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2009年01月05日(月)更新

はたして2009年はどんな年になるのか?

多くのマスメディアが未曾有の大不況、恐慌、と人々の不安を煽り立てて
いるなかで、元旦の日本経済新聞は静かに勇気を与えてくれるコラムを
トップに据えていた。

「サバイバビリティ」と名づけられたそのコラムは、額面どおりに取れば「生
き残るための能力」となり、それとて緊張感をかもし出しているのだが、実
際の内容はネガティブなニュースが多い中でも次代を見据えて動く企業を
数多く取材し、紹介しているものだ。

本文には「革新は混迷の世から生まれる」と書かれており「古い価値観が
崩れるときこそ、挑戦者のリスクや参入障壁が低くなる」とあった。
また、「世界を変える製品や技術がこの時代に生み出されるであろう」と
結んでいるが、わたしは今こそ、企業の組織のあり方や付随する企業コミ
ュニケーションのあり方そのものが大きく変化するタイミングと見ている。
逆に言えば、モノやツールばかりに重きを置くのではなく、人やその考え方
を見直すことが肝要だ、ということだ。

第2次石油ショック(1979年)以降、日本の家電メーカーやエレクトロニクス
メーカーは次々に画期的な製品を生み出した。
あおりを食った欧米社会では組織やマネジメントの考え方を見直し、抜本
的な改革(リエンジニアリング)を行った。私が外資系に勤めていたとき、最
初に目の当たりにしたリストラもこのときだった。
直後、バブル崩壊にあえぐ日本企業を尻目に多くの米国企業は立ち直り、
ネットの商用利用開示とともに多くの新しいネットベンチャーが生まれたのも
このときだ。(日本ではあまりオリジナリティの高いネットベンチャーが出なか
ったのが象徴的)

米国は組織の見直しとITの進化によるコミュニケーションの見直しを行って
きた。ネットの使い方を見ても、どんな新しい技術が生まれても、会社として
の考え方やコミュニケーションのアプローチに「芯」が感じられるのはこのた
めだ。

今度の危機は世界的なものかもしれないが、再生のヒントはそんな組織と
コミュニケーションのあり方を見直すところにあるのではないだろうか?

そういうメッセージを掲げて10年前にスタートした私の会社だが、当初は
「理屈は良いからかっこよいホームページを作ってくれ」という相談ばかり
だった。

昨年参加したIABCでは代表者から「なぜ日本企業はコミュニケーションに
興味を持たないのか?」とさえ言われた。現実には誤解が多いのだが、
(特にネットを活用した)企業コミュニケーションを実施して企業を元気にする
人材が少ないのは事実だ。

「タイミングだからとりあえず代理店か制作会社を呼んでウェブリニューアル
をやってみるか」

とお考えの企業コミュニケーション担当者の皆さん。

まず一緒に考えてみませんか?
今後の時代に必要なプロフェッショナルなコミュニケーション組織と人材を
育て、サポートする。そんな視点から今年も私たちは皆さんのお手伝いを
します。