値は十分に理解されているとはいい難い。
だから諸君はずっと工業デザイナーを辞めないで一生の仕事として続けて
それを世に問うて欲しい」
というものでした。
正直、自分がデザイナーからコミュニケーションの仕事に移ろうと考えたときは
この言葉が脳裏をよぎり、かなり逡巡したものです。

もちろん後悔はしていませんが、仕事の中にデザインマインドやクリエイティビ
ティ、その価値を訴えられるように心がけています。

ご挨拶もできないまま30年近くがすぎ、このようなお知らせを聴くことになる
のは残念なことでした。

最後に、ほとんどの授業は上の空でしたが、ひとつだけ印象に残っているのは
扇風機のデザインをされたお話でした。
日本の扇風機が今のように3枚羽根になった最初のデザインをされたのが皆川
先生で、それ以前はすべて4枚羽根だったそうです。

2010年02月17日(水)更新

大阪に行ってきました。

昨日は日本経営協会関西支部主催の全日セミナーで
「企業ホームページ活用見直し講座」
というタイトルで
お話をしてきました。

日本経営協会さんにはお世話になって丸2年、だいたい
年2~3 回ペースで開催していたのですが、昨年は市況
の悪化で集客が滞り、一度 キャンセルになっていたので
約半年ぶりでした。
参加者数はそんなに多くはありませんでしたが、皆さん
切実な課題を抱え質問も積極的にいただけたので、とても
やりがいを感じました。

終了後、事務局の方からさっそく年内次回スケジュールの
打診をいただき、とてもありがたかったです。
少しずつ景気も回復基調にあるのだと良いなあと思います。

実は昨年あたりから大阪でのセミナーやお客様先訪問が
増え、ここのところは毎月のように訪問しています。

しばらくはセミナーで一日、一泊して翌日お客様とのミーテ
ィングをこなして帰京、というようなパターンが続くかも知れ
ません。

一日置いて明日は宣伝会議の全日セミナーです。
ここ数日は喉を痛めないようにマスク着用の毎日です。

2010年02月03日(水)更新

世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる

面白い記事を拾いました。
「主要国における新聞・雑誌やテレビ(要はマスコミ)に対する信頼度」
についてグラフ化したものですが、「新聞や雑誌」、「テレビ」などのマ
スコミに対する信頼度は日本がずば抜けて高いのです。

しかしこれをして「日本人はいまだおめでたい」と片付けるのは尚早の
ような気がします。
なにしろソーシャルメディアの発展はこのあと急激に起きているのです
から。
実際には上記の調査は2005年とちょっと古いものなのですが、これを
補足するような資料が外資系PRエージェンシー大手のエデルマンさんの
サイトにアップされています


これは非常に面白いです。
過去と照らし合わせてみると2005年以降、マスコミへの信頼度は低下
傾向がはっきりみられています。

興味深いのは2007年当時で日本のオーディエンスは企業のブログより
ホームページを信頼する傾向にありますが米国ではすでに逆転してい
ます。すなわち、記名で生の声のほうが信頼できると判断しているのです。
特に米国のコーポレートブログは意見にもきちんと対応するものが多く、
それゆえの結果だと思いますので、流しっぱなしで対応しない(コメントを
受け付けない)日本の企業ブログではやむない結果かもしれません。

昨日はソフトバンクさんが四半期決算の株主総会をストリーム放送で
同時中継しました。
同時期に約6000人ぐらいの人がメディアの質疑応答まで見ることが出来、
しかもツイッターでコメントを滝のように打ち合う、というものでした。
孫社長は総会の寸前までツイッターでユーザーの声に耳(目?)を傾け、
気に入った提言には「それいいですね。すぐやります!」と答えていました。

softbank

閉会後は一瞬ですがそのライブストリーム画像の画面が会場にも映り、
参加者からも「自分の発言とアイコンが映った」とコメントが流れ、いままで
にない、とても臨場感のある画期的な総会だったと思います。

可視化と対応の早さがすべて、でした。
確実に変わっていく会社だ、と感じました。

2010年01月22日(金)更新

ググレカス

仕事柄、検索エンジンを使わない日はありません。
最近はiPhoneを持ち歩いているので、いつでもどこでも気がつけば
すぐ「検索」で確かめます。

ウェブはある意味集合知ですから検索結果をいくつか見比べてみ
れば事の真偽や意見の方向性なども見えてきます。

しかし大事なことはそれらを鵜呑みにせず、「自分の判断」を持つこ
とです。
ましては最近では検索のみならずツイッターなどでは知人や友人、
気になる人の意見や考えがどんどん流れてきますから黙っていても
「ほう」とか「へー」を連発してしまいますよね。対それに流されないよ
うにしないとノイズメーカーと呼ばれてしまいます。
実はこれは自省をこめて書いているのですが、ネットにずいぶん助け
てもらっていますが、もちろん失敗も沢山しています。

失敗することは、それを反省し、次につなげらるように咀嚼できれば
問題はないのですが、振り返ってみると自分の場合、失敗のほとん
どは上記のように「自分の判断」を持たなかった場合のような気がし
ます。

さて。
数年前に近所で表題の「ググレカス」と書かれたTシャツを着ている
女性を見かけ、「ナンだろう?」とおもって検索したのです。

gugurekasu


これはインターネットの掲示板などで、自分でろくに検索もせずに
他人にいろいろ質問してくるユーザに対し、「まずは自分で検索エン
ジン(グーグルなど)で調べろ、このカス野郎(失礼)」という意味なの
だそうです。

確かにその通りなんですが、ググれば済む問題でもない気がします。
きっと、
「情報は出すところに集まる」のセオリーから言えば、「質問の仕方」
にコツがあるのでしょう。

たとえば「それってどういう意味?」と聞くのではなく、「こういう問題
について調べるとおおよそこういう見解が得られるんだけど、私はこう
考える。あなたはどう思う?」というような具合です。

もちろん興味の範疇にない人に質問しては失礼ですが、うまく興味が
合えばお互いに得られるものがあるのではないでしょうか。

昨日の続きですが、なかなか活性化しない企業を尻目に掲示板や
コミュニティは熱いコンテキストの共有が存在しており、
「○○ってどうよ」
のひと言で多くの意見が集まっています。

コミュニティの住人が「ググレカス」というのは排他的だからではなく、
お互いを尊重し合い、築き上げたコンテキストを高め、維持するため
にも質問力をつけろ、と説いているからかもしれません。
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