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2006年05月17日(水)更新

ワールドカップドイツ代表GKオリバーカーンのコメント

日本でも代表メンバーが決まり、いよいよ機運が高まってきたワール
ドカップですが、先日スポーツニュースで見た彼のインタビューが
忘れられません。

オリバーカーンといえば、前回大会での迫力あるプレイが記憶に残る
ゴールキーパーです。
プライベートでは不倫や離婚騒動などで一時期相当のイメージダウン
を喫しているときもありました。

今回、代表メンバーでの扱いは控えゴールキーパー。
さらに追い込まれていく彼の心中を察すると、どう対応するかはとても
興味深いものがありました。
私自身も中学から20年ゴールキーパーをやってきたのでよくわかりま
すが、よほどのことがない限り試合ごとにGKを変えるということはなく、
あくまで事故(怪我)やレッドカード対策です。

しかしこうなったとき、今までサクセスストーリーに彩られてきた彼のキ
ャリアを考えると、「正ゴールキーパーじゃないなら自分のプライドが許
さないので代表には入らない」という選択肢もあったはずです。

企業が不祥事や事故を起こしたときの危機対応のインタビューや記者
会見をよく見ますが、その多くは謝罪をしつつ、保身のコメントをするの
で火に油を注ぐ場合が少なくありません。

カーンも、断れば自分のプライドを守れるかもしれませんし、自分を選ば
なかった監督に対しての最後っ屁として溜飲を下げることできたかもし
れません。

しかし彼は、「ドイツのためにサブで一緒に戦う」というもので、その意外
性に離れつつある自分のイメージを一気にまた引き寄せることとなった
ようです。

「大変な努力にもかかわらず敗北を喫した時、人は逃げたりするのでは
なく、その人間性を示さなければならない。自分は敗北を受け入れられ
なかったり、それにうまく対処できない人間ではない。そうした状況でも
最善を尽くす人間だ。W杯では、個人的な利益や境遇などではなく、も
っと大きなことが大事なのだ。スポーツマンなら敗北を受け入れる能力
だって備えていなければならない。
もちろん失望したし、誰だって参加する以上はプレーしたい。だが大切
なのは参加して自分の経験を伝えていくことだ。(レーマンに)負けはし
たが、自分はベストを尽くしていく。それが代表チームに利益となるなら
ば素晴らしいことだ」[ 以上、スポーツナビ 4月11日 13:36 より抜粋]

今の子供、いや、全ての人に勝負の意味、特に負ける意味を教えてくれ
るインタビューだと思いました。
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