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2006年08月25日(金)更新

奇異なキャリア(その4)

私が日本テキサス・インスツルメンツで人事採用のホームページを立ち上げたとき、
会社全体のWEBサイトもありませんでしたし、実は米国本社(www.ti.com)も立ち
上がっていませんでした。

このプロジェクトは人事本部長の了解のもとでスタートしたので、社長はおろか、
取締役の方々の認知もありませんでした。
社長は、外部の会合やレセプションで
「あんたの会社はさすが、進んでいるねえ」
と言われてはじめて気がついた、というような状況でした。

当時は、社長や取締役が
「雨宮君、いったい何やったんだ。そのインターネットって奴を見せてくれ」
といってよく私の机を訪問してくださいました。
しかし、悪い噂(?)が広がるのは早いもので、日本で誰かが勝手にパブリックな
WEBサイトを立ち上げた、というのは本国の耳にも入り、私は早々に本社に呼び
出しをくらいました。

行けば当然、
「基本のデザインフォーマットはこれなので早めにこれにそろえて作り直せ」
といわれるのが関の山だと思っていたのですが、集まっていたWEB開発委員会
のメンバーは、私が部屋に入るや否やみんな席を立って拍手で迎えてくれました。
そして、
「私たちはみんなで集まって一緒に考えているところだ。お前は一人でここまで
よくやった。お前の経験をぜひシェアしてくれ。そしてこちらでも一緒に考えてくれ」
といってくれました。

今の自分のモチベーションの基本はここにあるのかもしれません。

企業コミュニケーションとしてWEBサイトを考える。

その基本姿勢が欧米企業には最初から備わっていました。
そして、その差が10年でかなり大きくなってしまったのが日本の企業のWEB
サイトだと思います。
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